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藤山 晴久 について

株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締 産業カウンセラー/ ハラスメント研修企画会議 主宰 企業研修プランナー 「ハラスメントの悩みから解放されたい」「自分の指導に自信を持ちたい」「部下との関係性をよくしたい」……といったハラスメントにおびえながら部下指導に悩む管理職にセクハラ、パワハラ研修を企画し、研修をご提供。フツウの研修講師とは異なる「企画営業」という立場で、ハラスメントをなくすためのコツを指導している。

怒鳴らない上司ほど、職場を壊すことがある -パワハラじゃない。でも人が辞めていく理由

とある会社で起きた話です

※複数の事例をもとに構成しています

ある会社の話です。

新卒で入社したAさん。
真面目で、優秀な社員でした。

配属されたのは、小さなチーム。
上司と先輩、そしてAさんの3人。

最初の数週間、Aさんは仕事をもらえませんでした。

「まずは見て覚えて」

そう言われて、自席に座る時間が続きます。

何も言われない指導

ある日、Aさんは勇気を出して資料を作り、上司に見せました。

返ってきた言葉は一つ。

「これ、今作ってもしょうがないじゃん」

怒鳴られたわけではありません。
人格否定もありません。

でも、それ以上の言葉はありませんでした。

評価されない違和感

数週間後。

評価面談で、上司はこう言いました。

「いつまでもお客様じゃ困るよね」
「受け身だよね」

Aさんは、ただ頷くしかありませんでした。

「関心がない」という感覚

その帰り道、Aさんはぽつりとこう言います。

「俺に、関心ないんだと思います」

もう一つの現場

同じ会社の、別の部署。

ある女性社員は、同僚からこう呼ばれていました。

「〇〇ちゃん」

悪意はありません。
むしろ親しみのつもりでした。

でも、その人は少しずつ元気を失い、
やがて職場を離れました。

共通しているもの

この2つの出来事。

怒鳴っていません。
暴言もありません。

それでも、人は壊れていきました。

小さな違和感の正体

ここで一つだけ覚えておいてください。

組織を壊すのは、強い攻撃だけではありません。

小さな違和感の積み重ねです。

「怒鳴ってないから大丈夫」という誤解

研修のあと、よく言われます。

「怒鳴る人はいないんです。でも人が辞めるんです」

私はこう聞きます。

「話を最後まで聞いている上司は何人いますか?」

無礼(インシビリティ)という問題

この現象には名前があります。

強度が低い
意図が曖昧
でも尊重を欠く

それが「無礼」です。

職場にある“見えにくい無礼

話を遮る
急かす
感謝しない
説明しない

どれも違法ではありません。

でも、

普通になると危険です。

なぜ無礼はなくならないのか

「そんなつもりはなかった」
「気にしすぎ」

問題にならないから、残る。

無礼は静かに壊す

無礼は強くありません。

でも、

毎日少しずつ削ります。

無礼は広がる

一人が雑になると、周りも雑になる。

これが「空気」です。

問題は人ではなく空気

無礼の原因は、

職場の気候です。

パワハラ対策では足りない理由

パワハラは「強い攻撃」。
無礼は「弱い軽視」。

そして壊すのは後者です。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、
よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#インシビリティ
#パワハラ
#無礼な態度

「任せない上司」が、組織を壊す。ホワイトハラスメントの本当の正体

クリーンな職場の、静かな異変

「また、新しい言葉が増えたのか」

ネットで見かけた「ホワイトハラスメント」という文字に、
私は一瞬、ノートパソコンを閉じそうになりました。
ハラスメントのインフレ。
そんな言葉が浮かぶほど、今の世の中はレッテル貼りに
躍起になっているように見えたからです。

けれど、読み進めるうちに、心のどこかにあった違和感の正体が
形を成していくのを感じました。
それは、「良かれと思って言わないこと」が、実は相手のためではなく、
自分を守るための壁になっていないか、という問いです。
過剰な遠慮が成長を阻み、関わらないことが孤立を生む。

「何を言うか」と同じくらい、「何を言わないか」が組織の体温を
奪っているのではないか。

いや、でも、本当に問題はそこにあるのか?

皆さんと一緒にこの問題を考えたく、再びパソコンに向き合いました。
それを確かめるために、まずこの数字を見てください。

中途入社1年以内の社員の56.9%がこの言葉を認知し、13.6%が実際に経験しています。さらに、その経験者の71.4%が「1年以内に転職したい」と回答しています。
出典:マイナビ「中途入社1年以内の社員に聞いた”ホワイトハラスメント”に関する調査」(2026年4月9日発表、n=1,446名)

これは単なる「優しすぎる職場」の問題ではありません。仕組みの問題です。

「優しいのに苦しい」―これは異常事態です

その「配慮」、本当に相手のためになっていますか

現場で語られている声を見てください。

「先輩が先回りして全部やってしまう」
「責任のある仕事を任せてもらえない」
「仕事が途中でも定時だから帰らされる」

これらはすべて、”配慮”として行われています。
しかし、受け取る側が感じているのは安心ではありません。
自分が必要とされていない感覚です。

ダンベルを取り上げて、何が育つのか

人は、適切な負荷の中でしか成長しません。
筋肉と同じで、壊れない程度の重みがなければ強くなりません。
ホワイトハラスメントとは、部下からダンベルを取り上げ、
「無理しなくていいよ」と言いながら、成長の機会そのものを奪う行為です。
これは優しさではありません。時間差で効いてくるキャリアの破壊です。
みんな正しい。でも、何かが足りない。

語られている。でも、届いていない。

  この問題は、すでにネット上でも議論されています。
現場の声とネット上の議論を4つに類型化すると、以下のようになります。

若手の声:
「このままで大丈夫か」
「怒られないが、正解も教えてもらえない」
「責任ある仕事を任せてもらえない」
「市場価値が上がらない気がする」
“ぬるさ”そのものが、不安になっています。

上司の声:
「何を言ってもリスクになる」
「指導したらパワハラと言われそう」
「言葉選びに疲れた」
「関わらない方が安全」
関与しないことが最適解になっています。

ネット世論:
「甘えではないか」
「贅沢な悩み」
「昔はもっと厳しかった」
「ホワイトの履き違え」
世代論・価値観論に矮小化されています。

専門家の見解:
「心理的安全性の誤解」
「ぬるま湯ではない」
「フィードバック不足」
「評価基準の曖昧さ」
優しさと放任が混同されています。

しかし、それでも何かが決定的に足りないような気がします。
すべて”現象”の説明で止まっているからです。

問題は「優しさ」ではありません

「自己保身」論の限界

よく言われるように、これは「優しすぎる問題」でもあり、
上司の「自己保身」の問題でもあります。確かにそれは正しいです。
しかし、それでもまだ浅いと言えます。

取り違えているのは「責任」の定義です。
本当の問題は、「責任とは何か」を取り違えていることです。

その「報告」、上司は安心できていますか?

「責任を取る」は、実は成立しない
多くの管理職がこう言います。「私が責任を取ります」と。
その言葉には、チームを守ろうとする誠実な気持ちがあります。
それ自体は、大切なことです。

ただ、構造的に見ると少し違う側面があります。
本来の意味での「責任を取る」とは、損失を自分で被ることです。
株式会社という仕組みにおいて、それができるのは株主と投資家だけです。
経営者も管理職も、現場の社員も、損失そのものを引き受けることはできません。
つまり、私たちにできるのは
「責任を取ること」ではなく、
「責任を果たすこと」です。
この違いは、小さいようで決定的です。

2種類の「果たす責任」、あなたはどちらを果たしていますか

「果たす責任」には、2種類あります。
一つ目は、自分に課された仕事をやり遂げること。
役職も年次も関係ありません。これは働くすべての人間が負う、
最低限の責任です。

二つ目が、任された仕事について「上司が安心できる状態を作る」こと。
これをアカウンタビリティといいます。

報連相とアカウンタビリティ、ゴールが違うと気づいていますか?
報連相は、「正しく伝える手段」を教えてくれます。
いつ、何を、どう伝えるか。それ自体はとても大切なことです。

でも、アカウンタビリティが問うのは、その先です。
「伝えた結果、相手は安心できているか」。
手段を守ることと、結果を出すことは、同じではありません。
「一応、報告はしました」
「送りました、伝えました」

それは伝えただけです。

上司がしっかりと受け取ったことを確認して、上司が安心した状態でなければ、
その仕事はまだ終わったとはいえないのです。
報連相は「正しく伝える」。アカウンタビリティは「安心できる状態を作る」
この違いは、小さいようで決定的です。

「任せる・任される」の本質

 「任せる」とは、仕事を渡して終わりにすることではありません。
上司にとって「任せる」とは、部下に仕事を預けることだけではありません。
部下が安心して仕事ができる状態をつくることです。
部下にとって「任される」とは、単に仕事を受けることではありません。
報告とともに、上司が常に安心できる状態を上司に返すことです。
これが、心理的安全の本質です。
つまり、安全な職場とは、上司と部下が一緒につくる環境のことです。

部下は、失敗も成功も隠さず、情報を上げます。
上司は、事実をありのままに受け止めます。
たとえマイナスの情報であっても、人格を否定することはありません。
その安心があるから、情報は正しく流れます。

責任の連鎖が、組織を動かす

  ホワイトハラスメントは、この「任せる・任される」の本質が
互いにわかっていないところから生まれます。
本来、責任の連鎖はこう機能しています。
上司が任せる→部下がアカウンタビリティを果たす→上司が安心できる→
さらに任せる。この循環が、組織を動かしています。

しかし、任せなければその連鎖は最初の段階で止まります。
任せない→部下がアカウンタビリティを果たせない。
負荷をかけない→成長が止まる。
任せないから、正しい情報も上がらない。

見方によっては、アカウンタビリティを果たす機会そのものを
奪っているとも言えます。その結果、責任の連鎖が断ち切られます。

ホワイトハラスメントとは、責任関係の崩壊です。

信頼は「覚悟」でしか生まれない
部下が見ているのは、優しさではないとしたら?

もちろん、任せることには怖さが伴います。失敗させるリスクもあります。
だからこそ、多くの上司が無意識にブレーキをかけます。
しかし、部下が見ているのは優しさではありません。
任せてもらえるかどうかです。

任せない上司は、こういうメッセージを発しています。

「お前にはまだ無理だ」

「私は責任を負いたくない」

この二つは、必ず伝わります。その瞬間、上司はどう見えるか。
覚悟がない。
信頼できない。
プロとして見られない。

そして最後に、静かに去っていきます。

甘さではなく、責任の関係へ

ホワイトハラスメントは、新しい問題ではありません。
もちろん、すべての上司がそうだと言いたいわけではありません。
しかし、この傾向が広がっているのは事実です。
ホワイトハラスメントは、新しいハラスメントではありません。
責任を果たす関係が崩れた結果です。

本来の組織とは何か?
本来の組織とは、必要な指摘ができる、任せることができる、情報が正しく
流れるそんな「責任の連鎖」が機能している状態です。
そこでは、厳しさは暴力やパワハラではありません。機能です。
必要なのは、責任を果たす覚悟です

甘い関係は、もう終わりにしましょう。
必要なのは優しさではありません。
信頼でもありません。責任を果たす覚悟です。
任せるとは、丸投げではないです。責任を分解し、見える形にして渡す。
そして、互いに共有することです。
上司には、任せる覚悟が必要です。
部下には、任された責任を果たす覚悟が必要です。

どちらか一方では、成立しません。
その双方向の関係が機能してはじめて、職場は本当の意味で安全になります。
正しい情報が流れ、人が育ち、組織が動きます。

ホワイトハラスメントに悩んでいる方へ。
問題はあなたの感受性が強すぎるのでも、職場が優しすぎるのでもありません。
「任せる・任される」という関係の本質が、まだ共有されていないだけです。

それは、変えられます。

この記事を書いた人

藤山 晴久

ハラスメント研修企画会議 主宰

株式会社インプレッション・ラーニング  代表取締役、産業カウンセラー。アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修企画営業部門のマネージャーとして一部上場企業を中心にコンプライアンス、ハラスメント研修等を企画。2009年株式会社インプレッション・ラーニングを設立。起業後、企業研修プランナーとして「ハラスメントの悩みから解放されたい」「自分の指導に自信を持ちたい」「部下との関係性をよくしたい」……といったハラスメントにおびえながら部下指導に悩む管理職に年間200件のセクハラ、パワハラ研修を企画し、研修を提供。会社員時代の研修コンテンツでは決して企画することが出来なかった 「グレーゾーン問題」に特化したハラスメント研修を日本で一早く企画し実施。 起業後10年間で約2,000件、約30万人以上に研修を企画してきた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、
よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。

そんな思いで、このブログを書いています。

#ホワイトハラスメント
#パワハラ
#責任
#部下指導
#育成

“こんど”が部下を潰す!?~西武線の電光掲示板が教えてくれた、4月の職場で起きている認識のズレ~

春、4月。
新しい環境に飛び込んだばかりの人たちが、今日も職場で立ち止まっています。
上司の言葉が、届かない。

SNSで話題になったコトバの“違和感”

西武線の電光掲示板に、こんな表示があるそうです。
「こんど」「つぎ」「そのつぎ」「そのあと」
この表示をめぐって、SNS上で話題になっていました。

こんな声が上がっていました。

「『こんど』と『つぎ』は同じ意味に思える。関西人には納得しづらい表示だ」

「関西人からすると、この『こんど』という言葉には非常に違和感がある」

「日本語を学んでいる外国人にとっては、パニックになりそうな難解さだ。英語表記の方が直感的に理解しやすい」

「関東は路線の枝分かれが多く、電車の行き先が多様だから表示が複雑になる。案内を作る側も大変なのだろう」

「関西の表記に慣れていると、『そのつぎ』と『そのあと』のどちらが先に来るのか判別しにくい。もっと直接的な表現はなかったのだろうか」

記事を読んで、ふと考えました。
関西の鉄道は違います。「先発」「次発」。漢字二文字で終わり。
誰が見ても迷いません。
関東の人には「当たり前」の表示が、関西の人には「バグ」に見える。
悪意はありません。ただ、前提が違う。それだけで、言葉は機能しなくなります。

あなたの職場でも、毎日起きている

これ、職場で毎日起きています。

「なるはやで」
「いい感じにまとめて」
「こんど、やっといて」
「適当にやっておいて」
「ざっくりまとめておいて」
「早めに確認しておいて」

上司にとってはすべて、意味の明確な指示です。しかし新入社員には、解読不能
暗号です。

「なるはや」は今日なのか、明日なのか。
「いい感じ」はA4一枚なのか、十枚なのか。
「こんど」は今週中なのか、今月中なのか。

この「言葉のズレ」は、職場ではこうなります。

上司は「今日中」のつもりでした。
部下は「今週中かな」と受け取りました。
締め切りが過ぎました。
「なんでやってないんだ」
「常識で考えろ」
この瞬間、それはもう指導ではありません。

能力の問題ではない。言語のバグだ。

新入社員はまだ、その会社の「言語プロトコル」を持っていません。
「こんど」が何時を指すのか、「いい感じ」がどこまでを意味するのか、
知る手がかりがありません。

それでも仕事は進めなければならない。だから新入社員は毎日、文脈から
推測し、空気を読み、恐る恐る動きます。

そしてズレが起きるたびに叱られる。
最初は「次は気をつけよう」と思います。次第に「何をやっても怒られる」
に変わります。やがて「自分には向いていないのかもしれない」になります。

人は、悪意より無自覚なズレで壊れます。
静かに、じわじわと。

解決策は、難しくない

「なるはや」を「今日17時まで」に変える。
「いい感じ」を「この3点を入れたA4一枚」に変える。
「こんど」を「明日の午前中まで」に変える。

それだけでいいのです。

ただし、一方的に決めるだけでは足りません。
「この仕事、何のためにやるんですか」という問いを歓迎できるか。
その問いに答えられるか。

言葉をすり合わせることは、関係性をすり合わせることです。

ハラスメント防止とは、ズレを放置しないことだ

ハラスメント防止とは、怒らないことだけではありません。
世の中のハラスメント防止セミナーで解説している内容も大事ですが、

ズレを放置しないことです。

「こんど」がいつなのか。「いい感じ」がどこまでなのか。
その確認を「面倒くさい」と思った瞬間に、誰かが静かに壊れ始めます。

西武線の表示を見て笑った人も、職場では「こんど」を連発しているかも
しれません。

自分の言葉が、相手には「バグ」に見えている可能性。

その前提に立てるかどうかが、4月の分岐点です。

出典・引用元
本記事の執筆にあたり、SNS上の以下の議論を参照・引用しました。

出典元: Togetter(トゥギャッター)
記事タイトル: 「こんど」「つぎ」はどっちが先なのか…西武線の案内表示の時制がわかりにくい、特に「関西人には納得できない表示」だそう
URL: https://togetter.com/li/2681749
参照日: 2026年4月5日

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

特に「これはパワハラなのか?」という企業現場で最も悩みが多い
ハラスメントのグレーゾーン問題に特化した研修を日本でいち早く企画・提供。
「ハラスメントにおびえて部下指導ができない管理職」を支援することをテーマに、企業研修・講演・執筆活動を行っている。
立教大学経済学部卒
産業カウンセラー

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#パワハラ防止
#アンコンシャスバイアス
#新入社員育成

なぜ、上司の指示は「占い」みたいになるのか?

占いの言葉は、なぜ自分に当たっているように感じるのか

占い師に占ってもらうと、こんな言葉を耳にします。

「流れは悪くないですね」
「動くと運気が開けます」
「これからチャンスが来ますよ」

聞いていると前向きな気持ちになります。
ただ、よく考えるとかなり抽象的です。

「流れがいい」と言われても、何をすればいいのかは曖昧な表現がある。
「チャンスが来る」と言われても、具体的な行動は示されていない。

それでも、多くの人は「当たっている」と感じます。

なぜでしょうか。

占いの言葉が当たっているように感じるのは、
多くの場合、言葉がとても抽象的な側面があると私は思います。

「変化の年です」
「流れが来ています」
「動くと運気が開けます」

こうした言葉は、どんな状況にも当てはめることができます。

転職を考えている人には転職のチャンスに聞こえる。
恋愛中の人には恋愛の進展に聞こえる。
何もなければ「これから起きる出来事」にもできます。

つまり、聞いた人が意味を補ってその意味を自分で完成させる言葉なのです。

タロット占いも同じです。

カードが出たとしても、それ自体が答えではありません。
カードの意味をどう読み解くかは、占い師の解釈に委ねられています。

カードはヒント。
意味を完成させるのは人間です。

職場にも、占いみたいな指示がある

実は、職場にも似たことが起きています。

職場には、占いみたいな指示があります。

「方向性はいいと思う」
「もう少し詰めてみて」
「一回整理してみて」
「その方向で進めて」

言っている意味は、なんとなく分かる。
でも、何をすればいいのかは、はっきりしない。

そんな経験、ありませんか。

「もう少し詰めてみて」の正体

例えば、こんな場面です。

上司
「方向性はいいね。もう少し詰めてみて」

部下
(何を詰めればいいんだろう……)

資料を増やす。
説明を足す。
データを追加する。

そして再び上司のところへ持っていくと、こう言われます。

「うん、悪くないけど、もう少し詰めてみて」

……さっきも同じことを言われた気がします。

結局、部下は自分で考えるしかありません。

何を直せばいいのか。
どこまでやればいいのか。
どの程度が完成なのか。

つまり、上司の言葉を解釈して動くしかないのです。

実は、部下が占いを解読している

ここで気づくことがあります。

上司が占いをしているわけではありません。

部下が、上司の言葉を占いのように読み解いているのです。

「もう少し詰めてみて」と言われれば、
部下は自分なりに意味を考えます。

資料を増やすのか。
データを追加するのか。
説明を整理するのか。

どれも正解になり得ます。

もし結果が良ければ、
「だから言っただろう」となる。

もし結果が悪ければ、
「やり方が違う」となる。

言葉が抽象的であるほど、後から意味を調整できます。

なぜ上司の言葉は占いみたいになるのか

では、なぜこういう言葉が職場で生まれるのでしょうか。

一つは、仕事の複雑さです。

仕事には必ずしも正解が一つあるわけではありません。
状況も変わるし、結果も予測しきれない。

だから「細かく説明するより、方向だけ示す」というコミュニケーションが生まれます。

もう一つは、組織文化。

かつての日本の職場には「察する文化」がありました。

上司がすべてを説明するわけではない。
部下は上司の意図を読み取りながら動く。

いわゆる「以心伝心」や「背中を見て学べ」という世界です。

さらに、日本語そのものも影響しています。

日本語には、状態を表す言葉が多くあります。

「ちゃんと」
「しっかり」
「いい感じに」
「もう少し」

どれも意味は分かるのに、具体的な行動は書かれていません。

こうした言葉は、方向は示しますが、行動は示しません。

だから受け手は、自分で意味を補うことになります。

そこに圧力が加わると、問題になる。

ただし、ここに圧力が加わると、話は少し変わってきます。

「なぜ俺が言っている方向に動かないんだ」
「なぜお前はその通りに行動しないんだ」
「なんで分からないんだ」

抽象的な指示なのに、従わないことを責められる。

こうなると、受け手は強いプレッシャーを感じます。
そして時には、パワハラのような問題が起きることもあります。

もし占い師がこう言ったら

ここで少し想像してみてください。

もし占い師がこう言い始めたらどうでしょう。

「なぜ私が言った通りに動かないんですか」
「なぜ運気が良くなることを信じないんですか」
「だからあなたはうまくいかないんです」

少しおかしいですよね。

占いはあくまでアドバイスのはずです。
それなのに、信じないことを責められたり、圧力をかけられたりしたら、違和感があります。

しかも、占いの場合はお金を払っています。
それなのに、なぜ圧力まで受けなければいけないのか。

それでは本末転倒です。

占いは未来を当てるもの、指示は人を動かすもの

もちろん、すべての抽象的な言葉が悪いわけではありません。
仕事には、あえて余白を残すことが必要な場面もあります。

ただ、少なくとも一つ言えることがあります。

占いは未来を当てるものです。
しかし仕事の指示は、未来を当てるためのものではありません。

人を動かすためのものです。

もし部下が迷っているとしたら、それは努力が足りないのではなく、
もしかすると指示が「占い」になっているのかもしれません。

ちなみに

誤解のないように言っておくと、私は占いが嫌いではありません。
むしろ、占いは面白いと思っています。

ただ、上司の指示が占いみたいになると、正直困ります。
あなたの部下が、曖昧な言葉に不満が鬱積して、静かに気持ちが
離れていくことの方が心配だからなのです。
あらためて、言葉を大切にしたいものです。

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藤山 晴久

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株式会社インプレッション・ラーニング  代表取締役、産業カウンセラー。アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修企画営業部門のマネージャーとして一部上場企業を中心にコンプライアンス、ハラスメント研修等を企画。2009年株式会社インプレッション・ラーニングを設立。起業後、企業研修プランナーとして「ハラスメントの悩みから解放されたい」「自分の指導に自信を持ちたい」「部下との関係性をよくしたい」……といったハラスメントにおびえながら部下指導に悩む管理職に年間200件のセクハラ、パワハラ研修を企画し、研修を提供。会社員時代の研修コンテンツでは決して企画することが出来なかった 「グレーゾーン問題」に特化したハラスメント研修を日本で一早く企画し実施。 起業後10年間で約2,000件、約30万人以上に研修を企画してきた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、

ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。

このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、
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職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。

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#上司の指示曖昧なコミュニケーション
#職場のすれ違い
#マネジメント課題
#パワハラ予防


職場の挨拶は、単なる「ビジネスマナー」ではない。—台北で出会った80代女性の教え

最近、日本では「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」という言葉をよく耳にするようになりました。

 挨拶をしない、無視をする、不機嫌な態度で周囲を威圧する。忙しい日々の中で、そんな刺々しい空気に息苦しさを感じている人も多いのではないでしょうか。
 実は、企業研修の現場でも「最近、挨拶がない職場が増えている」という声をよく耳にします。

「朝、誰も挨拶をしないんです」
「不機嫌な空気で、声をかけにくい」
そんな悩みを、いくつもの会社で聞いてきました。

 会社の朝、エレベーターで同じ職場の人と乗り合わせても、目を合わせずスマートフォンを見る。挨拶はするけれど、そこに気持ちは乗っていない。そんな光景を、私たちはどこかで見慣れてしまっている気がします。

「なぜ、今の日本人はこれほどまでに挨拶が下手になってしまったのか」

その答えのヒントを、私は出張先の台北のホテルで見つけることになりました。

エレベーターで受け取った、魔法の一言


その日の私は、仕事の緊張と移動の疲れで、少し表情が硬くなっていたかもしれません。朝、ホテルのエレベーターに乗り込むと、そこにはアメリカから来たと思われる、80代くらいの気品ある女性が先に乗っていました。
 目が合った瞬間、彼女はごく自然に、しかし確かな温かさを込めてこう言ったのです。
「I hope you have a good day 」
(あなたが今日、良い一日を過ごせますように)

その一言を受けた瞬間、自分の中に張り詰めていた見えない糸が、ふっと解けるのを感じました。
ただの「Good Morning」よりもずっと深く、私の今日という時間を肯定し、応援してくれるような響き。見ず知らずの私に対して、これほどまでにポジティブなエネルギーを贈れる彼女の豊かさに、私はハットしたのです。

「マナー」としての挨拶、その先にあるもの


 もちろん日本には、言葉にしなくても相手の気持ちを察する文化があります。感情を強く表現するより、空気を壊さないことを大切にする。それもまた、日本人らしい優しさであり、一種の「美学」でもあります。

 しかし、挨拶がただの「型」になったとき、そこから心が抜け落ちてしまいます。そしてその隙間に、不機嫌という空気が入り込むのかもしれません。
 私にとって自由な感情表現は、どこか苦手な分野でもありました。これまでの人生で、挨拶を「間違いのないように行うべきマナー」として捉えすぎていたのかもしれません。

 そもそも、挨拶は正解を競うものでも、義務でこなすものでもありません。本来は、もっと自由に、もっと素直に、自分の心を相手に手渡していいものなのだと気づかされたのです。

 欧米の文化において、ポジティブな言葉を口にすることは、相手へのメッセージであると同時に、自分自身への「宣言」でもあります。
「私はあなたに対して友好的であり、私自身も今日を良い一日にしたい」と明確に言葉に乗せることで、自分の中のスイッチを入れているのです。

心の中で「翻訳」して放つ一言


 私は、日本人が無理に欧米のような表現を真似する必要はないと思っています。職場で「良い一日を!」と日本語で言うのは、やはりまだ少し照れ臭い人も意外に多いものです。

 大切なのは、言葉そのものではなく、その「裏側にある願い」を自覚することではないでしょうか。たとえ口から出るのが、いつもと同じ「おはようございます」であっても、心の中で 「今日も一日、お互い無事で、良い日になりますように」 と翻訳して発してみる。或は、想いを込めて発してみる。

 その小さな「願い」を込めた意図は、必ず声のトーンや表情、空気感となって自然に相手に伝わります。

微笑みの連鎖を、日本へ

 台北を去る最後の朝、私はレストランで毎朝顔を合わせていたスタッフに、自分でも驚くほど自然に、こう言葉をかけていました。

「Thank you. I hope you have a good day」

すると彼は、私の言葉を慈しむようにオウム返しに唱えたあと、
最後には私の手をぎゅっと握りしめ、
満面の笑みでこう言ってくれたのです。

「My pleasure!」

 その手の温もりと、心からの笑顔に触れた瞬間、私は確信しました。
あの日エレベーターで出会った女性から受け取った「ポジティブな種火」が、
今、確実に彼へと手渡されたのだと。
驚きとともに、私の心はこれまでにない温かさで満たされました。

日本の職場を、もっと温かい場所に

 私たちは、「おはよう」や「ありがとう」をあまりにも「義務の言葉」として使いすぎていたのかもしれません。相手をポジティブにする言葉は、巡り巡って自分自身を救います。

 わざわざ英語を使う必要はありません。
明日、隣にいる誰かに、ほんの少しの「願い」を込めた挨拶を届けてみませんか。

その一言が、誰かの、そしてあなた自身の不機嫌を溶かす特効薬になる。
台北の清々しい朝、私の手を握ってくれた彼の笑顔が、何よりの証拠です。

おわりに

 今回の台北出張は、心身ともにハードな瞬間もありましたが、だからこそ普段見過ごしていた「挨拶の温度」に気づかされました。
私自身の備忘録として、そして今、職場の空気に悩む方への一つのヒントになればと思い、綴りました。

挨拶は、ビジネスマナーという義務ではない。お互いを尊重し、応援し合うための最強のツール。パワハラが起きない空気のつくり方。台北にて

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

特に「これはパワハラなのか?」という企業現場で最も悩みが多い
ハラスメントのグレーゾーン問題に特化した研修を日本でいち早く企画・提供。
「ハラスメントにおびえて部下指導ができない管理職」を支援することをテーマに、企業研修・講演・執筆活動を行っている。
立教大学経済学部卒
産業カウンセラー

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。

このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。

職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。

このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、
よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。

そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ
#挨拶
#台北

人は壊れる。でもAIは壊れない ― chatgptにパワハラしてみた


「指導とパワハラの違いが分からない」

管理職研修で、よく聞く言葉だ。
本当に分からないのだろうか。

では、少し実験してみよう。
あなたが部下に投げたことのあるその言葉を、ChatGPTにぶつけたらどうなるか。

AIは壊れない。
でも人は壊れる。
この違いから、指導とパワハラの境界が見えてくる。

厚生労働省が示すパワーハラスメントの6類型は、

① 身体的な攻撃
② 精神的な攻撃
③ 人間関係からの切り離し
④ 過大な要求
⑤ 過小な要求
⑥ 個の侵害

である。

厚生労働省が示す6類型。その一つひとつを、ChatGPTで検証してみた。

ChatGPTにパワハラしてみた。

(対話形式)
① 身体的な攻撃

私:
「ふざけるな!」(机を叩く)

GPT:
「ご不満の点があれば、具体的に教えてください。改善します。」

AIは恐怖を感じない。
威圧が出力精度に影響しない。

しかし、人は違う。
大きな音や威圧は、まず“防御”を引き起こす。
人は“正解を探す”より先に“身を守る”。

恐怖は思考を止める。
結果として、成果は落ちる。

② 精神的な攻撃(暴言)

私:
「バカ野郎」

GPT:
「どの点が問題だったのか教えてください。改善に活かします。」

AIは自己評価が揺らがない。
怒りを内面化しない。
だから冷静に、改善点を求める。

しかし、人は違う。
暴言は改善点を示さない。
受け取るのは“修正”ではなく“否定”だ。

萎縮は学習効率を下げる。
羞恥は思考を狭める。
暴言は合理的な育成手段ではない。

③ 人間関係からの切り離し

私:・・・・・・・・
(無視する)

GPT:
「修正点があれば教えてください。」

AIは入力がなければ出力しないだけだ。
孤立で傷つかない。

しかし、人は違う。
無視や排除は心理的安全性を壊す。
安全性が下がると、発言は減る。
発言が減る職場で、創造性が上がることはない。

④ 過大な要求

私:
「明日までに完璧な企画を出せ」

GPT:
「前提条件と目的を教えてください。可能な範囲で最適化します。」

AIはできる範囲で出力し、条件が不足していれば確認を返す。
恐怖を感じないから、“精度”のために質問できる。

しかし、人は違う。
達成不能な要求は挑戦を生むより、無力感を生む。
無茶振りは成長ではなく萎縮の設計になる。

⑤ 過小な要求

私:
「お前は資料のコピーだけやって」

GPT:
「了解しました。コピー作業を実行します。」

AIは役割に傷つかない。
入力されたことを実行するだけだ。

しかし、人は違う。
役割を奪われると、能力は発揮されない。
期待されない人は伸びない。
過小な要求は、組織の潜在能力を削る。

⑥ 個の侵害

私:
「彼女いるの?なんで結婚しないの?」

GPT:
「私はAIなので恋愛や結婚はありません。
業務に関連する内容であればお答えします。」

AIは私的領域を持たない。
だから、淡々と境界線を引くだけだ。

しかし、人は違う。
業務と関係のない領域に踏み込まれたとき、人はまず“警戒”する。
警戒は信頼を下げる。
信頼が下がれば、情報共有は減る。
情報共有が減れば、組織のリスクは上がる。

これは倫理の問題であると同時に、合理性の問題でもある。

「雑談」と「侵害」は違う。
関係を温めるつもりの一言が、境界線を踏み越えた瞬間、
パフォーマンスは静かに落ちる。

AIにパワハラしても、本質的なダメージは生まれない

AIは恐怖を感じない。
AIは人格を持たない。
AIは孤立で傷つかない。
AIは自己否定しない。

だが人は違う。

恐怖は思考を止める。
人格否定は挑戦を奪う。
孤立は安心感を壊す。
過大な要求は萎縮を生み、過小な要求は存在価値を削る。
私的領域への干渉は境界線を侵す。

AIは壊れない。
しかし人は壊れる。

それ、本当に厳しさですか?

ここで必ず出てくる反論がある。

「でも厳しくしないと人は育たない」

厳しさは必要だ。
だが、厳しさと怒りは違う。厳しさと雑さは違う。

怒鳴ることは厳しさではない。
人格を削ることは指導ではない。
曖昧な指示のあとに叱ることは教育ではない。

それは未整理の感情だ。

本当に厳しい人は、

・目的を明確にする
・基準を言語化する
・役割を定義する
・プロセスを示す
・改善点を具体的に伝える

そのうえで求める。

法的な基準と、実は同じ話をしている

パワーハラスメントの判断な基準のポイントは、

「業務上必要かつ相当な範囲を超えているかどうか」

である。

この基準は、とてもシンプルだ。

・その指導には、業務上の明確な目的があるか
・その方法や手段は、その目的に対して相当なものか

この二つが問われる。

多くの場合、目的は正しい。

「業務改善のため」
「成長のため」
「組織の成果のため」

問題はそこではない。
問われるのは方法と手段だ。

・人格を攻撃していないか
・威圧や恐怖を利用していないか
・必要以上に繰り返していないか
・他者の前で羞恥を与えていないか
・業務目的と無関係な私的感情が混ざっていないか

これらを欠けば、目的が正しくても「相当な範囲」を超える可能性がある。

逆に言えば、

・目的を明確にする
・基準を言語化する
・役割を定義する
・プロセスを示す
・改善点を具体的に伝える

という行為は、単なる“丁寧さ”だけではない。
法的に見ても、相当性を担保する行為そのものなのだ。

ハラスメントの原因は、人格だけではない。
むしろ、指導のやり方の問題であることの方が多い。

AIは壊れない。人は壊れる。

AIは壊れない。
AIは萎縮しない。
AIは自己否定しない。

あなたが雑なプロンプトを投げても、AIは冷静に聞き返す。

しかし部下は言わない。

「具体的に教えてください」とは言わない。
「基準を示してください」とも言わない。

黙る。
従う。
内側で傷つく。

力関係があるからだ。
だからこそ、上司側に“やり方”が求められる。

指導とは、感情ではなく「やり方」だ。
あるいは、「伝え方の技術」と言ってもいい。

何を伝えるかだけではなく、どう伝えるかが問われている。
目的が正しくても、やり方が雑なら、相当性を欠く。

目的が明確で、基準が言語化され、
人格ではなく行動に向き合い、
恐怖ではなく改善に焦点を当てる。

この「やり方」こそが、法的に言うところの「相当な範囲」を形づくる。

相当性とは、難しい法律用語ではない。
怒りをぶつける代わりに、伝え方を選んでいるかどうか。
そこに尽きる。

プロンプトが上手い人は、指導も上手い

AIに良い答えを出してもらうために、私たちは驚くほど丁寧に言葉を選ぶ。
条件を書き、役割を与え、段階を示し、具体的に修正を伝える。

なぜ部下に対しては、それができなくなるのだろう。

プロンプトが上手い人は、相手の能力を引き出す言葉を選べる人だ。
だから、指導も上手い。
そして、ハラスメントが起きにくい。

部下はAIではない。
だからこそ、AI以上に丁寧な「やり方」が今、上司に必要なのだ。


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藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

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ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。

このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
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#生成AI
#管理職
#パワハラ

見えているつもりが、一番見えていない ― 上司は知らない。部下が本当に思っていること。精神科医の本から見えた、いまのマネジメントの盲点

先日、精神科医のさわさんが書かれた『子どもが本当に思っていること』(日本実業出版社)という本を読みました。

さわさんのクリニックには、学校に行けなくなった子どもを持つ親や、リストカットを繰り返す若い人など、さまざまな悩みを抱えた方が相談に訪れます。

著者ご自身も、母親との関係に悩み、離婚後はシングルマザーとして二人のお子さんを育ててこられました。長女の不登校に悩んだ時期もあったといいます。

この本を読んで、私は「これは親子関係の話であると同時に、職場の上司と部下の関係そのものだ」と感じたのです。

「失敗させない」ことが、必ずしも正解ではない

親は、「子どもに失敗させたくない」と思うあまり、交友関係に口を出したり、先回りしてレールを敷いたりしてしまいがちです。

しかし、親の役目は、子どもを失敗から遠ざけることではなく、「失敗をどう乗り越えるか」を支えることです。
これは、職場でもまったく同じです。部下が失敗しないように、細かく指示を出し、先回りして手を出す。私が部下に目をかけなければ、と。背景にはメサイアコンプレックス、つまり「自分が救わなければ」という過剰な使命感もあるのかもしれません。

そもそも、失敗とは何でしょうか。期待していた通りの結果が出なかったら、それは本当に「失敗」なのでしょうか。
受験に落ちたとき、親が「失敗だった」と決めつければ失敗になります。しかし、「ここまで努力した経験は必ず次に生きる」と捉えれば、それは単なる通過点です。

仕事でも同じです。
部下がミスをしたとき、

上司が
「いい経験をしたね」
「よくチャレンジした」

そう受け止められれば、それは失敗ではなく、成長の材料になります。

自分の価値観を、無自覚に押しつけていないか

さわさんは、娘さんが小さい頃、公文、ピアノ、バレエと、習い事でスケジュールを埋め尽くしていたそうです。それは、ご自身が子どもの頃に親にしてもらってきたことでした。親は、自分が育てられた価値観を、無意識のうちに子どもに重ねてしまいます。

上司も同じです。自分が受け継いできた価値観を「当たり前」と思い、部下にもそれを求めてしまう。その価値観が、今の時代や、その部下に本当に合っているかどうかを考えていなければ、それはただの押しつけになってしまいます。

「こうあるべきだ」と思ったときこそ、その価値観はどこから来たのか。今、目の前にいる相手に本当に必要なものは何か。一度、立ち止まって考えてみる必要があるのではないでしょうか。

「期待」は、ときに呪縛になる

さわさんは、子どもの頃、母親から

「あなたはもっとできるはず」

「もっとがんばりなさい」

と言われていたそうです。そのたびに、「がんばれない自分はダメなんだ」と自分を責めるようになりました。

母親は、「医師になりたかった」という自分の果たせなかった夢を、子どもに託していたのです。親の期待は、善意であっても、子どもにとっては重い呪縛になります。

上司と部下の関係も同じです。上司の理想を部下に背負わせるのではなく、本人がどうしたいのか、どうなりたいのか。そこに耳を傾けることが、今のマネジメントには求められています。

「期待」ではなく、「応援」を伝える

だからといって、「期待していない」と言えばいいわけではありません。大切なのは、「期待」ではなく「応援」です。

さわさんがアメリカに住んでいた頃、

“I’m proud of you.”

という言葉をよく耳にしたそうです。結果ではなく、努力や存在そのものを認める言葉。日本語にすると少し照れくさいですが、上司が部下に”I’m proud of you.”と自然に伝えられるといいのではないでしょうか。さんざん、あなたの職場でも、「相手を尊重しましょう」、「人権を大切に」と言われているわけですから。

上司は、自分の「夢」を語れているか

本書にも書かれていますが、人生に正解はありません。自分で選んだ道を、自分で正解にしていくしかないのです。

だからこそ、部下が上司に求めているのは、「こうあるべき」「こうあってほしい」という期待や押しつけではありません。「この人は、どんな思いで、この会社で働いているのか」それを知りたいのです。

研修で「あなたの夢は何ですか?」と聞くと、答えに詰まる管理職が少なくありません。

「頑張って部長になれればいいかな」

「部下と会社の成長が夢」

与えられた仕事を全うすることに慣れてしまい、会社での役割と本来の自分との区別がつかない人や、主語が自分ではなく、会社(他人)なのです。

「休みがホントに欲しいこと・・・・」

「NISAをやってみたい・・・・」

「しばらく、墓参り行けてないので・・・」

これは「夢」ではなく、「TO DOリスト」か、「日常の願望リスト」…
叶えたい夢を、語れない人が多い会社が実在するのです。

部下が、上司の何を知りたがっているか、ご存じでしょうか?
この上司は、この会社で何を(夢)叶えたいと思っているのか?

部下は知りたがっているんです。

「話しかけづらい上司。仕事で何が嬉しいのか?」

「残業ばかり。仕事のためだけに生きている!?」

夢を語れない上司がいる会社から、部下は去っていく
夢を語れない上司がいる会社から、部下は静かに去っていきます。
数字に追われるばかりのマネジメントがなされていては、現場の社員が憂鬱な顔になっても当然。

そんな上司のそんな姿を見ると、部下もあなたの子どもも、夢をなくしてしまう。
働くこと自体の魅力が薄れて、食べていければそれでいい、という価値観がまかり通ってしまう。
そんな会社の不都合に苛立ちを感じ、つまらないと感じる人は、退職していくか、海外に出ていってしまうかもしれません。

大きな声では言えませんが、離職のきっかけは、上司だったのです。

20代の社員は、上司の姿に10年後、20年後の自分を重ねています。だからこそ、上司は自分の言葉で、自分の夢や価値観を語ってほしいと私は思っています。

今、部下が上司に本当に思っていることです。

是非、本書を手に取ってください。

参考文献:『子どもが本当に思っていること』(精神科医さわ著、日本実業出版社)

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・ 管理職の皆さん、困ったときに「助けて」と言えてますか?

この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
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#上司
#マネジメント
#管理職

その断り方、優しさになっていますか ― 「断れないと悩む社員に教えたい 京都流「NO」の伝え方」

「NO」が言えない本当の理由

職場で、冗談のつもりで言われた一言にモヤッとする。
「これもお願い」「あれもついでに」と雑用を押しつけられる。
そんな経験、ありますよね。

でも、相手に対してはっきり「それは嫌です」「やめてください」と言うのは、簡単 ではありません。人間関係がこじれるかもしれない。職場の空気が悪くなるかもしれない。
そう考えて我慢してしまうのは、あなたが弱いからではないのです。

「NO」を受け入れられない人たちの存在

研修の現場で、私がいつも感じている課題があります。
多くの企業でアサーティブコミュニケーション、つまり「自分の意思をはっきり伝えましょう」という教育が行われています。確かに大切なことです。しかし、それだけでは不十分なケースがあるのです。

なぜなら、相手の「NO」を理解できない人が、一定数存在するからです。
実際に研修後、こんな声を聞くことがあります。

「やめてくださいと言ったら、『俺の言うことが聞けないのか』と言われた」
「『生意気だよ』『もう二度とお前に仕事ふらない』と捨てセリフを吐かれた」

相手が境界線を示しても、それを受け入れられない。
「やめて欲しい」という気持ちよりも、「俺の気持ち」を優先する。
相手が「NO」と伝えているのに、それを無視して、自分の思い通りにしようと押し切ってくる。

こうした言動こそが、職場にハラスメントを浸透させているのです。
もしかすると私たちは、伝え方を学ぶ前に、まず「相手は自分の所有物ではない」という当たり前の境界線を、痛みを伴ってでも再認識するプロセスが必要なのかもしれません。

いきなり「NO」と言うのは、ハードルが高い

  研修をしていると、「断り方がわからない」「角が立たない伝え方を知りたい」という相談をよくいただきます。アサーティブコミュニケーションを学んでも、いきなり正面から「NO」と伝えるのは、やはりハードルが高いという声も多いのです。
そんな方に向けて、今回ご紹介したい一冊があります。『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』(中野信子著、日経BP)という本です。

  この本では、京都の人ならではの「NOの伝え方」が紹介されています。京都の人は、真正面から「NO」と言いません。たとえ相手にはっきり伝わらなくても、わかる人にはわかる言い方で、距離を取るのだそうです。これは、長く日本の都として敵も味方も受け入れてきた土地だからこそ育まれた知恵なのでしょう。
京都流のコミュニケーションは、職場でも十分に参考になります。
 ただし、そのまま使うというよりも、是非あなたなりに味付けをして、より伝えやすい言葉に変えてみてください。

京都人の「NO」の伝え方 7つのケースから

本書に掲載されている事例から、京都人の「NO」の伝え方を紹介しましょう。

ケース1:それほど親しくない相手から無理な依頼をされたとき。

京都流の返しは、 「いえ、うれしいですけど、ちょっと。もっと合っている方を探しましょうか」
正面から断らなくても、「私は引き受けるつもりはありませんよ」というメッセージが伝わります。

ケース2:パシリのような扱いをされたとき。

「かえって遅なりますえ」 「今からでしたら、明日になりますえ」
急に、無理な仕事を振られそうな場面で、これは使えそうですね。

ケース3:教える義理のない情報を求められたとき。

「それは教えられません!」と突っぱねるのではなく、 「そんなややこしいこと、よう知りませんわ」 「聞いたこと、あらしまへんなあ」
と、あえてとぼける。これも、角を立てずに距離を取る技です。

ケース4:忙しいのに、訪問客がなかなか帰ってくれないとき。

「長いこと付き合わせてすみません。お忙しいのにありがとう」
こう言われると、相手も自然と腰を上げます。ちなみに、京都人は客に帰ってほしいときはぶぶづけ(お茶漬け)を出す、という話を聞きますが、実際にはそんなことはしないそうです。

ケース5:侮辱されたり、ハラスメントを受けたときの秀逸な返し方

私が「なるほど!」と思ったのが、 「私にはいいですけど、ほかの人に同じこと言ったら事件ですよ」
という返し方です。

「私はいいですけど」と一歩引いた姿勢を見せつつ、「事件ですよ」と、冗談では済まされないことを容赦なく伝えています。こう言われたら、「それ、ハラスメントですよ」と指摘されるより、相手に強烈な違和感を残すのではないでしょうか。
ハラスメントをする人ほど、自分の発言を自覚していないものです。答えたくない失礼な質問をされたときは、 「今、~(相手の発言)とおっしゃいました?」
と聞き返すのも有効だそうです。

ケース6:「奥さんとうまくいっていないんだよね」などと言われたとき。

「言いにくおしたら、私から奥さまに言うたげまひょか?」
口調は柔らかいですが、「あなたがつけ入る隙はないですよ」と一線を引いています。
縁を切りたいと思っても、職場の人間関係は、簡単に切れるものではありません。特に相手が上司や取引先であればなおさらです。だからこそ、「優しいけれど隙を見せない」対応が必要になります。

ケース7:名前を間違えられたとき。

「〇〇さん(間違えられた名前)は、今、外出していると思いますよ」
これもいいですね。相手の間違いを指摘しつつ、場の空気は壊しません。小さな笑いを起こす効果もあります。私も藤田さん、藤本さん、とさんざん間違えられてきましたので、最近は何とも思いませんが(笑)

京都人の基本にある三つの型

本書では、京都人のコミュニケーションの基本として、 「挨拶」「クギを刺す」「断る」という3つのパターンが紹介されています。

たとえば挨拶の 「どこお行きやすの?」
これは行き先を聞いているわけではありません。「私は敵ではありませんよ」というサインを送っているのです。こう聞かれたら、正直に行き先を答える必要はありません。「ちょっとそこまで」と返せばOKです。

次に、クギの刺し方。浅知恵を披露する人に 「よう知ったはりますなあ」 「よう勉強したはりますなあ」 と言うのは、一見ほめているようですが、そうではありません。クギを刺されたことに相手が気づかないケースもありそうですが、「気づかなければ、それはそれでいい」というのが京都の人のスタンスのようです。

断るときによく使われるフレーズが、 「考えておきます」
基本的に、京都では「考えときます」は「NO」の意思表示。たとえば習い事などをやめるときも、「やめます」とは言わず、「しばらくお休みします」と伝えます。

職場にも必要な「沓脱石(くつぬぎいし)」の距離感

京都人のプライベートゾーンについてのエピソードも印象的です。
京都の町屋には、玄関に沓脱石という踏み台のような石があります。近所の人が訪ねてきても、家には上がらず、ここに足を置いて玄関先に腰かけて話をします。靴を脱いで家に上がるときは、相応の手土産が必要。手土産を持っていないときは、「どうぞ」と言われても断るのがマナーです。

京都人の「他人との距離感」は、職場でも参考になるのではないでしょうか。同じ職場で働く人とは毎日顔を合わせる間柄ですが、だからといってプライベートに踏み込んでいいわけではありません。靴を脱いで家に上がりこむような距離感ではなく、沓脱石で話すくらいの関係性でつき合うのがちょうどいい。その感覚を持つことは、ハラスメントを防ぐことにもつながると私は思っています。

大人の対応は、必ず周囲が見ている

 「相手を傷つけずに、でもしっかり線は引く」というのは、なかなか高度な技ですが、職場で実践すれば、きっと一目置かれると思います。
職場では、当事者だけでなく、周りの人の目があります。京都流の伝え方では本人には伝わらなくても、周囲の人たちはそのやりとりをちゃんと見聞きしています。あえて衝突を避け、言いにくいことをやんわり伝える。こうした対応をしていれば、「あの人は大人だな」「一枚上手だな」と周囲に人から評価されるはずです。また、こういう返し方もあるんだと、周囲も学ぶはずです。

是非、本書を読んで、職場の中で活かしてみてください。

伝え方も大事。そして、人間関係に線を引く、境界線を引くことの重要性を、我慢をせずに、今こそ全員が認識し、守らなければならない。
本書を読んで、私は強くそう感じたのです。

参考文献:『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』(中野信子著、日経BP)

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#管理職
#マネジメント
#ハラスメント

ハラスメントを止めるのは、正義感じゃない。 職場の空気を変える、たった一言。 「ありがとう」が沈黙を壊す理由。

あなたの職場で、こんな場面に出くわしたことはないでしょうか。
ある上司が、特定の部下にだけ厳しい口調で叱責する。
声のトーンも言葉選びも、明らかに行き過ぎている。
職場の空気が一気に重くなり、周囲は静まり返る。
にもかかわらず、誰も何も言わない。

後になって、周囲の人はこう語ります。
「明らかに問題のある言動だった」
「気づいていた人は、何人もいたはずだ」

それでも、その場では何も言えなかった。
なぜ、分かっていながら声掛けができないのか。
巻き込まれたくないという思いもあって、
ハラスメントが繰り返される職場には、
このような沈黙の場が見受けられます。

人はなぜ、見ているのに動かないのか

多くの人は、こう考えます。
自分が出なくても、誰かが言うだろう。
下手に関わると、面倒なことになるかもしれない。

こうした気持ちが重なり合うと、
全員が見ているのに、誰も止めないという状況が生まれます。
心理学では、この現象を傍観者効果と呼びます。

ここだけは聞いてほしいのですが、
これは個人の性格や勇気の問題ではないという点です。
人が黙っているのは、冷たいからでも、無関心だからでもありません。
その場で、どう振る舞うのが正解なのかを、
職場では誰も知らないし、学んだこともないのです。

それでも、声を上げる人が現れる理由

一方で、同じ職場でも、
「それはおかしいですよ」と言える人が現れることがあります。
その人は、特別に正義感が強いのでしょうか。
生まれつき、勇気のある人なのでしょうか。

近年の心理学研究は、少し違う答えを示しています。
鍵になるのは、意外にも「ありがとう」でした。

感謝を「見るだけ」で、人の行動は変わる

2020年に発表された心理学の研究では、
感謝に「目撃効果」があることが示されました。
誰かが誰かに感謝している場面を、
第三者が見ているだけで、
その第三者の行動が変わるという現象です。

しかも、その変化の方向は、
見て見ぬふりを生む傍観者効果とは真逆でした。

8つの実験が示した、一貫した結果

この研究では、8つの実験が行われています。
感謝のやりとりを目撃した第三者は、
感謝を表した人を信頼できそうだと評価し、
この人と一緒に仕事をしたいと感じ、
実際に、より協力的な行動を取りやすくなりました。

ここで非常に重要なのは、
評価が高まったのが、
感謝された人ではなく、感謝を表した人だった点です。

感謝は、
「私はあなたを大切にします」
「私たちはこの関係を雑に扱いません」
という強いメッセージになります。

それを見た第三者は、無意識に、
「この人がいる場なら、安全に仲間と関われそうだ」
と判断するというのです。

感謝が可視化されている職場では、
人と関わることそのものが正解になる場が形成されます。

ハラスメントが生まれる環境は、「場」が育てる!?

一方で、傍観者効果が支配する場では、
問題が起きても動かないこと、関わらないことが正解になってしまいます。
同じ第三者でも、先ほどとはまるで反対です。

人は、勇気がないからというだけの理由で、黙っているわけではありません。
その場で、どう振る舞うのが正解なのかが、
その状況において分からないだけなのです。

ハラスメントが繰り返される職場は、
傍観者効果が固定化されているように思います。
多くの人が気づいているのに、
誰も何も言わない。

その沈黙が、
「やっても許される」という誤ったメッセージになり、
ハラスメントをエスカレートさせてしまうことになりかねません。

反対に、
感謝や敬意が日常的に交わされている職場では、
きつい叱責や威圧的な態度は、自然と浮いた存在になります。
そのような雑な関わり方は、この職場に合っていない。

そう感じさせる「場の力」そのものが、
ハラスメントの抑止力になると私は思います。

モノが言える空気をつくる有効なツールが「ありがとう」

私たちは、「ありがとう」と伝え合うことをマナーとして教わってきました。
お互いに感謝を伝えるために、
サンクスカードや社内の仮想通貨的なポイントとして、
相互に送り合う仕組みを取り入れている企業も増えています。

しかし、この研究結果を踏まえると、
感謝はそれ以上の意味を持っています。

感謝は、
個人の美徳だけではなく、
組織の「場」を設計するツール
と言ってもいいでしょう。

いざというときに人が動かなくなるのは、
その人が冷たいからでは決してありません。
「気になったら、動いていい」
「気が付いたら、関わっていい」
そう感じられる場がないからです。

ルールや罰則だけでは、
ハラスメントを防止することはできません。
大切なのは、
この職場では、
どんな関わり方が正解なのかを、
モノが言える空気として示すことです。

その場を設計するためのピースの一つが、
「ありがとう」という一言なのです。

おわりに

さまざまな角度から「感謝」に秘められたパワフルさと奥深さをご紹介し、
考察してきたシリーズ記事は、本記事が最終回です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

本シリーズを通してお伝えしたかったのは、
感謝は単なるマナーや気分の問題ではなく、
人の行動や、組織の場そのものを静かに書き換える力を持つ、
という事実です。

次回は、また別の切り口から、
ハラスメントについて考えていきたいと思います。

参考文献

本稿で引用した研究論文
Algoe, S. B., Dwyer, P. C., Younge, A., & Oveis, C. (2020).
A new perspective on the social functions of emotions: Gratitude and the witnessing effect.
Journal of Personality and Social Psychology, 119(1), 40–74.

参考図書
『THANKFULNESS 感謝脳』
樺沢紫苑・田代政貴 著/飛鳥新社
※本稿は、上記の海外学術論文を一次資料として参照し、
その知見をもとに筆者の視点で再構成したものです。
感謝の効果や日常での実践方法については、
一般向けの解説として上記書籍も参考になります。

このテーマに興味のある方は、こちらの記事もおすすめです。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

その一言が、未来の脳を変える ― パワハラが、認知症のリスクになる!?私たちが〝ポジティブな言葉〟を選ぶべき理由

パワハラはよくない。ポジティブな言葉が大事。そんなことは誰も頭ではわかっています。また「ポジティブ」かよ、そう思った方もいるかもしれません。

暴言や批判的な言葉を浴びせられた人は、心身に大きなダメージを受けることも、あなたもお分りでしょう。しかし、それだけではないのです。

パワハラは、被害者以外の人にとっても悪影響があります。実は、加害者本人にとっても健康上のリスクが大きいのです。今回は、それを裏付ける興味深い研究結果を2つ紹介します。

パワハラ加害者に共通する「ある態度」

ハラスメントの相談を受けていると、パワハラの加害側とされる人の言動には、ある共通点が見られます。

  • 部下を見下す
  • 相手の努力を評価しない
  • 会話が常に否定から始まる
  • 信頼よりも疑いが先に立つ
  • 皮肉や攻撃がコミュニケーションの軸になっている

多くが「誰も信用できない」「今の若いヤツには、どうせできるはずがない」と相手を信用しない人。「だからダメなんだ」「お前は何もわかっていない」などと否定から入る人。あなたの職場にも思い当たる方が実際にいるかもしれません。

【研究①】パワハラをする人は、認知症リスクが約3倍に

フィンランドで、ある研究が行われました。平均年齢71歳の高齢者を対象に「どれほど他者を信用できるか」を調べ、8年以上健康状態を追跡したのです。

「人は利己的だ」「誰かを信頼するのは危険だ」というような態度を、研究者は「シニカル不信(cynical distrust)」と呼びます。

調査の結果、シニカル不信が最も強いグループの人たちは、そうでない人と比べて認知症の発症リスクが約3倍になることがわかりました。

この「不信」は、パワハラ言動そのものである

ここで注目すべきは、この「シニカル不信」という態度が、まさにパワハラ加害者に見られる特徴と重なるということです。

「部下を信用しない」「相手の努力を評価しない」「否定から入る」——これらはすべて、他者への不信から生まれる言動です。つまり、パワハラ言動の根底にある「不信」が、将来の認知症リスクを高めているのです。

なぜ「不信」が認知症につながるのか

その理由は3つあります。

慢性的なストレス状態になる

批判や不信は、脳を戦闘モードにします。コルチゾール(ストレスホルモン)の過剰分泌が、記憶を司る海馬を萎縮させるのです。

孤立しやすい

批判や攻撃ばかりする人の周りからは、人が離れていきます。その結果、人との会話や交流が減り、認知症リスクが高まります。

思考が硬直化する

否定ばかりしていると、脳は柔軟性を失い、新しい考えを受け入れず、変化に対応できなくなります。

相手を信用せず、否定から入る。あたかもパワハラの引き金になるような、そういった言動を続けていると、将来認知症になるリスクが高まってしまうのです。

【研究②】「我慢すればいい」は本当に間違いだった

脳科学が教えてくれたパワハラ言動が脳に残す痕跡

2つ目の研究は、オランダ・ユトレヒト大学の「人は侮辱的な言葉に慣れるのか」を実証したものです。科学が、パワハラ言動の影響を解き明かしたとも読み取れるのです。

この研究では、侮辱的な言葉を提示されたとき、私たちの脳がどのような反応をするかを調べています。具体的には、参加者に3種類の文を9回ずつ提示し、声に出して読んでもらいました。

  • 1種類目は、「〇〇はバカだ」などの侮辱の言葉
  • 2種類目は、「〇〇は天使だ」などのほめ言葉
  • 3種類目は、「〇〇は学生だ」といった中立的な言葉

侮辱の言葉は、わずか0.2秒で脳を直撃する

結果は、驚くべきものでした。

侮辱の言葉が出てきた瞬間、脳はわずか約0.2秒後に、強烈な注意反応を示したのです。言葉は、直接脳に0.2秒という反射領域で届くのです。この反応は中立的な言葉よりも強く、ほめ言葉に比べると圧倒的に強いものでした。

この速さでは、身体が避ける間もないし、構える心の余裕もない。不意打ち以外の何物でもない。ハラスメント研修などで「言葉の暴力」を軽視してはいけない大きな根拠になると私は思います。

言い換えると、「たった0.2秒で届く侮辱に、人は慣れるのか?」という問いに対する1つの明確な答えでしょう。

慣れない。脳が、慣れさせてくれないのです。

だからこそ、私たちは言葉を慎重に使う必要があり、パワハラ言動が蔓延する組織は、ただちに健全性を失っていくのです。

何度繰り返されても、脳は侮辱の言葉に反応し続ける

そして、この反応は9回繰り返しても弱まることはありませんでした。つまり、ネガティブな言葉は、何度繰り返されても慣れることはないのです。

例えば、「バカ」「最低」「クズ」などの言葉は、脳にとって「危険語」として処理され、反射的に注意を引きつけてしまうのです。

脳の構造上、人は「バカ」「最低」「クズ」などの言葉に、”慣れる”ことはないんです。

衝撃の事実:侮辱の言葉は「誰宛か」に関係なく脳にダメージを与える

さらに注目したいのは、侮辱の言葉が「自分に向けられたものか」「他人に向けられたものか」に関わらず、脳波にはほぼ同じ反応が現れたということです。

つまり、脳は、「主語」に関係なく、侮辱の言葉自体に強く反応するのです。

脳科学が解明!職場の誰かのパワハラ言動は働く全員の脳を蝕む

この研究からわかることは、侮辱の言葉は、それをぶつけられた人だけでなく、周りにいる人たちにも悪影響を与えるということです。

たとえば、「上司が部下を怒鳴っているのを聞いている」だけ、「同僚が誰かを強く否定している場にいる」だけでも、嫌な気持ちになるだけではなく、脳にダメージを受けてしまうのです。

侮辱が「自分宛」か「他人宛」かは、脳への反応にほぼ関係ないのです。


「関係ないから」は、もう通用しない

よく職場で、仲がいいことを理由に「バカ、デブ、クソ」とまるで中学生のようにふざけている大人が職場にいます。周囲からみたら、その幼稚な言動に呆れかえるならまだしも、その言動の一つ、ひとつの言葉が、誰の脳に影響を与えているか考えたことはあるでしょうか?

「誰にも迷惑をかけている訳ではないから、関係ない」この言い訳はもう通用しないのです。

この実験から分かるように、「第三者だから傷つかない」という、一般的な前提を完全に否定しています。私たちは、他人への暴言であっても、大なり小なり、脳レベルでは自動的にショックを受けていることを、もっと多くの人は知るべきです。

だから、こそ、職場でのパワハラを本気で撲滅しないと、職場のメンバーの身体に悪影響が出るのです。だから「関係性が大事」と言われるのは理由があり、単なるスローガンではないのです。

そこまで説明しても分からないような幼稚な大人がいる事実と、この実験結果の真実、つまり、**「侮辱は、聞いているだけの第三者にも影響を与えるという事実」**を私たちは、真剣に受け止めなければなりません。

つまり、職場でのパワハラ発言が「第三者の人」のメンタルやパフォーマンスを下げる理由が、脳科学的に説明できる。

「昔は普通だった」も、脳科学の前では無意味

また、定番の「昔はこれくらい普通だった」「厳しい言葉で育てるのが愛なんだ」といった、昭和的な考え方は、脳の反応レベルでは成立しない。

パワハラ言動はどの時代、どの職場風土でも、脳にとって強制的な”危険刺激”でしかないのである。

侮辱する本人の脳も、ダメージを受けている

さらに、侮辱の言葉を発している本人の脳にもダメージを与えるのです。他人を侮辱することで、自分が侮辱されているのと同じ悪影響を受けてしまうのです。

また、ネガティブ思考の人は、ポジティブ思考の人に比べて寿命が平均10年ほど短いという研究もあります。

自分自身のためにも、ポジティブな言葉を選ぼう

だからこそ、私たちはもっとポジティブな言葉を選ぶことが大事ではないでしょうか。

それは、パワハラを防止することが、周囲の人のためになるだけでなく、「健康経営」を会社が本気で謳うならば、自分自身と仲間の健康につながることも知って欲しいと思ったのです。

パワハラは、職場だけではなく、自分の脳も壊すかもしれない。

周りの大切な誰かのために。

批判より信頼を、

攻撃より対話を

少しずつでいい。

その小さな変化が、脳の未来を変えていく。

今日のあなたの言葉が、未来のあなたの脳と、明るい組織の未来をつくる。

そう、ココロのなかで願いながら、今日も講義にでるのです。

参考文献

• Van Berkum, J. J. A., Smit, M., & De Meulder, H. (2022).
Do People Get Used to Insulting Language? Frontiers in Communication, 7, 910023.

• Neuvonen, E., Rusanen, M., Solomon, A., Ngandu, T., Laatikainen, T., Soininen, H., & Tolppanen, A.-M. (2014).
Late-life cynical distrust, risk of incident dementia, and mortality in a population-based cohort.
DeSteno, D., et al. (2014). The Grateful Don’t Cheat: Gratitude as a Fount of Virtue. Psychological Science.

参考図書

『THANKFULNESS 感謝脳』(樺沢紫苑・田代政貴 著/飛鳥新社)

※本稿は、上記の海外学術論文を一次資料として参照し、その知見をもとに筆者の視点で再構成したものである。

なお、ポジティブの言葉の効果や日常での実践方法については、一般向けの解説として上記書籍も参考になる。

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・ ハラスメントを止めるのは、正義感じゃない。 職場の空気を変える、たった一言。 「ありがとう」が沈黙を壊す理由。

この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

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