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その違和感、叱る前に考えたい ― これからのリーダーが知っておきたい、年上部下の老化と認知症

 

定年がなくなる時代に、20代、30代のリーダーが知っておきたいこと

 今年の4月から改正高年齢者雇用安定法が施行されました。65歳までの雇用確保に加えて、70歳までの就業確保(努力義務、現時点)となり、70歳までに定年引上げ、定年制の廃止が求められています。

 20代、30代の皆さんからすれば、「70」という数字を聞くだけでは、自分にとっては50年先、40年先のことは関係ないと思うかもしれません。それは仕方がないことかもしれませんが一方で、20代、30代の経営者、管理職からすれば、自分がスタートアップした会社、あるいは、自分が勤める会社でマネジメントをする立場の方は、他人事ではなくなるかもしれないということを知って欲しいのです。

20年後、30年後は、他人事ではない

「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること 講談社現代新書」(出典引用)の人口減少カレンダーによると、2024年団塊世代がすべて75歳以上となり、社会保険費が大きく膨らみ始める。
2040年には団塊ジュニア世代がすべて65歳以上となり、大量解雇で後継者不足が深刻化。
2050年には団塊ジュニア世代がすべて75歳以上となり、社会保険制度の破綻懸念が強まる。

と、会社の中の人員構成が変化せざるおえない状況に向かっていることは容易に想像できます。この事実からも定年引上げは自然な流れであり、この事実から私たちは逃げることができません。

 今回は、そんな特に若手のリーダーのみなさんに、年上部下が抱える年齢を重ねることで高まるリスク「老化」と「認知症」について部下指導をする上で知って欲しいと思います。90歳を超えれば、9割が認知症と言われています。

 今、会社を退職した方も様々な契約形態で再雇用、起業したりと活躍しています。先日、マクドナルドで日本最高93歳のクルーの方がネット上で紹介されていました。周囲の若手にもいい影響を与えてくれる素晴らしい方もいらっしゃれば、一方で、はた迷惑な人がベテランがいることも事実なのです。具体例をご紹介しましょう。

困った年上の部下の懲りない面々

 なぜか上司である30代の彼に「くん」づけを執拗に言ってくる50代の年上部下、「誰のおかげで偉くなったと思っているんだ」と過去の成功体験を美化してチクチクと攻撃したり、話を聞こうとしない年上の部下との付き合い方に苦労している20代、30代の管理職の悩みは絶えません。

他者を理解しようとする力

今後、様々なテクノロジーの発達により、認知症の問題も解決に向かうことを期待しつつ、認知症や老化のメカニズムを知っておくことで、もし、年上部下の言動や健康状態を上司であるあなたがきにかけたときに、単に「困った人、或は年齢のせい」で片付けないで産業医に相談したり、適切に対応できることがあります。

若手の上司に求められる安全配慮義務は、30年前には考える機会がほぼないに等しかった、これまでにないテーマです。もう他人事ではありません。人間は、皆平等に死に向かって生きているのは厳然とした事実で、若手リーダーのあなた自身も平等に訪れる事実な訳ですから、知っておいて損をすることはありません。

「自分には分からない他者を理解する力」がこれからのリーダーには益々求められてきます。

前回に続き、「認知症の取り扱い説明書」著 平松類先生(SB新書)を引用しつつ、年上部下をマネジメントする上で、若手リーダーに知って欲しいポイントをいくつか整理して共有したいと思います。

スマホがなぜ不便極まりないのか?

画面の文字が小さくて読みにくいこと、年を重ねると指か乾燥してタッチパネルへの反応が遅いことが挙げられます。

「便利」とは若手からの視点で高齢者になると「不便な商品」となるとのこと。この事実を知らないと、「新しい方が安全だし、便利だから」という一点張りで強く勧めるのです。一方、ペンを使うタブレット端末は人気のようです。

ファイナルファンタジーを楽しむ方もいるとのこと、驚きですね。部下が上手にスマホが使えないからといって嘆かないでください。

高齢者にがま口ユーザーが多いのは、趣味の問題ではない

65歳以上になると、手先の感覚は若い人の半分となり、また持つ力が30%減少するそうです。レジの後ろの人を待たせて、小銭を取り出すのに時間がかかる光景はために見ますが、イライラせずに「手元の感覚が弱いのか、大変だな」と落ち着いた気持ちでみることが大切とのこと。

いまこの文章を読んで笑っている20代のリーダーのあなたも、いずれ同じ動作で部下に笑われるときがくるでしょう。所詮みんな老いるのです。どうぞ、寛容力を高めたいものです。特に仕事の内容によっては年上部下への配慮もあなたには求められます。

記憶力の低下が怒りっぽさを誘発する

認知症によくみられる代表的な行為は「怒り」です。認知症によって今起こっていることが認識できなくなると、「自分に悪いことをされている」「悪意を向けられている」と勘違いして、怒ってしまいます。感情のコントロールも難しくなるために、収拾がつかなくなります。

 記憶力は認知症でも低下するそうですが、年を重ねることでも低下しやすいとのこと。怒った感情は年をとっても比較的残りやすく、その恨みはしぶとく残りそうです。6.9%の人は暴力を振るうなどの攻撃性を持つと筆者は提示しています。特に鬱の傾向があると、通常の3.3倍に跳ね上がるのは驚きです。すぐに切れたり、暴力を振るうといったパワハラ行為は職場では大迷惑ですが、その引き金として記憶力の低下が一因であることを知っておくと向き合い方も自ずと変わってくるでしょう。

人は死ぬまで性に関心が衰えない

 セクハラ問題の観点からお伝えしたいのですが、高齢者でも性的なことに興味があることを知っておくことは大事と著者は伝えています。年齢を重ねると性的なことに興味がないという想い込は捨ててください。リーダーとしては、どの世代でもセクハラ問題は起きるのだと認識して欲しいものです。

「なぜ、高齢の女性は、髪を青や紫にそめる人が多いのか?」

これは私も以前から気になっていたことですが、聞きづらいことでした。実は白髪はよく見ると黄色みががっているそうで、茶色で染めるとあまりきれいな色にならないために、黄色の補色である青や系統の近い紫を入れることで、髪をきれいに見せるという効果を出しているという点は、納得が出来ました。

ちなみに私の母親もしっかりと紫に髪を染めていました。

認知症には、まだわからないことが多く、しっかりとしたエビデンスを持つ論文が検索することが困難とのこと。

もっとご紹介したいところですが、是非、この書籍を手に取りじっくりと読んでみ  てください。視野が広がります。

 「多様性」という言葉はキレイですが、実際に多様性をすべて知ることは難しいことです。少しづつ自分の知らない他者を理解する、そんな機会を持ち続けたいものです。反対に知識がないことで、年上部下の言動にイライラして怒鳴ったりと、リーダー自身がパワハラをするリスクだってあるのですから。自戒の念をこめて筆をおきます。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#管理職
#マネジメント
#ハラスメント

電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのもみんなコロナのせいなのよ?!

最近、企業からこんな声が聞こえてきます。

「『売上が上がらないのは、全部コロナのせいだから、別にそこまで頑張って働いても仕方がないですよ』」との一転張りで、なかなか動かないんですよ』」と困った社員に嘆く上司。

「こんなに感染者数が増えているにもかかわらず、出社を命じる会社の考えはおかしいと思います。もし、出勤中に感染したら責任をとってくれるのですか? 絶対にリモートワークで私は対応します」と断固出社を拒否する社員に頭を抱える上司がいます。
頭の痛い状況です。

今回は、こんな他責の部下が周りにいる上司のあなたに、終末医療を専門に行っている医師から教えてもらったある「詩」をご紹介したいと思います。

すでにご存じの方も多いかと思いますが、南北戦争の時にケガをした1人の兵士が病院の壁に書いたと言われており、現在もニューヨークにあるリハビリステーション研究所の受付の壁に、ある無名兵士の詩として刻まれているとのことです。

ある無名兵士の詩  

「大きなことを成し遂げるために 強さを与えてほしいと神に求めたのに 
 謙遜を学ぶように 弱さを授かった」

「偉大なことができるようにと 健康を求めたのに
よりよきことをするようにと 病気を賜った」

「幸せになろうとして 富を求めたのに
賢明であるようにと 貧困を授かった」

「世の人々の称賛を得ようとして 力と成功を求めたのに
得意にならないようにと 失敗を授かった」

「人生を楽しむために あらゆるものを求めたのに
あらゆるものをいつくしむために 人生を授かった

「求めたものは一つとして与えられなかったが 願いはすべて
聞き届けられた 私はもっとも豊かに祝福されたのだ」

あなたは、不自由と感じている今の働き方に、不満を感じているかもしれません。

しかし、本当に世界の人がすべて同じように不満を抱えて働いているでしょうか? 真実はわかりませんが、一方で、そこから何かを学ぼうと、乗り越えようと一生懸命に生きている人もいます。

コロナ禍、不安や恐れから、そのはけ口のような形でパワハラが増えているという話をよくご相談をいただきます。大事なことは、今の状況下において明日どうなるか不安になり他人に八つ当たりし、他責になるよりも、今日、今、自分に与えられた役割において何ができるか、そこ意識を向けた方が意外にまだやれること、あるいは、そこに未来への「楽しみ」を見出せるかもしれません。

皆さんも、この詩から静かに何かを感じとってみてください。

そろそろ、見えない先に妄想を膨らませ、いたずらに不安がって
ネガティブな気持ちで心をすり減らす毎日。

そんな心の無駄遣い、止めにしませんか?

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
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#管理職
#マネジメント
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弱い相手に、どう振る舞うか ― 動物園に行くとわかる!?パワハラする人 しない人。

 先日、Jタウンネットさんの記事 「○○する人とは、付き合わないほうがいい」 元飼育員が語る「動物園デート」での要注意チェックポイントの記事を読み、これは日本のビジネスパーソンこそ読むべきだ!と衝撃を受けたので、是非皆さんにご紹介したいと思います。

 ツイッターユーザーのZooBaby 元動物園飼育員さん(@ZooBaby6)の2021年5月12日に投稿から、合コンなど、これから恋愛をする相手と交際すべきか迷ったら、「一緒に動物園に行ってください」と薦めており、その真意をJタウンネットの記者の方がインタビュをしている記事なのですが、これはデートで交際相手を選ぶ目的だけではなく、この上司と付き合うべきか、或は、本当にこの人は、うちの会社で昇格させるべきか、ひょっとして昇格してからパワハラ上司になる可能性を秘めているのではないかと、迷ったときと同じと状況ではないかと思いがよぎったのです。
 交際すべきか否かという点を、『この上司やメンバーはまさかパワハラ上司の候補、或は将来パワハラの引き金をひくような性格かどうかを見極めたい』という文脈に置き換えて読んでみてください。

動物に対する態度=部下に対する態度

記事はこのように書かれています。

『ツイートでは、

「動物にエサをあげるフリしてあげない、触り方が雑、ガラスをバンバン叩いて気を引こうとする、動物に対して汚い言葉を使う、このような人とは性別問わず絶対付き合わない方がいい」

と、発言しているが、なぜ、これらの行動をとる人は交際相手としてよくないのかというと、

記者の質問にZooBabyさんは

「同じ生き物として、本来人間と対等であるはずの動物を蔑んだり馬鹿にしたり見下したりすることなく、同じ目線に立って、自分が相手の立場になってされたらどう思うかを考えられる人が私は素敵だと思います。
『動物に対する態度=将来の自分や家族に対する態度』に置き換えたときに違和感があったら、その後のお付き合いをどうするか考えてみた方がいいのかなと思います」 』

このZooBabyさんの答えを、私が職場におきかえて変換してみます。

「部下に仕事を与えるふりをして成果を横取りしたり、ブラックなパワハラ上司とまではいかなくても、普段の職場での行動において、仕事場の備品の扱いが雑だったり、会社のロッカーをバンバン大きな音をたてて閉めたり、社用車が傷ついてもお構いなし、職場のトイレが汚れても平気、おまけに流さないし手も洗わない。部下に対して汚い言葉を平気で使う。このような上司とは、絶対に付き合わない方がいいでしょう」 

 あなたの会社には、このような上司や先輩はいないでしょうか?本来、人間として対等な部下を馬鹿にしたり、見下したりと、 動物に対する態度を、職場のメンバーや将来の上司である、部下に対する態度と置き換えたときに違和感があったら、この人をリーダーや管理職や役員に昇格させるかどうか、アセスメントの結果にとらわれずに、昇格させない選択肢を考えてみた方がいいと私は思います。上司も所詮、生き物です。

『 記事では、ツイートに続けて以下のようにも投稿している。

「ちなみに高確率でいるのが最初に挙げた『エサをあげるフリしてあげない勢』ですね。ゴリゴリにオラついてる兄ちゃんならまぁね…って感じですが、見た感じ超優しそうな男性や、ふわっとした雰囲気の女性でもやる人いるから驚く。そういう人みんな戸惑う動物を見て笑ってる。人間の闇を感じる瞬間」

もしも、あなたの上司が、こんなことをやっている様子をみたとしたらあなたはどう思うでしょうか? 所詮、動物園だからいいじゃない、と思うか、この上司の人間としての闇をしっかりと見つめるか、動物は間違いなく困っているという厳然とした事実には変わりありません。

「これくらい、ふざけているんだよ、いじめとかじゃないんだよ」と反論するかもしれません。あ、でも、その言葉、そういえば、職場でも聞いたことがあるフレーズだったりするかもしれません。(笑)
  部下をからかい困惑している部下を横目に 「これくらい、ふざけているだけなんだよ、パワハラとかじゃないんだよ」 記者はいじめの構図と書き記しているか、私からすればパワハラの構図そのものです。

「ダメだって書いてあるのに・・・」

『さらに、記事では、ZooBabyさんの飼育員時代に、印象に残ったカップルはいたか尋ねると、「悪い意味で印象に残っている」カップルとして、こんなエピソードを教えてくれた。

「『この動物は嫌なことをすると咬むことがあるので気を付けてください』と伝えると、わざと嫌なことをして咬まれるか咬まれないか試して爆笑するカップル。(カップル以外も多いですが。)
その場のノリなのか知りませんがおふざけが過ぎていますよね。来園者が怪我したらスタッフの責任になることも、動物にとってストレスになることもわからないなんて幼稚だなと思いました」

こんなことを職場でやるとお客様に迷惑をかけるのでやめてください。ってルールがあるのにもかかわらず、一時期メディアを沸かせた、ピザ屋の店員がピザ生地を顔に張り付けてTwitterに投稿したり、お店の従業員が冷蔵庫に入った写真Facebookに投稿して、店が臨時休業になったりと、どう考えてもダメだ!ということをやってしまうことと同根です。
動物どころか、社長のみならず、社会的なダメージがどれほどか想像力の欠如がもたらすストレスでは済まされない企業にとって死活問題です。

動物園は、教育施設でもある。

『記事では最後に動物園デートでどんな行動をとる人であれば、「交際するべき」と判断できるだろうかという記者の問いに、

「ツイートに挙げた内容と逆の行いができる人ですね。
追加で挙げるとすれば動物にフラッシュを焚かないとか、動物が寝ていたら大声を出さないとか、動物のことを考えてくれているなぁという人は好感が持てます。
動物が苦手だったり知識がなかったりする人でも、飼育員に動物の触り方をきちんと聞いて理解しようとする姿勢が見える人も安心できます」

とのこと。』

ZooBabyさんのコトバで刺さったコトバは、「動物園は、教育施設でもある」という点。

皆さん、コロナが落ち着いたら同僚と一緒に、書を捨て、動物園にいってみませんか?

メンバーの、社員の本性が見えてくるかもしれませんし、動物と触れ合うことで、テレワークのストレスも解消するかもしれません。一石二鳥です。

『』内、記事 出典引用 Jタウンネット URL 「https://j-town.net/

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藤山晴久
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ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
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2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

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ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
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ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

怒鳴り声は、味まで変える ― パワハラが飯をマズくする。

「いきなりシッセキ」

 とあるステーキ店での出来事です。テレワーク中の久しぶりの遅いランチ。お店に入ったのは15時頃だったと思います。そこのお店の売りは、オープンキッチンで席から肉を焼く様子もよく見ることができるのです。シズル感満載で、久しぶりのステーキにワクワクしながら席に案内されました。

注文を終えてから、一人スマホをいじっていると、何やらオープンカウンターの厨房から大声の怒鳴り声がいきなり聞こえてくるのです。

「そうじゃないだよ、もっとこうやって焼くんだよ」

店長らしき人でしょうか? 15時頃ですから店内は人もまばら。

 店内もそれほど広いわけではありません。二人の会話を聞きたくなくても勝手に聞こえてくるのですが、どうも店長らしきベテランが中途で入った新入社員にお肉の焼き方を教えているようなのです。まだ手元がおぼつかない新人さんにイライラしている様子が、ライブ感満載で聞こえてくるし、その様子もアリアリと見えるのです。

まるで、人の会社の部下指導をライブでみている感じなのです。

「さっきも教えただろ、忘れるなよ」

「肉の色みればわかるだろ」

「お前さ、なんど言ったらわかるんだよ。小学生じゃないんだよ」

(あー、「小学生」言ちゃった・・・パワハラだな。やめてときゃいいのに)

 声の大きさがだんだん大きくなる店長の様子と比例して、店内のスタッフの顔色が暗くなって、入店するお客様へ「いらっしゃいませ」の声も小さくなっているのです。みんな見て見ぬふりの様子で、静かに自分の持ち場で真顔に専念しています。店内の空気も徐々に重くなっていきます。

どうも、ステーキを食べる雰囲気ではなくなってきます。

「あ、居心地が悪くなってきた」

 しっかり肉を焼いてもらうようにお願いしたこともあり、注文したお肉が出てくるのに時間がかかるのです。注文したステーキがでてくるまで15分くらいでしょうか?もっと時間がかかったように感じるのです。必死で声を聞かないようにスマホをいじる以外ありません。なによりも、もうはやくこの店でたいな、そんな気持ちが高まってきたので、本当にお金を払って出ようかなと思った矢先に「お待たせしました」とステーキが運ばれてきました。

香ばしい香りと、ジュージューと音を立てたステーキが熱い鉄板にのって机におかれた途端に、

「おい、また失敗したのか!」

「お前のせいで、肉が何枚無駄になるだろう」

「前の会社で何をやってきたんだ」

店内の陽気なアメリカンミュージックを遮るように、上司の声が次から次へと聞こえてきます。

 このような上司の注意や、ため息をききながら、ステーキを食べることは人生で初めての経験でしたが、「味気ない」とはこういうことだ、と思うくらいおいしく感じられないのです。正直、さっさと平らげてお店を出てしまいました。

もしこれが職場のランチの時間に、上司の職場の誰かへの叱責を聞きながらお弁当を食べていたら、休憩?どころではありませんし、気も休まりませんよね。

「ESってなんだっけ?」

 特に、総務、経理といった事務の仕事とは異なり、目の前にお客様の前で実際に肉の焼き方を指導しなければならない飲食店固有な環境かもしれません。一方で、その自分の指導の声が、カウンターを超えて、お客様にも届いていること、なによりも料理をマズくしていること、自分がパワハラ言動をしていることに気が付かない上司の想像力の欠如がわかります。肉の焼き色よりも、部下の顔色とお客様の様子にも気遣って欲しいものです。

 「何度言ったらわかるんだ」という言葉からも、私が遭遇した以前からも何回も同じような状況が繰り返されていたのかもしれません。特にお客様がいる環境で指導するときには、コトバ遣いや、それ以外の場所でのフォローの仕方も必要です。しばらくの間、その指導の様子は脳裏に焼き付いていました。他人事ですがモヤモヤした気持ちが残りました。

 これを会社の職場(特に事務系)に置き換えると同じですね。上司は指導のつもりで叱責しているものの、周囲の部下に丸聞こえ。本人はその指導に酔いしれているのかわかりませんが、周りからすればいい迷惑。昔から「ESがよくなればCSもよくなる」といった既に言葉は聞き飽きているかもしれません。もし、オープンキッチン内での部下指導が、短時間で的確に、厳しくも、温かみのある指導のように聞こえれば、出てくる料理も期待が出来たかもしれません。

「お代を払って体験したパワハラ」

偶然の出来事でしたが、改めて職場における上司の影響力を改めて痛感しました。

 上司は、新人に肉の焼き方の指導で精一杯ですが、その一方で、ホールスタッフのメンバーが、上司のイライラ声が大きくなるたびに、徐々に表情が曇る様子、徐々にやる気がなくなり、サービスの質が下がり、お互いの声が小さく、言葉数も減り、自分の担当の仕事しかしない様子がアリアリと分かるのです。
 もし、これが続けば、お客様も居心地が悪くなり、結果、お客様が入らない、売上が下がるという悪循環に陥るかもしれません。まるでよくあるハラスメントのビデオ講座をライブで見ているようでしたが、働きやすい職場をつくることがいかに大事か痛感したのです。

 美味しい料理を提供するのは料理人、つまり人です。会社でもいいサービスを提供するのは人です。あなたの会社でどんなに素晴らしい商品を扱っていても、それを届ける人、つまり従業員の士気が下がっていては商品の魅力は、お客様には半減しているように映るかもしれません。最悪の場合、その商品を買わなくなるかもしれません。

 どこの会社でも、上司の態度や姿勢は、部下は本当によく見ています。不思議と上司の悪い部分だけは、部下は容易に真似をします。職場がお店ならば、お客様だってもっとよく見ているものです。

 働く場所や、働き方の形態がどんなにかわっても、指導の本質は今後も何も変わりません。パワハラ問題を考える上で、もう一度、指導するときにマイナスの感情をまとったコトバは、いかにあらゆるモノやヒトを不幸にすることにいきなり気づかされました。何もこの飲食店業に限らず、すべての働く人が知って欲しいことだと思います。

上司の皆さん、今年はどうぞテレワーク中の部下のランチが美味しくなるような指導やコトバかけをしましょう!

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#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

流行より、同調圧力がしんどい ― キメハラ(鬼滅の刃ハラスメント)ヤメレ!

「キメハラ」されたことありますか?

先日、「鬼滅の刃ハラスメント」を略した「キメハラ」という言葉がネット上で話題となっていました。あるテレビ番組でコトバが作られたことが発端のようです。

鬼滅の刃の映画を見ていない人に対して、見ることを強制したり、鬼滅の刃が嫌いな価値観の人を否定したりといった言動のことを指しているとあらゆるネットニュースで話題になっていました。

「キメハラ」という言葉が流行る前から、すでにセクハラ、パワハラといったハラスメントの言葉は高校生や中学生でも知っている時代になりました。一方で、今年、私は仕事で高校生への課外授業の一環として直接、彼らにハラスメントについて伝える機会がありました。その際、集まった学生にハラスメントの意味を聞く機会がありました。彼らは部活や学校生活での「いじめ」のことを「パワハラ」と本気で理解している人が非常に多いことが分かりました。まだ働いた経験がありませんので、知らないのも当然です。

このようにハラスメントの正しい定義が理解されない状況で、ネットニュースに触れた学生が「キメハラ」という言葉に触れてインプットされ、ぼんやりハラスメントの意味を分かった状態で就職し、皆さんの会社にも入社してくるのです。

 言葉のハラスメントごっこは卒業

 あなたもネット上でハラスメントの種類を検索すると、なんと、50個とも60個も存在すると言われ、その多くはメディアなどが作った造語であり、法律で定義された言葉ではありません。飲み会の席で「言葉遊び」に使うならご自由にして頂きたいのですが、例えば、職場で本当に上司からの性的な言動で困っている女性を目撃したときに、いい大人がほろ酔い気分で「これはアルハラなのか?それともセクハラなのか?」議論することはナンセンスでしょう。ハラスメントの法的な定義が正しく理解していれば迷うことはなく、困っている人を助けることができるのですから。

 最近、企業の研修担当者と会話をしていても、「もう○○ハラスメントって止めて欲しいですよね」という会話もよく耳にします。大分前になりますが、「アルハラ」(アルコールハラスメント)という造語が広まった頃には「そんな言葉もあるんだねー」と職場のハラスメントあるあるのネタになっていた時期もありました。今思えば懐かしいものです。しかし、さすがに、なんでもかんでもハラスメントとネーミングして話題をつくる社会の状況に辟易しているのです。辟易しているくらいならまだいいのですが、今回の「キメハラ」ように、そもそもハラスメントの言葉を正確に理解しない状態で、「キメハラ」といったハラスメント風の言葉が流行ることは、はっきり申し上げて上司からすればいい迷惑なのです。

実は、今、職場でハラスメントの正確な意味をしらない若手が深刻なハラスメント問題を水面下で引き起こしていることをご存知でしょうか?具体例をご紹介しましょう。

「新人同士の無視はパワハラです」

ある会社では毎年、内定者同士でLINEグループを作ることは当たり前。入社後、新人研修期間中に、知らぬ間に仲の良いメンバー限定のグループラインが出来上がりました。A君は不思議と自分だけが同期の飲み会や遊びに誘われないことから、別のLINEグループの存在に薄々気づいたのです。


 いわゆる仲間外れ。慣れない通勤と研修に疲れ果て、恥ずかしさから人事部に相談もできません。気がつけばランチはいつも一人ぼっち。同期とは会話もできません。パワハラの定義など知らない他の新人はこの状況がパワハラに当たる行為など認識もないのです。

A君は入社1ヵ月後、同期の誰にも言わずに退職しました。LINEを使ったことがない人事部長は想定外の出来事に正直驚きを隠せませんでした。翌年から新人にハラスメント研修を実施することになりました。新人でも同僚同士のいじめ、無視といった行為はパワハラになるため、許されない行為であることを伝えたのです。

「上司がお客様の前の失礼な態度を指導したらパワハラ!?」

 ある会社の営業部では、新人を営業同行させてセールスのイロハをマンツーマンで丁寧に教えています。新人のA君は、もともと物怖じせず、どんな世代ともすぐに仲良くなれる性格で、セールストークも上手く、商品の理解も早い。リーダーも期待しているのだか、一つだけ悩みがありました。相手が部長でも社長でも「マジヤバくない?」「この商品イイっすよ」「それキモイんだけど」と、言葉だけが学生のノリなのです。困ったリーダーは毎回それとなく商談が終わるたびに注意していました。

 ある日同様に注意をした際に彼から、「あの、俺だけなんでそんなに何度も何度も注意するんですか?俺の個性っすよ。あの、執拗に注意するのはパワハラだって知ってますよね。出るとこでますよ」「おまけに、営業マニュアルもないじゃん、この会社。何が『ウチの会社は教育が充実してる』って採用担当は嘘ばっかり」と睨まれました。


 「パワハラ」の四文字にビックリしたリーダーは慌ててしまい、次回から一切注意することをやめてしまったのです。ある日、帰り際に、とあるお客様からリーダーだけ呼ばれ、「あの若手、いくらなんでも態度が悪いんじゃない?このままではお取引はお断りするよ」と注意されたのです。その場でリーダーは血の気が引いたとのことでした。

あなたの「不平不満」はパワハラではない。

 このように、上司の正しい仕事の指示命令や指導注意に対して、疑問や不信感、反発を感じた部下が「パワハラっぽい」ですよね、ということばで口撃してくる状況が今問題になっているのです。講義では、あなたが上司に対してパワハラという言葉を本気で使いたければ、その上司の行為は懲戒処分にあたる行為あたるとみなしますよ? 上司は本当に懲戒処分に該当する行為をしたのですか?それとも、あなた自身の不平不満ですか? 口に出す前に、もう一度よく考えて言葉を使いなさいと指導しています。会社に就職した以上、社会人のコトバの重みが全く異なることを理解させたうえで、雰囲気で軽々しく、その場の感情に任せて「パワハラ」という言葉を使うとあなたの信用を失う可能性もありますよ。だからやめなさい。」とキツク伝えています。

入社初日からパワハラ研修をする企業側

 パワハラの定義を理解していれば、決して難しいことではありません。会社の様々な規則や、ハラスメントの正しい定義、正しい意味を理解すれば、このようなことは起きません。

 新入社員が入社した時点で、パワハラ研修を行う会社がここ数年で本当に増えてきました。どんなに管理職が忙しいなか、ハラスメント研修を学んで、正しい指導をしても、相手方から自分勝手に理解している「パワハラ」という言葉を乱発されることに、上司も正直辟易しているのです。迷惑なのは、ハラスメントの定義も知らない彼らにそのとき悪気はなく、上司に不平不満を表す便利な言葉のひとつ、くらいにしか思っていない人もいるのです。「それってキメハラ」ですよね、と上司に言っているのと同じ感覚なのです。

上司から炭治郎へのお願い

あっ、炭治郎さん、その刃で「ハラスメント言葉遊びの鬼」を討伐していただけますか?ハラスメントの言葉でブームがおきる状況を放置して、若者にへんな言葉が刺さると、上司は鬼以上に、本当に困っているんです!

キメハラ ヤメレ!

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ
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茨木のり子 氏の詩。テレワーク時代のハラスメントと働き方を問う

既に多くの方がご存知の茨木のり子さんの有名な詩ですが、改めて読みなおす機会があり、ハラスメント問題を考える上で、改めて気づきの多い詩でしたので、皆さんとシェアしたいと思います。



「自分の感受性くらい」  茨木のり子


ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ


茨木のり子詩集 (岩波文庫)より出典引用


「ぱさぱさに乾いていく心に、誰かが水を与えてくれるだろう。」そんな他責で身勝手な気持ちが、しなやかさを失わせているのでしょうか。

これからの時代、会社の価値を問い直す以上、そこで働く人の価値も問い直すことになります。

「わたしが勤めるこの会社は何のために存在しているのか」
「この仕事はこれからも必要なのか?」

「わたしはこれからこの会社で何をなし得たいのか?」

今日も私のイライラを解消するために、パワハラしに会社に来ているのでしょうか?いつのまにか初心と志を忘れ、自分のポストにしがみつく、将来の不安や恐れから仲間に暴言を吐く、自分のポジションを必死に守ろうとする、そんな醜態をさらすパワハラする人の存在を一体会社はいつまで守るのでしょうか。

テレワーク中、部下を監視し続ける人の見苦しい心の在り様と、生き様の本質が透けて見えてきます。

「テレワークは自宅勤務だよ、暇で仕方がない。あんなものは良くない」

リモーとワークが続くなかで、とある会社の方が会議中にいい放った一言。なんでも時代のせいにする人は、今も昔も変わらないようです。

対人感受性と呼ぶそうですが、他人の感情に気づくには、自分の感情に気づくことが大切と言われます。

自分の感受性を守ること、磨くこと。

物理的、心理的にもメンバー同士の気持ちが離れることで、人によっては
孤独感が増している話も聞きます。

これまで以上に、相手の気持ちに寄り添う気持ちを高めること。対人感受性も大事な資質として問われてくるのでしょう。

この詩は、コロナ禍の本質を突いているような気がしてなりません。
改めて私自身も内省しました。

読後、あなたは行間に何を感じ取りますか?
まだお読みになったことがない方は、おススメします。

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株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
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近くにいるから、嫌いになる ― リモートワークでやっと消える!?昭和のハラスメント

あなたの職場のテレワーク、快適ですか?

一方で、一見テレワークが上手くいっているように見える、オフィスを廃止し始めた会社、既に浸透し上手く活用が出来ている会社があると申し上げましたが、表向きの話で、かなり深刻な問題も抱えている実態があります。

テレワークも全国的に見ると、まだまだこれから始める企業も多い状況です。東京に本社がある一部上場企業であっても、オフィスを廃止し始めた会社、既にテレワークも浸透し、取り組みが先に進んでいる会社がある一方で、テレワークでは自宅待機で何もできないということで、結果的に、公には言えませんが、かなりの人が出社している実態の会社があり(業種業態により千差万別ですが)実は、現場ではかなりテレワークの取り組みに差があることが垣間見えます。

私の職場は、洗濯機の上

現在、「自宅」が「職場」になったのはいいものの、「執務スペース」がないのです。終日、ダイニングテーブルで仕事ができる人は恵まれている方で、洗濯機の上、車の中、下駄箱の上など、かなり工夫しながら、仕事をしている実態がうかがえます。自宅に自分の個室を持っている人がどれくらいいるでしょうか?ましてや都内の一人暮らしのワンルームのアパートは坪数も多くありません。一体どこで仕事をすればいいのか悩み、だんだんと休みと仕事の境がなくなり一日家にいることでイライラしてくる若手もいるようです。おかげで50代は椅子が身体に合わずに腰痛が悪化し、オンライン会議が増えることで老眼が進む人もいます。さらに、困ったことに会社から備品の補助金がない会社が多いのです。また、通信費用や増える電気代も全部自分持ちに対する不満の声も漏れ聞こえます。

今、多くの方がZOOMやTeamsなどに慣れたのはいいものの、仕事をする環境が思うように整わない一方で、一番の問題は、社長や役員もテレワークで自宅にいる方も多く、その実態を意外と知らないで豪邸に住んでいる経営層は関心がなかったりするのです。なにせ「豪邸」ですから!

 まだまだ課題を抱えるテレワーク問題。今回は、そのなかでもテレワークがもたらす働き方や生産性是非とは別に、実は、テレワークを行うことで昭和のハラスメントが自然と消えていくことが調査でわかったのです。

2020年3月に当社では日本の職場のハラスメント問題について実態調査を行いました。対象は、全国1,000人(20代~50代、男女、会社員(一般職、管理職、経営者)、公務員・教職員・非営利団体職員、派遣社員・契約社員のビジネスパーソンでした。

 その中で、次のような質問をしました。

「最近、職場での男性上司(先輩)のやめてほしいことや鼻につくこと(ハラスメントの芽)」

を教えてください。という設問を設けました。

真っ黒なハラスメントではなく、今は上司の言動でイラっとする程度ですが、このままその言動を放置すると「嫌いな感情」が芽生え、将来ハラスメントになる可能性がある言動を聞いてみました。

「部長、今、おならしましたよね。」って上司に言えますか?

ランキングは以下の通りとなりました。

1位 理不尽なマネジメント系

2位 マナー系

3位 高圧的なマネジメント系

今回、職場でのビジネス「マナー」がハラスメントの芽になっていることに着目し、さらに自由回答で一体現場でどのようなことで不愉快に感じているのか「マナー」について取り上げました。以下の自由回答例をご参照ください。

「貧乏ゆすりをしてやたらと机を揺らしまくること」(20代男性)

「堂々とオナラをして周りに迷惑をかける、悪びれることもない」(20代男性)

「鼻をほじったり、清潔感のないことをすること」(20代男性)

「トイレに行ったのに手を洗わない時がある。」(30代男性)                                                                                        

「周囲に全く気を遣わずに音を出して食べる。その咀嚼音が許せない。」(40代男性)                                                                        

「遠慮なく音のないおならをして後で臭いにおいが漂ってくること」(40代男性)                                                                           

「口が臭く、面と向かって話をすると我慢できない」(50代男性)                                                                                   

「大きいげっぷを人前ですることをやめてほしい」(50代男性」                                                                                     

タンをだすような気持ちの悪い咳払いや咳、くしゃみのときの声の大きさなど、

音が出る行為に腹が立つ」(20代女性)                                                                                                        

「指を舐めて資料をめくるのをやめてほしいです。」(30代女性)                                                                                    

「業務中なのに、自分の机で爪を切ること。」(30代女性)                                                                                          

「タバコやコーヒーとミックスされた加齢臭。耐えられないので、思わず口呼吸になる。」(30代女性)                                                          

「作業音がうるさい、ロッカーを閉めるとき・引き出しを閉めるとき」(40代女性)                                                                      

「あくびを連発して、他人のモチベーションを下げる。」(50代女性)                                                                                

「目の前でワイシャツをズボンに入れ直すこと」(50代女性)                                                                                       

「机で昼食の際の咀嚼音、その後のゲップ、爪楊枝のシーシーしながらの業務指示」(50代女性)                                                          

「話し声が大きくて、こちらが仕事をするのに気が散る」(50代女性)                                                                               

「タバコの匂いがきついところ。すうのは構わないが、マナーとして」(20代女性)

テレワークでハラスメントの芽を摘むことが出来ることが分かった!!

皆さんの職場には、このような上司はいないでしょうか?!

しかし本当に部下は上司の言動をよく見ているものです。たまに上司と同じ口癖やしかり方をする部下もいますが、物理的に一緒にいる時間が長いとうつるんでしょう。しかし、悪い癖もうつる点が一番厄介なのですが、、、

ハラスメントの問題は、ある日突然起こることではありません。日常の職場での些細な上司やメンバーの言動に対する不快感が少しずつ積もり積もって、嫌悪感からその気持ちを「ハラスメントだ!」と表現してしまうのです。

その多くの人は不快な気持ちを我慢しているのです。例えば、職場で「部長、今すかしましたよね」とはさすがに面と向かって言えないと思います。1000名のコメントを集計した中での非常に多かった声を並べましたが、個人的にも思い返せば「こんな上司いたな」と思わず昔の上司の顔が浮かびました。ご健在ですと80歳です。

しかしよくよく冷静に考えますと、このような言動はテレワークになるとそのような上司とも会うことがなくなり、不快な言動を毎日見たり、聴いたりしなくなっても済むのです。

テレワークは、昭和のハラスメントの芽の防止には一定の効果があります。テレワークでハラスメントの芽を摘むことが出来ることが分かったのです。繰り返しになりますが、テレワークでは、各自の職場は自宅です。これまで多くの方が集まって嫌がっていたマナーの側面から不快に感じているタバコ、不潔、声の大きさ、くしゃみ、職場のマナー、これらすべてパソコンの画面からは完全に遮断されます。

せめて出勤した日だけ我慢する(それもどうかと思いますが)、テレワークの日数が増えればテレワークがハラスメントの芽のような問題の減少に一定の効果があることを改めて再認識させられました。

それでも、ipadをスワイプするときに指で舐めて、画面が唾液でドロドロになっているおじさんがいるのも事実ですが、、、、一方で、画面共有を使えば、もうあなたの資料を上司に舐められることはありません。

しかしながら、人間は不思議なもので、テレワークが始まれば始まったで、またそのシステムを巧みに使ったハラスメントなども増えているのです。イタチごっこの状況です。

こちらは別の機会にご紹介したいと思います。

あなたはテレワークで、上司の不快な言動ストレスからうまーく避けてみませんか?

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藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
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しかし、ときにそれは人を追い詰める
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#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

フェアプレーは、仕事にもある ― 甲子園球児から学ぶ、ハラスメントにならない方法

グラウンドに敵はいない。職場には味方がいない!?

今年の甲子園で気になるニュースがありました。まずは、ご一読ください。
——————————————————————————————-
2019年8月18日付 朝日新聞デジタル(抜粋引用出典)
「星稜投手に異変、一杯のスポドリ届けたのは…観客が拍手」 阪神甲子園球場で開かれている第101回全国高校野球選手権大会の熱戦のさなか、心温まる場面があった。 18日にあった準々決勝第3試合、星稜(石川)―仙台育英(宮城)の七回裏。仙台育英の攻撃中、星稜の先発・荻原の右手がつりかけた。仙台育英の4番打者・小濃は、荻原の小さな異変を感じ取ると、自分が飲もうと思っていたスポーツドリンクのコップを持ってすぐにベンチを飛び出し、2年生右腕のもとへ駆け寄った。「けがしたらダメだよ。これ飲めよ」と荻原に声をかけた。  このとき、仙台育英は1―9でリードされていた。小濃は「これまで自分たちが死球を受けたときも(相手に)コールドスプレーをかけてもらっていた。自分たちもそういう場面が来たら、何かしなくちゃと思っていた」と振り返った。仙台育英の須江監督は「気がついたら小濃が行っていた。日頃からグラウンドに敵はいないと教えています」。  敵味方を問わないフェアプレーに、3万4千人の観客から大きな拍手が送られた。
—————————————————————————————–

ネット上では熱中症の是非の議論もありましたが、ここでは論点から除きます。 誰から指示されることなく、スポーツドリンクを持っていく選手の行為は、 「日頃からグラウンドには敵はいないと教えています」監督の言葉が、すべてを物語っていると私は思いました。単なる美談で済ませずに、実はハラスメント問題を解く学ぶべきポイントがあるのです。

正々堂々、働いていますか?

 昔から、選手宣誓でも、「正々堂々」という言葉をよく耳にします。 「正々」とは、組織に置き換えるとルールや規則に従った行動、言動。 「堂々」とは、自分を取り巻く誰にも恥じることもない立派な姿。 美しい姿で(仕事に美意識をもって)自分と正直に向き合い仕事に挑むことともいえます。

      甲子園球児は、「堂々」としているからこそ、愚直な行動が人の心を打つのでしょう。 「正々」であることは、組織である以上、当然の法令遵守です。 一方、「正々」ではあるけれど、「堂々」としていない組織や上司、皆さんの会社にはいないでしょうか?

  企業は「堂々」でなければならない。 本当の意味でステークホルダーから信頼される会社を目指す為には、もう一度自分の仕事、組織、上司、あなたの会社は、「正々堂々」であるか、考えてみてください。 「日頃から職場には(本当に)敵はいないと教えています」 こんな言葉が言える上司、あなたの職場にはいますか?

道路と化していく、あなたのオフィス

 一方で、正々堂々とは言えないよくこんな話をよく耳にします。
「廊下にゴミが落ちても拾わない社員が沢山居るんですよ」
「廊下で大きなくしゃみして、唾をまき散らす人がいます!」
 「トイレの手洗い場が夕方になるといつも水浸しなんですよ」
「会議室の椅子を机のなかにしまわない」
「飲みかけのドリンクがいつも置きっぱなしなんですよ」
「食べ残しや飲み残しをフロアー共有の冷蔵庫にいれて放置」
「食べ残しの菓子や、ドリンクがフリースペース散乱してます」
「濡れた傘を堂々と干して、生乾きの臭いで臭すぎます」
 「うず高く積もった弁当のゴミの山。今にも崩れそうなんです」
「気づいた人だけで、毎回片づけるんですけど誰も見てみぬ
「トイレの個室に入ったら大を流さない人がいた!」
 という男性社員からの衝撃的な声!

「先生、それが50代も、40代も、30代の社員もですよ!」
 でも、仕事だけは成果をだして一人前なんです。
 これだから厄介なんです。
おまけに社長も見てみぬふりで、ため息が出ます。

 この職場の社員、正々堂々と仕事しているといえるでしょうか?

 球児たちが、この状況知ったら就職したいと思うでしょうか?
高校球児の皆さん、これがリクルートのブースでは分からない職場
の実態なのです。
(でも誤解しないでください。勿論、これはほんの一部ですから!?)

「そんなの関係ねえ!」

 このような事例は、すべて共通して言えることは「人ごと」なんです。 会社が汚れようが、わたしには関係がない。 成果だけ上げて、給料さえもらえばどうでもいい。 誰かがやってくれるだろう。 これではチームワークなんて、どこ吹く風。所詮、きれいごとです。 部下には偉そうに、チームで仕事をするものだ!言いますが、上司の肚の中は全く異なります。

 「フン!何がチームワークだ」

 「アイツと仕事?ありえない」

こんな状況が常態化しても、不思議と誰からの注意されることもなく、25日にはちゃんと給料が振り込まれます。
 ゴミを拾わなくても、人事評価にも影響されません。チームビルディングを研修で学んだら、ゴミを拾うようになるのでしょうか?仕事は出来るけど、こんな意識の人たち同士でチームを組んで会社はよくなるのでしょうか?

「誰かがやってくれるだろう」はびこる職場に漂うハラスメントの空気

 このようにビジネスマナーではなく、それ以前の「マナー」と「モラル」が欠如している会社、オフィスが汚れている会社には、ハラスメントが起きる芽がある可能性が高いと私は思います。

 職場で、ハラスメント問題が起きてもそんなことは自分には関係ない、むしろ関わりたくないからです。職場で働くメンバーには結局のところ、心の奥底では無関心ではないでしょうか?うわべは関心があるように装うことには長けている上司もあなたの職場にはいないでしょうか?

  このような人に限って、会社の備品を乱暴に扱ったり、ロッカーを乱暴に閉めたり、社用車に傷をつけても平気だったりと、自分のモノは大事に扱うくせに、他人のモノ(特に会社)となった瞬間に急に態度が変わるのです。そして、これが対象がモノから、人にも変わります。部下はモノではありません。

最後にもう一度、監督の言葉を繰り返します。

「日頃からグラウンドには敵はいない」と考えています。

「日頃から職場には敵はいない」と置き換えれば、 職場で仲間に関心をもつことの大切さ、甲子園での出来事からもう一度考えてみたいものです。

  あなたは、本当に何か困ったときに、手を差し伸べることができますか?
職場の環境やと働く仲間に無関心。 無関心が、やがて無視につながり、
結果、起きるハラスメント問題。
  働き方改革で真っ先に削るものは、「部下とのコミュニケーション」言っている上司もいる昨今。

あなたは、職場でフェアプレーしてますか?

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
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最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
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言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

偉くなるほど、本当の声が届かない ― 偉くなるたび、臭くなる人

上司の香水は、セクハラか?

 とある会社の出来事です。社内の相談窓口にこんな連絡が入ったそうです。

「うちの課長、私の入社前から、頭はポマードにリーゼント、臭いがきつい香水で有名で、廊下でその香水の香りがするとその課長がさっき廊下を通ったとことが分かるくらい臭うのです。
 周囲は仕方ないと半ば諦めていたのです。 ところが、その課長が今年の春に部長に昇格したのですが、香水がさらにきつくなってきて、クサイを超えて社内公害レベルです。なんとか注意してもらえませんか?」と連絡が入ったそうです。
  しかも相談には続きがあります。
「しかも、部長、そうは言っても根はいい人なんですけど、おまけに昼ごはん食べても歯も磨かないし、そのままコーヒー飲んで、タバコ吸って、そのまま喫煙室から戻った後のOne on Oneの面談は最悪ですよ。罰ゲームもいいところ。
  ある夏の日、個室の臭いに耐えられずに、ある面談の日についに耐えられずマスクをしていったら、 「夏なのに風邪?早く直せよ!」まるで、他人事なんです。
  これ、セクハラとパワハラの合わせ技?それともスメハラ?なんでもいいですけど、注意してください!我慢できません。みんな、部長の被害者です。課長も部長に気を使ってみてみぬふりで、注意しないんです」

ひょっとしたら、あなたの職場の光景かもしれません。

  さて、この相談からハラスメント問題を考えていく上で大事なポイントがいくつか見えてきます。

① 「スメハラ」なんて言わせない!

 この対話を伺う限りでは、真っ黒なセクハラとは言えません。
ビジネスマナーやエチケットの範疇で指導すべき問題であり、セクハラ問題ではありません。
 大事なことは、ここで「スメハラ」とか、意味のわからない言葉遊びで楽しんでいることの方がよっぽど問題だということです。ここで言葉遊びに振り回されてていると、なんでもかんでも「セクハラだ!」「パワハラだ!」「○○ハラだ!」と本質が見えなくなりますので、「スメハラ」という言葉で人をいじる行為自体の方がよっぽどハラスメントを正しく理解していないと思われるかもしれません。
 是非、今日から、ハラスメントの問題と、ビジネスマナー、エチケットの問題を区別して考えるようにしましょう。

②いつの時代も部下は上司にモノが言いにくい!!

       組織的不正でもそうですが、そもそも、組織において部下は上司にモノを言いにくいものです。口臭と組織的不正を比べることは大げさかもしれませんが、部下は上司に臭い!とは面と向かって言えませんので、我慢しているのです。
      特に、口臭は難しい問題です。偉くなると、誰も注意をしなくなります。このままでは最後には、裸の王様になってしまいます。「なんでも言いなさい」、という上司は、一見器の広い上司にもみえますが、部下はやっぱりなんでも言えないのです。悪い情報、自分には都合の悪い情報、耳の痛い話を部下が言える組織風土が大事であることは皆、分かっています。そうであるならば、 まずは、初めはかなり遠回しですが「部長、よかったらガムいかがですか?」と部下が上司にそっと渡す人間関係をつくることは大事ですが、意外とそこが希薄だったりします。そもそもガムを渡される意味が分からない部長には、残念ですが効果はありません。
      偉くなると、30年前、40年前、自分が若かったころ散々上司に気を遣っていたことも忘れてしまうようです。実るほど頭が下がる稲穂かな、昔の人は素敵な言葉を残してくださいました。今では、エチケット問題を実際に研修で取り上げる会社もあります。まずは、自分が周囲に迷惑を掛けていないか、常に考える習慣、周囲に気を使える意識、エチケットの問題がハラスメントだ!と言われない対処法のひとつかもしれません。叱っても、慕われる上司になる方法ともいえるでしょう。

③メッチャ香水臭い人は、承認欲求の強い、寂しい人?!

      部長もこの位の臭い、俺も部長になったんだから、このくらい許されるだろうという気持ちになっていたかもしれません。聞いた話ですが、ある会社では、超年功序列で完全なる社内の序列が存在する会社で、この令和の時代に勘違いも甚だしいのですが、昭和の感覚を捨てられないのです。変化を極度に恐れるのです。この会社の部長は、「俺の言動がこの会社のバイブルだ!」と言ってメンバーがびくびくしているようです。 本物の「バイブル」に失礼!?です。
     エスカレートしていく香水の匂いは、承認欲求の態度のひとつの表現ともいえます。俺は偉いんだ!と勘違いしている人も、これはあくまで「条件付偉いんだ!」であり、つまり、あくまでその組織の職場の「役割」に限り、一歩玄関を出ればただの人なのです。何をもって「偉いのか」定義も曖昧ですよね。このまま放置しておけば、徐々に部下は心理的に、最後に物理的に距離が遠ざかっていくのです。
     
    あなたは、上司、先輩で偉そうにしている人の気持ちご存知ですか? 上司、先輩の皆さんは、実は自分の過去の生き方、働き方を正当化して欲しくて、いつも良い子でいたいのです。だから、自分に対する他人の評価が自分の考えと違うととても耐えられず、反対に逆ギレする人もいます。
     以前、ある講師がこんなことを言っていました。「理不尽な態度の上司にも赤ちゃんの時代がありました。だから、そんな上司を赤ちゃんとイメージして接しましょう」と言っていましたが、私は絶対に無理です。噴出してしまいます。余計にムカッとするかもしれません。(笑)

もう一度、気持ちよく身体も、気持ちも快適な状態で働ける職場をつくるために、何が出来るか、一人ひとりが考えてみませんか?

ハラスメント問題は、知識の問題ではなく、意識(心がけ)の問題なのです。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#管理職
#マネジメント
#ハラスメント

「パワハラ」と言った瞬間、話がこじれる ― 新入社員パワハラあるあるに見るズレの正体

新入社員にパワハラ研修は必要!? 

遅刻の連絡はLINEで。昭和な上司に叱られる!?

先輩A子
「どうして朝、遅刻しそうなら、会社に電話してこないのよ!」
「言ったじゃない。新人だからってね。もう立派な社会人なんだから」
「電話くらい しないさいよ。みんな、心配するでしょう!」

新人B男
「あの、先輩のラインに送ったんですけど」

先輩A子
「LINE?」

新人B男
「はーい。あと一応、会社の公式LINE@にも送ったんですけど」
「誰も 読まないんすかね」

先輩A子
「あのね、ウチの会社は、 LINEじゃなくて電話ってルールなの」
「声色を聞けば、前の日に飲み過ぎたとか、具合が悪いか 分かるわよ」
「だから、LINEじゃなくて、電話が大事なの」

 先輩A子
「ところで今朝は、どうして電話してこないの?」

新人B男
「あの、声がどうしても出なかったので」

先輩A子
「声がでない?」
 「何言ってんのよ。このすっとこどっこいが!」

新人B男
「すっとこどっこい!?」
「先輩、生まれて初めて聞きました。」
 「意味わかんないけど、マジ、ウケる」

先輩A子
「あなたが1時間も遅刻したせいで、朝から電話応対でバタバタ!」
「こっちは、てんてこまいだったのよ!」

新人B男
「て、てんてこ舞?」
「先輩、なんで朝から踊っているんですか?」
「てんてこ舞!? てか、マジ面白くないすか?  俺も踊れます?」

先輩A子
「あのね、こっちは忙しくて怒ってんの!!」

新人B男
「でも、まじウケる。てんてこ舞!」
「今日の先輩かなり面白いっす」

先輩A子
「もうー、わかった、わかった。早く仕事に戻りなさい!」

新人B男
「了解っす!勉強になりました! 」

先輩A子
「あ、そういえば、なんで彼今日遅刻したんだっけ」
 「あーあ、もういいや。今年の新人の指導、面倒くさい」


最近の新入社員の遅刻の連絡についての実話です。

    LINEでのビジネスの会話は既に当たり前の時代ですが、これまた、業種業界、地域、社風によっては「絶対電話主義」だったりと、過渡期は過ぎていると思いますが、まだまだ日本全国の会社の間には相当な温度差を感じます。LINEでの連絡の抵抗は、世代差というよりも社風やリテラシーや、使う人の価値観にも相当左右されるので、これまた会社としてルールを決めないと以外にも、朝から揉めることが多いようです。
    特に、電話に抵抗がある世代だけに、新人にはしっかりとルールを理解させておかないと現場は混乱のもとかもしれません。

 余談ですが、毎年春のビジネスマナー研修後でも、勇気を振り絞らないと会社の代表電話を他の人に取り次ぐことが出来ない人、 社名と自分の名前を名乗ることで精一杯で、要件も聞けずにおどおどしている人の話をよく聞きます。
 固定電話が自宅から消え、スマホで直接自分に電話が着信するのが当たり前の時代に、自分の名前を名乗ることや、同じ職場の上司に電話を取り次ぐということが出来ない若手は、これからも確実に増えていくと思います。
     しかしながら、そうも言っていられませんので、しっかりとビジネスマナー研修で学習し、恥をかきながらも、場数を踏むことで成長し、いつの日か思い返せば笑い話になるくらいに昇華して欲しいものです。

「すっとこどっこい」知ってますか?

 先ほどの実例ですが、もし、新人のB男さんが「すっとこどっこい」の意味を知っていたら、先輩は「それって、パワハラですよね!」と言われたかもしれません。彼は、その言葉の意味を知らない為に、怒るどころか、テンション高めに喜んでいます。先程の二人のやりとりを聞く限りでは、先輩は「馬鹿野郎」の意味で使っています。(実話でしたので、本人に聞きました)。もちろん、すっとこどっこいも、場面や関係性、言葉の用い方や文脈によっては、「馬鹿野郎」や「間抜け」という意味としては使われませんので、そのまま受け取るのも禁物ですが。  

「すっとこどっこい」はあくまでたとえなのですが、実は、この言葉の意味を正しく知る、正確に学ぶということが、いかにハラスメントを理解する上で大切かをすでに新入社員から伝える必要性があるのです。

「ツイッター感覚で上司にパワハラを訴える」

  最近、新入社員のハラスメント研修を行います。彼らに「コンプライアンスって知ってますか?」と質問をすると6割程度の方が手を上げますが、意味を尋ねるとやはり圧倒的に多い回答が「法令遵守」の4文字です。それ以上上司が期待するような答えは少ない状況です。
 一方で、セクハラ、パワハラって知っていますか?と質問をすると、9割の方がどの企業でも手が上がるのです。その意味を尋ねると、テレビのワイドショーや、週刊誌で知った芸能界や政治家の話を嬉しそうに事細かく紹介してくれます。

       一方、現場の管理職からは次のような声が聞こえてきます。「最近の若手は、自分の意にそぐわない仕事を与えられたり、仕事に不平不満を感じると、すぐに「それって、パワハラですよ」って言ってくるんです。ある若手は「これ以上、僕に急に仕事をふると、パワハラで訴えますよ」と歯向かってきたと、その上司は嘆いていました。
     10年前に比べてそのような上司の声が明らかに多く聞こえてくるようになったと実感しています。これでは、パワハラに腰がひけて、部下育成を面倒くさいと思う管理職が増えても仕方がないと思います。

     反対にこんな事例もありました。 数分前まで事務所で雑談をしていた新人から、帰宅後に、LINEで相談がきたというのです。「なんでそんな大事な相談事をさっきまで一緒にいたのだから直接言えないの?」と聞いたら、「言えないことだからLINEじゃないんですか?部下の相談に乗ってくれない、無視するというのはパワハラじゃないですか?」と新人は言います。「これは後輩からのパワハラでしょうか?」といった先輩の相談。双方の苦悩は続きます。このように正しい理解がないままで言葉の応酬が続くと、本質が見えなくなっているのです。

     挙げ句の果てには、入社式からの数か月の研修期間中に、なんと既にLINEで複数のグループが形成され、すでに、新人同士での陰湿ないじめが行われていた実態もあります。これも立派なパワハラであることを理解させないといけませんし、学生気分の延長線上では困るのです。残念ことに、それが引き金で新人が退職しましたが、人事部の方は最後になって、やっと理由を突き止めたという悲しい話もありました。きっかけは他愛もないことかもしれないのでしょうが、看過できない問題であることに無自覚なのです。

「仕事の不平不満程度でパワハラ言うな!?」

 ここだけの話、新入社員にパワハラを理解して頂く大切なポイントは次のような内容です。セクハラ、パワハラの定義を説明した上で、ハラスメント行為は、ご自身が勤めている会社の就業規則の懲戒に当たる行為であることを納得して頂きます。
     もし、自分が普段、何気なく「それってパワハラですよね!」といったら、あなたの上司は就業規則違反を行っていることと同義ですから、本当にあなたの上司は懲戒に当たる行為をしているのか、それとも、単にあなたの仕事への不平や不満なのか、一旦よく考えてからパワハラという言葉を使うようにしてください、とお伝えしています。
     パワハラ、セクハラというインパクトの強い四文字が非常に安易に使われる時代だからこそ、言葉の持つ正確な意味を早いうちから理解してもらうことが大切であると私は思います。 

      仕事では、「どうせお前は経験が浅いんだからそんなことも知らないのか」と見下している価値観の上司はお目にかかりますが、「どうせお前は経験が浅いんだからパワハラという言葉の意味も知らないのか」と言ってくる上司には私はまだお目にかかったことはありません。

 新人の皆さん自信をもってください。上司も正確な知識を持っている人は多くはありません。ハラスメントの正しい知識を早めに学ぶことで、自分や会社を守るため、そしてセクハラ、パワハラをいつか堂々と正しく使えるような場面が来るときに備える事もできるのです。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ

#ハラスメント

#管理職