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講師コラム

ハラスメントといわれない、部下のやる気の高め方

やる気のメカニズム

 やる気とは字の通り「何かをやろう/しようとする気持ち」で、気持ちのことを指します。「意欲」と同じで、行動を起こすときの気持ちのパワーみたいなものです。
 このやる気の源泉が「お金」「昇進」「賞賛」「名誉」「恐怖」など自分以外の人や制度からの働きかけに応じる場合、これを「外発的動機づけ」といいます。これに対して「使命感」「面白さ」「達成感」「貢献感」「夢」「感動」など、自分の内面から湧いてくる場合、これを「内発的動機づけ」といいます。最初はお金などの外発的動機づけだったけど、途中で面白さなどの内発的動機づけに変化することもあります。またその逆もあります。

外発的動機づけと内発的動機づけ

 我われが行動を起こすとき、そこには「動因」と「誘因」の2つの働きかけがあります。自分を動かそうとする意欲そのものが「動因」、行動しようと誘いかけるものが「誘因」です。外発的動機づけは「誘因が自分の外」にあり、内発的動機づけは「誘因が自分の中」にあります。内発的動機づけは、自分を動かすマスターキーは自分が持っています。外発的動機づけは、一時的にはありですが、継続すると苦しくて続きません。外発的動機づけの問題点は以下の3つです。

  1. アメかムチを使い始めたらやり続けなければならない(やめたら効果激減)
  2. アメかムチの刺激をだんだん高めないと効果が薄れる(エスカレート効果)
  3. 絶えず外部からの監視・統制を続けなければならない
      =内発的動機づけの心の装置が備わらない(マスターキーが自分にはない)

 そこで、上司である皆さんが部下に対して実践してほしいのが「内発的動機づけ」のサポートです。「内発的動機づけ」は、彼・彼女たちがありのままの自分を自己受容(自分を肯定的に味方につける能力・態度)することで自らやる気を高めていくもので、「外発的動機づけ」のような問題点はありません。この「内発的動機づけ」は、「相互尊敬」「相互信頼」にもとづくコミュニケーションを通して育まれていきます。

アドラー心理学の「尊敬」「信頼」とは

 皆さんは「尊敬」という言葉にどのようなイメージをもっていますか?
 多くの人は、「尊敬」という言葉に対し、目下の人が目上の人を「尊び、敬う」という意味でとらえているでしょう。しかし、アドラー心理学では、「尊敬=リスペクト」を「人それぞれに年齢・性別・職業・役割・趣味などの違いはあるが、人間の尊厳に関しては違いがないことを受け入れ、礼節をもって接する態度」と定義しています。
 また、もう一つの「信頼」という言葉についてはいかがでしょうか?
 「信頼」と似た言葉に「信用」という言葉があります。下の表は、この2つの言葉にどのような違いがあるか、アドラー心理学の考えに立って比較したものです。

信用 信頼
CREDIT TRUST
相手の悪意の可能性を見極め、しっかりとした裏づけをもとに信じること
(担保つき)
生産性の原理に基づく
常に相手の行動の背後にある善意を見つけようとし、根拠を求めずに信じること
(無担保)
人間性の原理に基づく

 「信用」には条件が求められるのに対し、「信頼」は無条件です。信用金庫があっても信頼金庫は存在しません。アドラー心理学では、「信頼=トラスト」を「根拠を求めず無条件に信じること」と定義しているのです。



部下との間に「相互尊敬」「相互信頼」を築くには

 では、この「尊敬」「信頼」を部下との間で「相互」にするには、どうすればよいのでしょうか?
 実は、そのために上司の方に心がけていただきたいことは、たった1つ。相互尊敬・相互信頼の関係を築こうと決意したら、部下よりも皆さんのほうが、部下に対して「より早く」「より多く」尊敬・信頼するということだけです。
 上司―部下というタテの関係がある場合、下の立場のほうが心理的に劣勢な立場にいます。上の立場にいる皆さんが、部下を「より早く」「より多く」尊敬・信頼することにより、時間がかかるときもあると思いますが、徐々に部下も心理的に安心し、皆さんに尊敬・信頼の度合いを強めていくことができるのです。



リフレーミングの実践

 具体的に実践していくには、まず部下の方々に対して皆さんから「尊敬・信頼」していることを伝える必要があります。その際役立つのが「リフレーミング」という手法です。

  1. 前にも言ったよね/何で何度言ってもできないの
  2. この書類、全然ダメ
  3. また遅刻!今日で何日目?
  4. 何で報連相できないのかな
  5. 今じゃないとダメ

あなたは、部下に対して上記のような、ハラスメントまがいの言葉を発した経験はありませんか?これらの言葉をリフレーミングしてみると

  1. どうすればミスを防げると思う?
  2. この方法もいいけど、○○の視点で考えてみるともっと良くなると思うけど、何かアイデアある?
  3. 何かあった? 皆心配しているよ!
  4. 今は手を離せないけど、○○時だったら時間作れるよ?

どうでしょう。部下が受ける印象は全く違うと思いませんか?リフレーミングには2種類あって、上記のような「状況のリフレーミング」と「意味のリフレーミング」があります。意味のリフレーミング例を紹介します。

短所 リフレーミングして変換
飽きっぽい 好奇心旺盛/切り替えが早い
あわてんぼう 行動的/行動が機敏
意見が言えない 協調性がある/人を立てる
おしゃべり 自己表現が上手/人好き
おとなしすぎる おだやか/人の話をよく聴く
頑固 意思が強い/信念がある
きつい感じ はっきりした性格
断れない 優しい/相手の立場を尊重
地味 素朴/控え目
消極的 控え目/気遣い上手
図々しい 行動力がある/積極的
そっけない 客観的
冷たい 冷静/客観的
のんき 心が大きい/おおらか
目立たない 控え目/和を大事にする

 意味のリフレーミングは、部下の短所、障害、悩み、危機と捉えられていることも、視点(見方)を変えれば、その人にとって長所、財産、可能性、好機と捉えることができます。これら2通りのリフレーミングは、慣れないうちは難しいかもしれませんが、実践しているうちにコツがつかめます。
 「相互尊敬」「相互信頼」の関係を築きたい部下一人ひとりについて、このリフレーミングを行ないます。そして、機会を見つけては、肯定的に捉え直した行動や性格を、「尊敬」と「信頼」の気持ちをベースに、言葉にして本人に伝えていくようにしましょう。上司-非正規社員の間に「相互尊敬」「相互信頼」が成立すると、コミュニケーションが豊かになり本音が聞けるとともに、「上司と話す」ことで彼・彼女たちが勇気づけられ、モチベーションが自然に高まるようになります。まずは実践してみましょう。



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コラム担当講師
宮本 秀明  (みやもと ひであき)

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