「未分類」カテゴリーアーカイブ

「養命酒」が教えてくれたパワハラが起る理由

やっぱり仕事で疲れる理由は「上司の一言」

いよいよ今年も新入社員が入社してくる時期が近づいてきました。職場では、全国から集まる新人の受け入れ準備や研修の準備でバタバタしている会社も多いと思います。

少し前の資料ですが、2018年に養命酒酒造様が、東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査を、忙しく働くビジネスパーソンには、仕事上のストレスや通勤から疲れを溜めやすい生活を送っている人も多いということで、ビジネスパーソンの疲れの実態をアンケート調査を通じて明らかにしていました。
(養命酒製造株式会社調べ)

その調査をあらためて新年度を前に読み返したときに、実は、ビジネスパーソンの疲れの要因のウラには、ハラスメント問題も隠されていることが明確に読み取れました。

全回答者に、これまでの上司のセリフで疲れが倍増を経験したかどうかを聞いたところ、「疲れが倍増した経験がある」は41.0%、「疲れが倍増した経験がない」は59.0%と、上司のセリフが疲れの要因になったことがあるという人が4割強という結果になったそうです。

これまで実際に上司のセリフで疲れが倍増した経験がある方に、これまで実際に上司に言われて疲れが倍増したセリフを聞いたところ、「常識でしょ、当たり前でしょ」が最も高く、次いで「前にも言ったよね?」「まだ終わらないの?仕事遅いね」「そんなことも出来ないの?」「やる気あるの?」が続きました。その他、「自分で考えてやれ&勝手にやるな」や「忙しいから後にして&なんで早く言わないの?」といったどうすればいいの?と指示を受けた人が戸惑ってしまうセリフも上位に上がりました。

疲れの原因上司のフレーズ ベスト3

繰り返します。

1位 常識でしょ 当たり前でしょ
2位 前にもいったよね。
3位 まだ、お会わらないの? 仕事遅いね

ここだけは覚えて欲しいのですが、疲れの原因は、「上司のセリフ」に問題があることが分かりました。

1位の「常識でしょ」の発言は、今やハラスメント問題の引き金となる代表的な言葉です。上司のこれまで働いてきた経験の積み重ねから生まれてきた価値観から出るフレーズ「これくらい、フツーだろ」といった、自分のフィルターだけを通してしか部下の行動や仕事の成果を判断することができない、相手の立場から物事を見ることが出来ない上司が、実は世の中にごまんといます。若手のハラスメント研修でもこの言葉に振り回される部下の悩みをよく耳にします。上司からの価値観を押し付けられて困っている部下は沢山いるのです。常識って一体何でしょう。

「フツー、仕事が始まるの30分前には、席についているもんだろう」「フツー、挨拶は部下から先にするものでしょ」
「フツー、部下は上司をたてるものだろ」

一体、フツーって一体何が普通の基準(モノサシ)なのでしょうか?

「フツー」という言葉をよく使う人は、パワハラに注意!

このアンケートでは、具体的な上司から押し付けられた「上司の常識」の内容については言及されていませんでしたが、まさにこの小さなイライラがストレスの引き金となり、ついに我慢も最後、

「その言い方はパワハラです!!!」

価値観の違いを無視した一方的な発言こそが、この言葉を部下から引き出す、いまや「キラーワード」になっていることに自覚がないベテラン上司が日本の職場にいるのです。

部下は、上司にモノ申したくても言えないものです。「上司の方が非常識ですよ」「普通というか、音信不通ですね(笑)」とは言えないのです。配慮がない。おまけに、仕事とはそもそも「我慢して我慢して働くことが美徳である」という自分の価値観に固執していれば、なおさら相手の立場を察することはできません。「自分たちも、我慢して働いたのだから、部下もそうすべきだ」という発想から脱却することが出来ないのです。

価値観のズレ、好きと嫌い、好みの違いから生まれるハラスメント問題は、職場において当人同士では絶対に解決ができません。いつまでも平行線をたどります。だから最終的に、会社としての対応が求められるのです(別の機会にこの論点は具体的にご紹介しましょう)。この問題は、今、全国のハラスメント問題の大きな解決すべき課題の一つなのです。まさにハラスメントのグレーゾーン問題です。

疲れ半減の上司のコトバから読み解く、パワハラを防ぐヒント

一方、このアンケートでは、疲れ半減の上司のセリフとして

1位 君がいると安心だ!いつも頼りにしているよ

2位 すごいね、よくやった!期待以上の出来た

3位 君の心配りや優しさにはいつも感謝している。

と続きます。

このランキングから読み解く重要なポイントがあります。

1つ目は、普段から部下のいいところ、行動特性に着目して観察していないと、お世辞でも褒めることが出来ないということ。2つ目は、普段からこのようなセリフを言えない人がいっても単なる「おべっか」になり、部下は絶対にその言葉を信用しません。

このアンケートだけをみて「そうか、褒めればいいのね」と短絡的に考えた上司の方、止めてください。本当に信頼関係があれば、普段多少厳しい言葉で指導されても、上述のような言葉で褒められれば部下も「この上司はちゃんと自分のことを見てくれている」と安心し、少しづつ時間はかかりますが、信頼が生まれてくるのです。

大事なことは、単なる言葉遊びではなく、部下に対してどのようなコトバを、どのような関係性の習熟レベルに応じてこえかけするか、ということを常に自問自答しながら考えることです。これを何も考えずに褒めてもムダです。また、「スゴイね!」しか言わない上司も危ないです。何が凄いのか?目的がなく褒めている人が沢山います。要は、ノリで褒めることになれてしまい、何も考えていないのです。褒めるための上司のボキャブラリーが貧困にも感じてしまいます。

ここで価値観の違いから生まれるハラスメントのグレーゾーン問題に
振り回されないようにする「心遣い」をもつために、ちょっと立ち止まってみましょう。

冒頭に上司の言葉で疲れが倍増する「常識でしょ。フツーでしょ」を
なくす方法ともいえます。

「フツー」という言葉を自分の会話の文脈から断捨離する

他にも「一般的に」「俺たちの頃はなあ~」がなくても職場で会話はできます。「フツー」という言葉をどうしても使いたくなったら、その代わりに「私は」に置き換えます。つまり「自分はこう思うんだけどね」
と責任逃れが出来ないようにするのです。自分のコトバに責任を持たせます。自分の価値観が唯一絶対のように相手を追い込まないようにすることができるのです。
その上で、「あなたはどう思う?」と反対に相手の考えに耳を傾ければいいのです。そこに良い悪いはありません。大事なことは部下にフランクに聞けるかどうかなのです。今、上司や先輩の皆さんが部下や後輩にフランクに聞けない関係であるならば要注意かも。。

もうひとつ大事なことはそこで、相手の考えを一切否定しないことです。「そうか。そんな考えや価値観もあるのね」と素直に受け止めることです。つまり、価値観のフィルターのバリエーションを増やしていくことなのです。ここまでお読みくださった方は、「何当たり前のこと言ってんだ」と思われるかもしれません。一方で、研修で多くの受講生とお会いしてきますと、「そんな当たり前の」ことができない大人が沢山いるという事実も参考までにお伝えします。だから、ハラスメントがなくならないのです。

部下は上司を選べない、上司も部下を選べない時代

最後にこのアンケートでは、
会社での疲れも優しいセリフや笑顔で半減しそうな

女性芸能人に
1位 「綾瀬はるか」2位「新垣結衣」3位「石原さとみ」

男性芸能人に
1位 「所ジョージ」「明石家さんま」「福山雅治」

と続きました。ちなみに、スポーツ選手ではイチローが上司の疲れ倍増の嫌味なセリフも跳ね返してそうな1位に選ばれていました。

今年の春の人事異動の季節。今も会社で上司の言動に多かれ少なかれ悩んでいる部下の方も多いかもしれません。

上司は部下を選べない。部下は上司を選べない会社は日本全国、まだまだ多数派です。だからこそ、上司の皆さんには、ハラスメント問題が価値観の違いから起こるメカニズムとそのリスクを正しく理解して欲しいと切に願います。

部下の皆さんも、皆さんも「綾瀬はるか」や「所ジョージ」のような上司と出会えますように!

そして、疲れをためないライフスタイルと、養命酒を!

藤山晴久

ハラスメント研修企画会議
http://www.harassment.tokyo/#modal-options

◆注目!企業研修プログラム
「今夜つきあうとは、どういうつきあいですか?」
働く女性のための セクハラにNO!といえるスマート対応法
うっかり余計な一言に、上司は顔 真っ赤っ赤
http://www.harassment.tokyo/program/index15.html
◆セミナー情報
2019年4月17日
パワハラ・セクハラグレーゾーン判断力向上セミナー
管理職のモヤモヤが3時間でスッキリ!
https://www.impression-ilc.jp/information/seminar20190417.html

ハラスメント研修の企画のご相談はこちらへ
https://www.impression-ilc.jp/contact/

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング  代表取締役、産業カウンセラー。立教大学経済学部卒。アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修企画営業部門のマネージャーとして一部上場企業を中心にコンプライアンス、ハラスメント研修等を企画。2009年株式会社インプレッション・ラーニングを設立。起業後、企業研修プランナーとして「ハラスメントの悩みから解放されたい」「自分の指導に自信を持ちたい」「部下との関係性をよくしたい」……といったハラスメントにおびえながら部下指導に悩む管理職に年間200件のセクハラ、パワハラ研修を企画し、研修を提供。会社員時代の研修コンテンツでは決して企画することが出来なかった 「グレーゾーン問題」に特化したハラスメント研修を日本で一早く企画し実施。 起業後10年間で約2,000件、約30万人以上に研修を実施してきた。

 

「褒める」ことを条例にした町に学ぶハラスメントをなくすヒント

相手のよいところを褒める習慣を街ぐるみではじめる

『兵庫県多可町議会は、2018年12月26日町民らが家族や友人、職場の同僚らのよいところを見つけ、言葉で伝え合うことで地域活性化を目指す「一日ひと褒め条例」を12月定例会で議員提案し、全会一致で可決。2019年1月1日より施行している。住民や事業所、町の理念条例。町議会は「疲弊した感情が充満する世の中で人間の原点に立ち返り、心豊かでにぎわいのある町にしたい」とのこと。

この多可町役場、条文では「1日に1度は人をほめる、または感謝の気持ちを伝える」「人の良い言動や成果を見つけ出し、積極的にコミュニケーションを図り、風通しの良い職場をつくる」とある。同商工会の若手議員らと町議会が今年2月に意見交換した際、ネット上で匿名のまま人を批判する風潮を問題視する中で「町を元気にする条例をつくろう」との案が浮上。条例は、町、住民そして事業所の姿勢を示すもの』(2018年12月27日:神戸新聞NEXT引用)

「ハラスメント対策だと? 寝た子を起こすからウチの会社はまだ早いよ!」と言って逃げ回っている社長がまだまだいる日本の会社において、今年から施行されているこの条例の話題は素晴らしいですね。是非、この運動が成功して町が活性化していくことを心から期待したいと思います。褒める習慣が何十年もない人に突然、褒めることを強いても大変でしょうから、自分たちの風土や組織にあったやり方をじっくりと模索していかれたらよいなと思い、応援したい気持ちになりました。

会社の「あいさつ運動」は本当に効果があるのか?

このニュースを聞いたときに、ふと会社の「あいさつ運動」を思い出しました。朝、出勤しても、挨拶すら出来ない部署、部下を褒めたり、部下のいいところをみつけることが出来ない上司は世の中に沢山います。このようなコミュニケーションがギスギスしている職場の状況を憂いて、「そうだ!あいさつ運動だ!」と声高に挨拶運動をまるで何かのキャンペーンのようにやっている会社をよくみかけるのですが、問題はその中身。

あいさつも実は運動期間中だけ。おまけに、自分の嫌いな人には挨拶しないで、好きな人だけに挨拶する、という本末転倒なことが起きているのです。おまけに「あいさつは部下からするものだろ!」と自分から声かけをしない上司もいる始末。悲しいことにトップには、この現場の実態が情報として上がってきません。期間が終わると、見事にいつものギスギスした職場に戻ります。

これを『やってるフリのあいさつ運動』といいます。

脱!「やっているフリのあいさつ運動」

経験上、このやっているフリのあいさつ運動をしている会社は、水面下では意外とハラスメント問題を抱えていることが多いのです。人事もちゃんと知っていたりするのです。だから何をしたら職場が良くなるか分からないので「とりあず」あいさつ運動をはじめるのです。

あいさつ運動を否定するつもりはありません。 あいさつ運動をはじめるときに、気になるポイントがあります。

いい大人がいまさらですが、
①「なぜ、職場のあいさつを運動化するのか?」
②「何のために職場であいさつをするのか?」
③「そもそも職場であいさつをする目的って何ですか?」

こんなこと説明する必要ないだろうと説明もせずに、「元気にあいさつをしましょう。声をかけあう職場にしましょう」とスローガンとともに社内文書が流れ、おまけにバッチまで配り「あとは頑張ってね!」と経営陣は現場任せです。 一方で「そんなことないよ、ちゃんと声かけしてるよ」と反論の声も聞こえてきます。 その中身を聞いてみると、こんな上司もいました。

上司「最近、頑張っているね~!」
部下「はぁ。。」
上司「元気!?絶好調だね~!」
上司「いいね!!すごいよね~!さすが~!」
部下「何がすごいんだよ。また、はじまったよ、、、」

部下への声のかけ方がわからない上司たち

ベテラン上司から聞こえてくる会話です。

上司は「何に対して頑張っている」と考えて、部下を褒めているのでしょう? 部下のどのような点が「絶好調!」なんでしょう。 褒める理由をよく考えて声をかけない上司は、必ず、部下から見透かされます。 部下は、想像以上に上司の言動をよーく見ているものです。 まずは、あいさつ運動をはじめるまえに、ちゃんと3つのポイントを説明した方が効果が上がると思います。

特に上司には、何気ない「あいさつ」には、部下を観察する習慣をもたせる狙いがあること、部下育成のためには普段の部下の様子や、部下のよいところに着目して部下に仕事を任せる時の情報として普段からストックしておくこと、部下からも話しかけてやすいような空気をつくることが大切です。

報連相なんて簡単にいいますが、部下は、嫌いな上司には絶対に相談なんかしません。あいさつを通じて、部下のメンタルヘルスに注意を払ったり、ハラスメントが起こらないように、小さな意思疎通のズレが起きないように自分と相手の会話を通じて意識的に関係を整えていくことも大事です。 ハラスメント問題をおこさない職場づくりには、非常に大切な着眼点だと思います。

大事なメッセージは「考えるあいさつ」を習慣化しましょう、ということです。昔、私が通ったジムのトレーナーさんに「筋トレは筋肉のどこに効くのかを考えながらやることが大事」と言われたことを思い出し、あいさつ運動も一緒だなと思いました。そう考えると、「運動」とはまさにあいさつを通じて職場のコミュニケーションや組織風土を整えるトレーニングかもしれません。

もう一度、多可町の条分を繰り返します。

「1日に1度は人をほめる、または感謝の気持ちを伝える」「人の良い言動や成果を見つけ出し、積極的にコミュニケーションを図り、風通しの良い職場をつくる」

是非、みなさんの会社のあいさつ運動を、部下との関係性を整えるチャンスにしてはいかがでしょうか? こんな取るに足らない小さな取り組みがハラスメントをなくすことにつながっていくのですから。

藤山晴久

ハラスメント研修企画会議
http://www.harassment.tokyo/#modal-options

◆セミナー情報
2019年4月17日
パワハラ・セクハラグレーゾーン判断力向上セミナー
管理職のモヤモヤが3時間でスッキリ!
https://www.impression-ilc.jp/information/seminar20190417.html

ハラスメント研修の企画のご相談はこちらへ
https://www.impression-ilc.jp/contact/

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング  代表取締役、産業カウンセラー。立教大学経済学部卒。アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修企画営業部門のマネージャーとして一部上場企業を中心にコンプライアンス、ハラスメント研修等を企画。2009年株式会社インプレッション・ラーニングを設立。起業後、企業研修プランナーとして「ハラスメントの悩みから解放されたい」「自分の指導に自信を持ちたい」「部下との関係性をよくしたい」……といったハラスメントにおびえながら部下指導に悩む管理職に年間200件のセクハラ、パワハラ研修を企画し、研修を提供。会社員時代の研修コンテンツでは決して企画することが出来なかった 「グレーゾーン問題」に特化したハラスメント研修を日本で一早く企画し実施。 起業後10年間で約2,000件、約30万人以上に研修を実施してきた。

終活ハラスメント!

ハラスメントのグレーゾーン問題に振り回されない人になる!

このブログは、毎日ただでさえ忙しいのに、ハラスメントで仕事の邪魔をしている上司、先輩に振り回されたくないと思っている人、職場からハラスメントをなくしたいと真剣に考えている人に向けて世の中で起きていることを通じてメッセージを伝えていくブログです。

私は、企業の役員や経営者、管理職、新入社員、派遣社員まで、ハラスメント問題を正しく認識し、ハラスメント問題を職場からなくすための研修のプランニングを行っています。仕事柄、年間数千人から数万人の方に研修の企画を通じて、ハラスメント問題の解決方法を問題提起してきました。その過程で、様々な業種で実際に起きているハラスメントのグレーゾーン問題を見てきました。

「上司は正しい部下指導をしたつもりなのに、部下からパワハラと言われた」「部下に友達申請したら、セクハラと言われた」など「え、そんなことがパワハラ(セクハラ)になるの?」といった、本人も気づかないような「グレーゾーン」のハラスメント問題が今、深刻化しています。

課長! その仕事を強制すると「パワハラっぽい」ですよ!

いまや多くの企業が、こうした法律では解決できない、ましてや現場の管理職やメンバー同士だけでは簡単に白黒はっきりさせられないハラスメント問題を多数抱えているのです。こうしたモヤモヤしたハラスメント状況のことを、本書では「ハラスメントのグレーゾーン問題」と定義します。

そんな経験から、グレーゾーン問題を職場からなくすには、法律やコミュニケーション術からのアプローチでは限界があり、経営者の強い意思に加え、現場の管理職だけに対応を任せることだけではすぐには解決しないことが分かりました。
特にグレーゾーン問題が起こる原因は、組織の中で働く一人ひとりが仕事のやり方、働き方、好き嫌いや、嗜好などの価値観が違うからです。しかしながら実際に、正しく部下指導しているつもりなのに、部下から「ハラスメントだ!」と言われる上司がいる一方で、少々厳しく叱責しても部下からいつも慕われている上司は確実にいるのです。

ハラスメント研修企画担当者の悩み あるある

そこで研修を探してみると、今の「ハラスメント研修で教える内容と言えば、「飲み会で身体を触られた」「上司に無視された」「部下に暴言をはいた」といった、いい悪いがはっきりした「セクハラ」「パワハラ」問題に焦点が当てられがちです。そんなシーンばかりの動画を見せられても「俺はこんなことしないよ!」「いまどき、こんな上司いる!?」と過度に誇張されたシーンばかり強調されても、自分の事として問題をとらえにくいのも実情です。

法律やパワハラの定義の解説に、過去の裁判の判例の解説がセットされ、最後は「やっぱりコミュニケーションが大事ですよね、みんなで話し合いましょう!」とお約束のいかにも予定調和的な研修ばかりで面白くないのです。これでは、答えが欲しい受講生からすれば「じゃあ、どうすればいいのですか?」とフラストレーションが溜まっても仕方がありません。皆さんもそんな経験はありませんか?

ハラスメントを100%なくすコミュニケーション方法はない

100%ハラスメントにならないコミュニケーション方法や、「ハラスメントNGワード禁句集」はありません。もしこのような方法があるとするならば、「もっと職場の人間関係を悪化させるスゴイ方法」と言い換えてもいいかもしれません。残念ですが正解がありません。

冷たく聞こえるかもしれませんが、自問自答するしかないのです。会社は教えてくれません。上司も教えてくれません。判例を読んでも正解を導き出すことは出来ません。パワハラが法制化された後も、法律でも解決ができないハラスメントの「グレーゾーン問題」は間違いなく最後まで残ることでしょう。

いまだに真っ黒なハラスメント問題で悩んでいる人は沢山います。私も、お仕事でお付き合いのあったお客様が、その上司のパワハラでこの世を去った状況をこの目で見てきました。ハラスメントは人の命を簡単に奪うのです。だから職場で「挨拶運動で、風通しのよい職場をつくりましょう!」とのんきなやっているフリの職場の挨拶運動をやっている暇はありません。一番厄介なことは、言った本人はスッキリ忘れているから困ります。おまけに部下は上司には「やめなさい」とは言えません。

ハラスメントに振り回される時間がもったいない

このブログでは、世の中の様々な出来事からヒントを探り、私でもできるハラスメントにならないちょっとした心遣いをご紹介していきます。読者の方にとってハラスメント問題を考えていくヒントになればと思います。
日本のすべての職場からハラスメント問題がなくなり、毎日の仕事を楽しく、ムダな人間関係トラブルに悩まされず、仕事に集中できる一助になれば、これほど嬉しいことはありません。

ハラスメント研修企画会議
http://www.harassment.tokyo/#modal-options

◆注目の研修プログラム
「今夜つきあうとは、どういうつきあいですか?」
働く女性のための セクハラにNO!といえるスマート対応法
うっかり余計な一言に、上司は顔 真っ赤っ赤
http://www.harassment.tokyo/program/index15.html

◆セミナー情報
2019年4月17日
パワハラ・セクハラグレーゾーン判断力向上セミナー
管理職のモヤモヤが3時間でスッキリ!
https://www.impression-ilc.jp/information/seminar20190417.html

ハラスメント研修の企画のご相談はこちらへ
https://www.impression-ilc.jp/contact/

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング  代表取締役、産業カウンセラー。立教大学経済学部卒。アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修企画営業部門のマネージャーとして一部上場企業を中心にコンプライアンス、ハラスメント研修等を企画。2009年株式会社インプレッション・ラーニングを設立。起業後、企業研修プランナーとして「ハラスメントの悩みから解放されたい」「自分の指導に自信を持ちたい」「部下との関係性をよくしたい」……といったハラスメントにおびえながら部下指導に悩む管理職に年間200件のセクハラ、パワハラ研修を企画し、研修を提供。会社員時代の研修コンテンツでは決して企画することが出来なかった 「グレーゾーン問題」に特化したハラスメント研修を日本で一早く企画し実施。 起業後10年間で約2,000件、約30万人以上に研修を実施してきた。