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"特集" #スマホハラスメント

はじめに

当社では、職場内で SNS(LINE、Facebook、メッセンジャー、Twitter、Instagram等)上でのハラスメント問題が増え続けている現状を把握するため、「ハラスメントのグレーゾーンに関する調査」、全国の管理職・男⼥、⾮管理職・男⼥、1000 ⼈対象に「ハラスメントのグレーゾーンに関する調査」を2019年に実施しました。その結果、SNSハラスメントの被害が 10%を超えることが判明したのです。

■調査結果
1 仕事関係で「SNSによるセクハラ、パワハラ」は約8⼈に1⼈が経験
2 職場での⼈間関係のうち4⼈に1⼈は仕⽅なく友達承認
3 SNSによるハラスメントのガイドラインなし、ルール化の遅れが⽬⽴つ

■約8⼈に 1⼈は職場関係で SNSによるハラスメント
SNSでのハラスメントの実態を調査するため、職場に例(※)にあるような SNSによるセクハラ、パワハラの問題(ご⾃⾝が体験したこと、間接的に⾒聞きしたことを含む)は、あるかを質問したところ、11.6%が「ある」という答えでした(図1)。
現在、SNSはスマホで主に⾏われることから、セクハラ、パワハラなどのハラスメントは、もはや「職場」だけでおさまらず、職場外においても「スマホ上」でハラスメントが⾏われていることが明らかとなりました。

<※例>
いつでも相談できるようにと、私⽤の LINEの IDを教えるように先輩から求められた。
上司や後輩を非難、攻撃する内容を投稿した。
会社⾏事の写真(上司や家族、同僚、取引先の顔が⾒える)を意図的、または無⾃覚に投稿した。
Facebookの友達申請を嫌いな上司から強要され、断れずにいる。
LINEグループのいじめ(不思議と飲み会に誘われない等)や、仲間はずれがある。
性的に不快感を覚える Instagramを先輩、上司から休憩中に見せられる。

このようなSNSを媒介としたハラスメント問題が職場で問題視されてきた背景には、当然ながら、皆さんが職場でもプライベートでもスマホを常に持ち歩いている状況からも既にお気づきのように、既にコミュニケーションの場が職場からスマホのなかに移行しているからです。参考まで日本におけるSNSの利用者数は2018年末の7,523万人(普及率75%)から、2020年末約8,000万人へ拡大する推計があります。
1ヶ月平均で約26万人の利用者が増加を続けており、SNS利用が当たり前になってきたことで利用者は40〜60代以上の年齢層にも拡大しており、登録者数・利用者数ともに増加傾向が見られるのです。(「ICT総研調べ」)
今、日本の職場で、スマホの中でどのようなハラスメント起きているのか、スマハラで振り回されている日本のビジネスパーソンの実態をご紹介しながら、ハラスメント問題が職場からスマホに移行した状況を皆さんに問題提起していきたいと思います。

労務事情2020年3月1日号

スマホハラスメント(1)
現場で部下が悩んでいるスマハラの実態

 昨年、当社で SNS(LINE、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム等)が起因して起こる職場の「スマホハラスメント」(以下、スマハラ)を調査するため、全国の管理職、非管理職の男女1,000人を対象にアンケートを行った。その結果、スマハラの被害者が10%を超えていることがわかった。
 50代以上の管理職は「職場では見聞きしたことがない」
「当社ではまだ起きていない」
との回答が非常に多い一方で、 20~30代からは、切実な悩みが寄せられた。また、管理職から部下へのスマハラに限らず、意外にも管理職自身が上長からのスマハラで悩んでいることもわかった。スマハラの悩みに上司も部下も関係がないのである。
 本稿では2回にわたり、いまスマホのなかで何が職場のハラスメントの引き金となっているのか、実例を基に考えたい。

どうしてもあの子と「友達」になりたい上司

 会社の懇親会で、違う部署の男性部長と隣の席になった女性の話。その部長は社内でたまに廊下ですれ違う程度、顔は知っているが会話をしたことはない。酒も入り、その場は楽しく過ごした。翌日の昼休み、フェイスブックに友達申請がきた。なんと部長からである。同僚や友人以外とはつながらない考えの彼女は、承認すれば部長にプライベートを知られてしまうため、無視した。1週間後、突然部長が笑顔で自席にやってきて放った驚愕のひと言に彼女が青ざめた。
「なんで承認しないの? 僕たちは友達だろ?」

 すぐにセクハラとは断定できないから厄介だが、その後の上司の言動や部下の不快な気持ちに想像力を働かせ、この問題を放置することで将来起こりうるリスクを考えることが大切だ。現実問題、会社として対処したくても顕在化しにくいのがスマハラの特徴である。

同期入社を LINE でパワハラ

 内定者同士で LINE グループをつくることは当たり前で、新人研修期間中に、知らぬ間に仲のよいメンバー限定の LINEグループができ上がった。A君は不思議と自分だけが同期の飲み会や遊びに誘われないことから、別の LINE グループの存在に薄々気づく。いわゆる仲間外れだ。慣れない通勤と研修に疲れ果て、恥ずかしさから人事部に相談もできない。気がつけばランチはいつも1人で、同期とは会話もない。パワハラの定義など知らない他の新人は、この状況がパワハラにあたる行為などという認識はない。A君は入社1カ月後に退職。LINE を使ったことがない人事部長も、想定外の出来事に正直驚きを隠せなかった。翌年から、新人にハラスメント研修を実施することになる。新人でも同僚同士のいじめ、無視といった行為はパワハラになるため、許されない行為であることを伝えた。

ウチの会社は大丈夫⁉

 社内のハラスメント調査結果や、内部通報に声があがらないので、ウチの会社だけは大丈夫とは断言できない。スマホネイティブ世代が入社してくるいま、むしろ大人に対して、ハラスメントリスクの観点からSNSのリテラシー教育の必要性を感じる。フェイスブックの実例のように、「友達」の定義が人により異なることを知らない上司が実在するからだ。


労務事情2020年3月15日号

スマホハラスメント(2)
9割の部下は知らない、上司も悩むスマハラの実態

 前回、スマホハラスメント(以下、スマハラ)に悩む部下の実例をご紹介した。スマホのなかでトラブルが発生しているために、顕在化しにくいことから、どうしても問題に気づくまでに時間がかかることが実際には多い。今回は、管理職に焦点を当て、上司が悩みを抱える部下とのスマハラ、部下にはいえない管理職自身とその上長との間に起こるスマハラの実例を基に、管理職が悩むスマハラを考察したい。

LINE が大好きな社長

 とある中小企業の社長は、業務連絡をA部長と LINE で行っている。A部長は、経営会議にも参加する社長の右腕である。重要な仕事の指示や報告も頻繁に受けていた。社長の LINEはメールと同じくらい長文で理路整然、厳しい指示のようにみえるが、文面に暴言の文字はない。指示を読み解くために、毎日スマホと格闘している。
 A部長には、周囲に相談できない悩みがある。社長から、 LINE の指示が休日も頻繁に届くことである。着信音が鳴るたびに心穏やかではない。経営上の相談もあるため、我慢し続けてきたが、堪忍袋の緒が切れる事件が起きた。元旦に届いた社長からの LINE である。
 「明けましておめでとう。さて、年末の例の報告書の件だが……」仕事の話がさらに続く。
優秀な一方、相手の気持ちや状況に配慮ができない社長に「パワハラだ!」と声をあげれば、中小企業だけに自分の居場所がなくなることにおびえ、部長は1人悶々としている。



部下の相談は SNS 上だけ !?

 A課長は退社後、自宅最寄り駅の改札を出ると、さっきまで職場で談笑していた1人の部下から突然、LINE にメッセージがきた。いまから LINE で大事な相談に乗ってほしいというのだ。疲れていたA課長は、明日読むことにした。翌日出社したとたん、部下から大声で怒鳴られた。「上司は部下の相談に乗ることも仕事ですよね。既読スルーはパワハラです!」A課長は「重要な相談は、直接声をかけてほしい。今日会って話そうと思ったんだが」と冷静に伝えた。部下は「重要な話だからこ そ LINE な ん で す。LINEじゃ駄目なんですか?」と納得しない。A課長は、過去にLINE で部下の相談を受けた経験もない。1人悩んだあげく、それ以来、職場の部下と話す回数が極端に減った。

何のためのコミュニケーションツールなのか?

 実例の背景には、不平不満を「パワハラ」と表現する部下、相手への配慮もない上司の無自覚な言動、上位者にはモノがいいにくい、といったさまざまな課題が複雑に絡み合うために、単純には解決できない。SNSの利便性に比例して、上司と部下のアナログな対話と相互理解の重要性が増すという皮肉な状況だ。正しい指導がパワハラと受け止められることをおそれて、部下育成に上司が消極的になるケースも多く耳にする。
 実例をみてきた筆者が共通に感じたことは、問題の当事者以外の周囲が無関心なのである。自分はかかわりたくないために、見て見ぬ振りをしているのだ。職場の仲間が困っていても平気な人もいるという。管理職同士でも、悩んでいる姿に気づいたらさ細なことでも声をかけたりと、傍観者にならない意識を持ち続けてほしいと切に願うのである。

PROFILE

●株式会社インプレッション・ラーニ ング
 代表取締役 藤山晴久
ハラスメント問題の解決を専門とした企業研修のプランナー。管理職をいま最も悩ませている「グレーゾーン問題」を解決するための研修の企画を得意とする。座学の講義にとどまらず、役者の芝居を通して1,000人以上が参加する日本初の舞台型ハラスメント研修など、さまざまな学習方法や切り口をテーマにした研修を実施。ウェブサイト「ハラスメント研修企画会議」で社会の出来事やトレンドを考察しながら、ハラスメント問題の解決のヒントを発信している。


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