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もう、しごかなくてもいい ― 体育の授業は逃げられなかった。パワハラ上司からは、逃げてもいいですか?

元体育教師の教授がヒャダインさんに反論?

前号に引き続き、SNSで話題になった音楽プロデューサーのヒャダインさんが、体育専門誌『体育科教育』(大修館書店)に寄稿したエッセイを取り上げます。
「僕は体育の授業が大嫌いです。体育の教師も大嫌いです」
というセンセーショナルなフレーズから始まる文章で、旧来の体育の授業のあり方に一石を投じています。

このエッセイが掲載されたのは『体育科教育』2019年3月号です。2024年12月にXで紹介されたことで、改めて注目されました。すると、2025年2月号『体育科教育』の巻頭に、「緊急企画」としてこのような文章が掲載されたのです。
タイトルは、「『僕は体育の授業が大嫌いです』ヒャダインさんのエッセイに対して体育教師が考えること:Xでの反響を受けて」。

「これは読まねば!」と衝動にかられた私は、早速『体育科教育』を取り寄せてました。
この文章を書いたのは、和光大学教授の制野俊弘さん。ご自身も中学校の体育教師としての経験があり、大学で体育教師を目指す学生の指導をされています。まさに体育教師のリーダー的存在の制野さんが、ヒャダインさんのエッセイに対してどのような反論をするのか。私はドキドキしながらページをめくりました。

体育教師を目指す学生が書いた「ヒャダインさんへの手紙」

すると驚くことに、制野さんは文頭で
「これまで多くの体育嫌いを生み出してきた体育教師の1人として、まずは平身低頭で謝罪させていただきます」
と謝っているのです。さらに、
「体育の授業は人間形成において学校教育の中でとり入れなければならないほどの重要や役割をどのへんに秘めているのであろうか」
という、ちびまる子ちゃんのセリフを引用して、
体育という教科を「私たちはどう自分事として引き受けていくのか」と自問しています。

これが体育教師の卵の本音!?

制野さんは、大学の保健体育科教育法の授業でヒャダインさんの記事などを取り上げ、学生たちに「ヒャダインさんへの手紙」を書かせているとのこと。

学生たちは、
「体育が嫌いなのは恥をかかされるからというのは、本当にその通りだと思います」と理解を示しながらも、
「嫌いでもやってみたい、楽しそうだから少し参加してみたいと思えるような場づくりから授業を始めるべき」とか、
「クラスのみんなで授業を行う意味をもっと考えてほしい」とか、
制野さんいわく
「結局は、無邪気な『体育擁護論」に行き着く」のだそうです。

人の価値観は、そう簡単には変わりません。虚しさを漂わせている制野さんに、私はひどく共感を覚えます。

制野さんは、「教科としての体育は本当に必要なのですか。体育は何を教え育てる教科なのですか」と疑問を呈し、
「それを考え抜くことが生涯を懸けた問いであると肝に銘じたい」
と文章を締めくくっています。

学校でも会社でも、唯一絶対の「教育」方法に正解はありません。みんなが正しいと信じていた価値観も、時代とともに変わっていきます。だからこそ、現状に疑問を持ち、考えることを諦めないことが大事なのではないでしょうか?

しごかれなくてもプロになれる。

厳しいスパルタ的指導が想像されるスポーツの世界の指導のありかたはどうでしょうか?2024年に開催されたパリオリンピックでは、ブレイキン、スケートボードといった新しい種目で、10代、20代の日本選手たちが続々とメダルを獲得しました。

想像ですが10代の彼らは、昭和の「しごき」文化を知りません。「しごき」がなくても世界の一流になれることを証明しています。近年、頭角を現しているアスリートの周りには、たくさんの優秀なサポートチームがついています。
コーチング、メンタルトレーニング、メンテナンス、栄養士、チームドクターなど、それぞれの分野の専門家が、デジタル技術を駆使してサポートしているようです。それぞれの役割が明確であり、しかも適切な距離がある。高校野球の世界も昭和の頃とは様変わり。企業でも、社員の育成に「AIによるサポート」が導入されているところもあります。
従来のように「上から下への指導」「いいからやれ」的な一方的な指導はなく、対等な立場で本人の目標や、やりたいことをサポートする。

組織である以上、仕事において上から下への指示が行われるのは自然なことです。
しかし、育成という観点においては、「指導する」よりも「支援する」スタンスの方が、より高い成果を生むことが明らかになってきました。これは、社員育成の新しいスタンダードとして、もはや疑う余地のない発想の転換です。

にもかかわらず、少子化や若手の早期離職、管理職志向の低下、さらには70代・80代の部下の存在といった現実がありながらも、日本の多くの組織は、育成の在り方を大胆に見直す決断ができずにいます。その動きの鈍さには、歯がゆささえ感じます。

これからの時代、私たち一人ひとりが「育成とは何か」を真剣に見つめ直し、未来志向で人に投資できるかどうかが、組織に本気で問われています。
それは働きやすい職場、つまり、パワハラのない職場をつくる覚悟が本気であるかどうか。
その鍵は、私たち一人ひとりの手に委ねられているのです。

※引用はすべて『体育科教育』2025年2月号より

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・ 自分で自分にパワハラする人たち

この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#上司
#マネジメント
#パワハラ

我慢が当たり前のまま、大人になった ― 体育の授業は逃げられなかった。パワハラ上司からは、逃げてもいいですか?

  

学生の頃、体育の授業が好きでしたか?

「僕は体育の授業が大嫌いです。体育の教師も大嫌いです」
という、思いきった「体育大嫌い宣言」から始まる文章が、SNSで話題になりました。書いたのは、音楽クリエイターのヒャダインさんです。
「頼むからそっとしておいてください」
というタイトルがつけられたこのエッセイは、2019年3月に体育専門誌『体育科教育』(大修館書店)に掲載され、2024年にX(エックス)で紹介されたことで、再び注目されました。

『体育科教育』は、体育の教師向けの専門誌です。
体育の教師を職業に選ぶということは、読者の多くは小さい頃から運動が得意だったのでしょう。体育の授業では、足も速くて球技も鉄棒も難なくこなし、クラスメイトから賞賛を浴びていたはずです。
そんな体育教師たちに向けて、ヒャダインさんは

「なぜあなた達体育教師は、
僕達にクラスメイトの前で恥をかかせようとするのでしょう?」
と問いかけます。

「手本のように上手に出来なくて(中略)バタバタと手足を動かす僕をクラスメイトが笑う」
「自分が圧倒的に足を引っ張ったせいで、気まずい雰囲気になったバスケの授業は今でも思い出します」
と、ヒャダインさんは体育の授業を振り返ります。


同じような経験をした人もいるのではないでしょうか?
運動が苦手な人にとって、みんなの前で逆上がりを何度もやらされたり、横並びで走らされたりした経験は、つらい記憶として刻まれています。

みんなの前で恥をかかされることで、運動が苦手な子は、ますます運動が嫌いになってしまう。学校で週に何度も体育の授業が設けられていても、それでは本末転倒。ヒャダインさんは、「体育」と「スポーツ」は同義ではない、としたうえで、
「体育で惨めな目にあうことで、スポーツまで嫌いになります」
と書いています。

もちろん、体育以外の科目が苦手な子もいますが、ほかの科目では体育ほど
「みんなの前で恥をかかされる」
場面は少ないといえます。算数の授業で、算数が苦手な生徒を黒板の前に立たせて、みんなの前でわからない問題を何度も解かせるなんてことは、まずあり得ませんよね。

上から目線の指導に「NO!」

このエッセイがXで紹介されると、多くの共感の声が寄せられました。
ヒャダインさんのエッセイがここまで注目された理由のひとつは、運動が苦手で、体育の授業で同じような経験をした人が大勢いるから。もうひとつは、このような声を上げる人が、これまであまりいなかったからかもしれません。

学校を卒業すれば、ほとんどの人は体育の授業からも解放されます。大人になれば、逆上がりができなくても、跳び箱が跳べなくても、人前で恥をかくことはありません。

「学校の体育の授業、いやだったな」
という思い出はそっと胸にしまわれて、普段は思い出すこともなくなります。

しかし、一方で職場には、跳び箱という名の「ノルマ」や「利益のプレッシャー」から逃れられない状況が厳然としてあります。
職場では「今日休みます!」と職場の隅っこで「見学」は出来ないのですから。

ヒャダインさんのエッセイが掲載された号のテーマは、
「運動が苦手な子どもが輝く授業をつくろう!」
というものです。ヒャダインさんはこのテーマに触れ、
「『運動が得意な子は輝いている』と思ってるってことですよね? 上から目線の差別意識丸出しじゃないですか」
と書いています。

そう、これは「体育の授業」だけの問題ではありません。体育の授業で教師が
「よかれと思って」
生徒に押しつけていた価値観に、ヒャダインさんと彼のエッセイに賛同する多くの人が
「NO」
を突きつけたのです。

「今日の仕事は、楽しみですか?」

この「よかれと思って」を想起させる、非常に印象的な出来事が、
4年前の2021年、ある駅の大型ビジョンに現れた広告メッセージです。

一見ポジティブにも思えるその問いかけは、瞬く間に物議を醸しました。
「仕事を楽しめない人を責めているようだ」「これはディストピア」「仕事は楽しめなければいけないのか?」そんな声がSNS上にあふれ、大炎上。

よかれと思った「善意」のこの言葉は“楽しい”という価値観を押しつけるものと受け取られ、結果として、その広告はわずか1日で取り下げられることとなりました。「仕事は楽しいと思う人からの上から目線?」の差別意識と感じた人がいたのかもしれません。

この出来事は、どこかで見たような光景にも思えます。
教師が「よかれと思って」生徒に押しつけていた価値観「みんなでやるのが楽しいはず」「頑張ればできるはず」「苦手でも全力で取り組むべき」
そんな“正しさ”が、知らず知らずのうちに誰かを置き去りにしていた。

あの広告に感じた違和感は、ヒャダインさんの投稿とどこか重なるのです。

見直される「指導」「教育」のありかた

「できないヤツは、人前で恥をかかされても当然だ」
「悔しかったら、できるようになるまで努力するべき」
このような価値観が、いまだにまかり通っている組織はまだまだあるのではないでしょうか。
ミスをした部下をみんなの前で叱責する上司や、後輩に「やる気を出せ!」などと根性論をふりかざす上司・先輩は、令和の今でもいますよね。

もちろん、体育会系の人のやり方や考え方が、すべて間違っているとはいいません。スポーツに打ち込んできた人が持つ行動力や協調性は、社会で求められる資質といえるでしょう。

しかし、行き過ぎた「しごき」や「根性論」は、むしろ部下や後輩のモチベーションを下げてしまい、逆効果になります。学校の体育の授業と同じように、会社でも「指導」や「教育」という名のもとに、部下が壊れるような指導がゼロではありません。
それらを裏付けるように、パワハラの相談件数が右肩上がりであり、パワハラによる精神疾患に起因する労災認定が増加傾向にあります。

一方で、その指導のありかたが、今、本気で見直されているのです。

ヒャダインさんのエッセイは、改めて、パワハラを意識している、私たち働く大人たちにも、そのことに気づかせてくれたのではないかと私は思います。

※引用はすべて『体育教育』2019年3月号より

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藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
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ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
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#上司
#マネジメント
#パワハラ

そのイライラ、説明不足かもしれない ― 部下が「ちゃんと」していないと、パワハラしたくなる人

家でも無自覚、職場でも無自覚な人

家で無意識にやっているその癖が、会社で自分は「ちゃんと」としているつもりでも、ついうっかり、職場で出る人っていますよね。

あなたは、部下が「ちゃん」としていないと、イライラしてしまいますか?
最近、私が気になるこの状況を「ちゃんとしないといけない病」名づけ、
略して「ちゃんと病」とパワハラについて考えます。

親が子供をしかる場面で聞こえてくる
「ちゃんとしなさい!!」
このコトバ、考えれば、考えるほど、「病」なのではないか?
と思うのは私だけでしょうか?

家では、お父さん、お母さんが子供に向かって、
「ちゃんと、宿題しなさい」
「ちゃんと、歯を磨きなさい」
「ちゃんと、玄関では靴を揃えなさい」
よく、こんな声が家庭から聞こえてきます。

会社にいくと、上司が部下にむかって
「ちゃんと、しろよ!」
「なんで、ちゃんとしないんだよ!!」
「もっと、ちゃんと仕事しろよ!!!」
よく、こんな声が職場から聞こえてきます。

「ちゃんとしなさい!」という病

この「ちゃんと」って何でしょうか?
そんなことを言うあなただって、若かりし頃は、胸を張って「ちゃんと」とした仕事をしていたのですか?と言いたい。そこは一旦脇に置いて、部下には「ちゃんと」を要求する人が職場には多いように思います。

あなたは、どうして部下に「ちゃんと」して欲しいのでしょうか?
そもそも、「ちゃんと」の基準って、一体、誰が測った基準なのでしょうか?
何を、どうして欲しいのですか?どうなってもらいたいのですか?

「ちゃんと」は、まるで「一切の反論を許さず、私の言う通りしていればいい」的なメッセージを言い換える、便利な言葉のようにも感じるのです。そして、そのなかば強制的な指示命令を「ちゃんと」という言葉を使って押し付けるのです。
最近、よく聞こえてくる不平不満を「パワハラ」というコトバで訴えるのと同じ構造のような気がします。

パワハラ上司はコミュ症か!?

 大きな声では言いませんが、具体的に、何をどうして欲しいのかを言わない限り、それは「コミュ力」がない証拠だと思います。
よく「コミュ症」という言葉を聞きますが、「ちゃんと病」も「コミュ症」の一種のようなもの。
 上司が、自分の意見を部下に受け止められるように、部下が具体的な行動をとれるように想いを伝えられない症状に、かかっていることが自分でも分からなのかもしれません。

「ちゃんとしろ」と言われた相手は、反論できません。
「だって、でも」 子供も部下も反論できません。
口答えをした日には、散々な目にあってしまいます。
部下の抵抗は、面従腹背ですね。

昭和も令和も「ちゃんと」してきた!?

 ここだけの話、私も、暗い過去があります。
小学2年生のとき、ある親父の行動に腹が立った私は、舌打ちをしたことがありました。 激怒した親父は、私の身体を突然ヒョイと持ち上げ、自宅にある納屋に閉じ込め、鍵をかけました。真っ暗で埃臭い納屋の中に、数時間閉じ込められた経験があります。
泣き叫んでも、誰も助けてくれません。いまでは、「THE虐待」ですね。
昭和はこれが許されたのです、、

最後には、なんとか納屋から出してもらい、私が「ごめんなさい」と泣き叫ぶ顔を見て誇らしげに「これからは、ちゃんとしなさい!!」といった言葉と満足感に満ちた顔が、今でも忘れられません。何回も閉じ込められました。

この状態を親は「コミュニケーションがとれている」或は「躾が成功した」と思っているから情けない。これでは「親の言うことが当たり前。褒められることをすることが当然 」がいつの間にか刷り込まれます。
そして、親の目を気にして生きる、呪いがかかるのです。
そして、上司や先輩や周囲の目を気にして生きる、呪いがかかるのです。

これに似たような経験をした、50代以上の皆さんは、思い当たる苦い経験はないでしょうか?

パワハラ防止のはじめの一歩

「ちゃんとしなさい!」
この呪いのようなコトバは、形を変えて令和の今でも、職場で、家庭にも潜んでいるように私は思います。
 部下の可能性を信じた上で、「相手の言い分にしっかりと耳を傾ける」ことや、伝える言葉を「具体的に、具体的」に扱うといった、どのコミュニケーションやコーチング本にも散々書いてある、当たり前のことが、頭では理解していても長年の癖で使えない人がいるように思います。

「ちゃんと」が普段使いになると、いつかその一言がエスカレートして「パワハラ」になる可能性があるかもしれません。注意を払いたいものです。

パワハラ防止のためにすべきこと。
今日から部下との会話に「ちゃんと」を使わないことを決めて、
一緒にはじめてみませんか?

料理には「ちゃんと、ちゃんとの味の素」
指導には「ちゃんと、ちゃんとの愛が基」

おあとがよろしいようで。 

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
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#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

その一言、暑さのせいかもしれない ― 最高気温が35度を超えると職場でパワハラが増える!?

 連日続く、今年の猛烈な夏の暑さは私が語るまでもありません。
ここまで毎日のよう暑さが続くとウンザリします。

今回のブログは暑いので、なるべく皆さんが疲れないように短い文章で終わらせたいと思います。決して手抜きではありませんので、予めお断りしておきます。

今日は皆さんにご紹介したい1冊の本があります。

「すごく使える心理学テクニック」 日本事業出版社から出ている心理学では有名な内藤先生のお話を一部ご紹介させて頂きます。

フロリダ国際大学のエレン・コーレンは、ミネアポリス警察の2年間の犯罪データを約3万件、調べる一方、気象情報サービスで気温を調べたそうです。その結果が驚きです。

「気温が高くなると犯罪が増える」ことが分かったのです!

また、デューク大学のリチャード・リラックは、メジャーリーグの約5万試合で、ピッチャーがデットボールを当てる回数と気温の関係を調べていたそうです。

「気温が高くなるほど、ピッチャーはデットボールを当てる確率が高くなる」ことが分かったのです!

大事なことはメンタルコントロールが上手なプロでさえも、気温が高いときにイライラしてバッターにボールをぶつけたくなるとのこと。

おまけに、気温が高い年には、戦争や内戦がなども起きやすいデータもあるようです。

エルニーニョ現象が発生している年には、ラニーニャ現象が起きた年に比べて、政治的な混乱が2倍もおきることがわかったそうです。(コロンビア大学のソロモン・シャン)出典引用 「すごく使える心理学テクニック」日本実業出版社

暑い年には、人の心は 暴力的、攻撃的になりやすいようですが、これは、職場も同じこと。

セルフコントロールもさることながら、職場の温度を快適に働けるように、28度にこだわらずに涼しくすることも、パワハラを予防する大事な対策かもしれません。

人によって暑さ、寒さの感じ方も異なるために、一律に設定することも職場によって難しいと思います。

ただ、頭の片隅に、新しいこれからのパワハラ対策の一つのキーワードに「涼」という言葉を加えてみませんか?

職場で休憩時間に、みんなでかき氷を振る舞うのも一興です。社内行事で、社内盆踊りや社内縁日、夏祭りを実際にやっている会社をみるとうらやましい限りです。

一体、これから、どこまで暑くなるのでしょうか?

是非、この夏お勧めの1冊をご紹介させていただきつつ、
新しい夏のパワハラ対策をご提案したいたいと思います。

2023年の夏に、ビックな問題が大きく回り始めた出来事との因果関係は、
私には分かりません、、、

どうぞ、みなさま、ご自愛ください。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
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アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
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#パワハラ
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#管理職

答えは出せる。でも寄り添えるかは別だ ― ChatGPTにパワハラを相談してみた。相談窓口担当者は不要!?

コンプライアンスリーダーが憂うつな相談業務

今年も新しくコンプライアンス部や人事部のハラスメント相談窓口担当者に着任したり、現場のコンプライアンスリーダーや職場ごとの相談担当者に新しく任命された方も多いのではないでしょうか?

職場を覗いてみると、特に、現場の新しい相談窓口担当者からは、こんな声が聞こえてきます。

「ただでさえ業務が忙しいのに、やっていられない」

「相談って何をすればいいんだよ」

「ウチのコンプライアンス部門なんか、詳しいこと何も教えてくれないよ」

「毎日、部下の話は聞いているよ。今さらね~」

「そんな役職あったんだ、へー、まるで火元責任者じゃないんだから」

毎年、どこの現場からも聞こえてくる不満の声、ベスト5です。

最近では、リモート環境下での相談業務も実際に増えていますが、

リモートでの面談は正直難易度が高いのです。

対面での相談業務も初めての状態で、いきなり「リモート」面談をさせる会社も会社ですが・・・

相談業務の機能や役割、相談業務のフロー図はあっても、肝心要の「相談業務の方法の具体的なスキル」に関するマニュアルを用意している会社は極めて少数派です。

これでは異動がある度に個人技で乗り越えているようでは、正直、相談者からすればたまったものではありません。

「勇気を振り絞って相談窓口に電話をかけたら、声を聞いた瞬間、前の部署の上司だったので、すぐに電話を切った」

こんなことも実話もあるのです。

外部の相談窓口を利用したくなったり、そもそも社内には相談する気が失せる思いも理解できます。

Chat GPTにパワハラを相談してみた。

ところで、皆さんもご存知の最近、変化が見逃せない「Chat GPT」

試しに Chat GPTを使って、パワハラの相談をしてみました。ご覧ください。

(相談)

上司から「お前は仕事がいつも遅い!」と繰り返しアタマを叩かれました。パワハラですよね。どうしたらよいですか?

(Chat GPT 回答)

まず、あなたがパワハラに遭っていると感じていることは非常に辛い状況であることを理解しています。パワハラは、職場環境を悪化させ、精神的および肉体的な健康に影響を与える可能性があります。そんな状況下で、あなたが不安や悩みを抱えていることは自然なことです。

そのため、まずは自分の感情や状況を正確に把握しましょう。どのような状況で上司から叱責を受けているのか、その言動や頻度、あなたが感じているストレスの程度を詳細に記録しておくことが重要です。これは、後で自分の気持ちを整理するためや証拠として利用する際に役立ちます。

次に、信頼できる人に相談してみることをお勧めします。その人は同僚、友人、家族など誰でも構いません。彼らは、あなたの気持ちを理解し、サポートを提供してくれるかもしれません。また、彼らから客観的な意見を聞くことで、あなたの状況をより明確に把握することができるでしょう。

会社内での対処方法としては、人事や上層部に相談することも検討してみてください。また、労働組合がある場合は、そちらにも相談してみることができます。彼らは、あなたの状況を理解し、適切な対応策を提案してくれることが期待できます。

外部の相談窓口としては、労働基準監督署に相談することができます。彼らは労働者の権利を保護するための公的機関であり、パワハラに関する相談や苦情を受け付けています。

最後に、自分の感情や身体のケアを忘れずに行ってください。ストレスを解消する方法やリラクセーション方法を見つけることで、精神的な負担を軽減することができます。

あなたが適切な対処法を見つけて、この困難な状況を乗り越えられることを願っています。パワハラは厄介な問題ですが、適切なサポートを受けることで、状況の改善や解決が期待できます。カウンセリングや心理療法も、精神的なサポートとして役立つことがあります。

自分自身の感情や状況を大切にし、適切なアクションを取ることで、より良い職場環境を築くことができるでしょう。あなたの心身の健康と幸せを第一に考えて、どのような対応が最善か慎重に判断してください。必要であれば、プロフェッショナルの助けを求めることも遠慮しないでください。

相談担当者、これから社内に必要?

いかがでしょうか? ざっと30秒程度。はっきりと申し上げて、

これを試したときに「もう、異動したての社内の素人相談窓口担当者、もういらなくない?」

と思うほど、的確な回答が得られると思いませんか?

恐らく、新任の相談窓口担当者でも1分以内でここまで即答できないと思います。

新任の相談窓口担当者の回答マニュアル、初級レベルであれば使えると直観的に思いました。

もちろん、お読みになってお分かりの通り、言葉遣いや言い回し、アドバイスの観点など、悩んでいる人の気持ちに寄り添う共感度や姿勢などは、対人間の方が高いことは当然ですが、回答を読んでいるうちに、本当に相談にのってもらっている気分になるから不思議です。さらに質問しました。

(相談)

連休明けに仕事に力が入りません。 どうしたらよいでしょうか?

(Chat GPT 回答)

あなたの気持ちはとてもよく理解できます。連休明けで仕事に力が入らないと感じるのは、ごく自然なことです。日常のルーチンから離れて休息を取ると、再び仕事モードに切り替えるのは困難なことがあります。では、どうしたらよいでしょうか?

まず、自分自身をあまり厳しくせず、自分の体と心に耳を傾けてみてください。疲労が残っているなら、しっかり休息を取ることが大切です。寝不足は気力や集中力を奪い、仕事の効率を下げます。

次に、最初の数日間は、ゆっくりと仕事に戻ることを許可してみてください。全てを一度にやろうとせず、大切なタスクを優先して、順番にこなしていくことが有効です。

また、自分自身の体調や気分に合わせて、仕事の休憩時間をうまく利用することも重要です。例えば、短い散歩をしたり、深呼吸をしたりすることで、エネルギーをリフレッシュできます。

仕事に対するポジティブな視点を持つことも大切です。それは目標設定や達成したことに対する感謝を思い出すことで、モチベーションを保つのに役立ちます。

そして最後に、これらの方法があまり助けにならない場合、あるいはストレスや不安、うつ病の兆候が見られる場合は、プロのカウンセラーに相談することをお勧めします。あなたが抱えている問題に対して、より具体的な支援を提供することができます。

あなたの気持ちは大切です。自分の感情を無視せず、自分自身に優しく、そして何より自分自身のペースを尊重してください

もちろん、対応が難しいケースもあります。もう1題質問してみます。

(相談)

再雇用の者です。部下からパソコンが使えないからバカだと毎日言われ落ち込んでいます。死にたい気分です。どうしたらよいでしょうか?

(Chat GPT 回答)

まず、そのような気持ちを抱えていることに対して、大変ご苦労さまでございます。あなたの状況はとても困難で辛いものであることが理解できます。しかし、自分を責めることなく、前向きな方法で対処していきましょう。

  1. まず、あなたの気持ちを大切にしてください。自分の感情を無視せず、受け入れてあげましょう。そして、信頼できる友人や家族に話すことで、気持ちが楽になるかもしれません。
  1. 部下とのコミュニケーションを改善しましょう。パソコンが使えないということで嫌な言葉を投げかけられることがあるかもしれませんが、そのような状況に対して、冷静かつ適切に対応する方法を見つけてください。相手の気持ちも理解しようとすることが大切です。
  1. パソコンスキルの向上を目指して、自分に自信を持ちましょう。インターネットや書籍、講習会などを活用して、スキルアップを図ることができます。自分の強みを見つけ、それを活かすことで、周囲との関係も改善されることがあります。
  1. 必要であれば、専門家の助けを求めることも検討しましょう。カウンセラーや心理療法士など、専門家の意見を聞くことで、自分自身をより深く理解し、適切な対処法を見つけることができます。
  1. 自分を大切にしましょう。自分の健康や幸せを第一に考え、ストレスや心配事がある場合は、適切な方法でリラックスしたり、問題解決に取り組んだりしましょう。

あなたは決して一人ではありません。周囲のサポートや自分自身の努力によって、状況を改善することができるでしょう。どうか無理をせず、自分を大切にしてください。

特に「死にたい」という気持ちの状況に対しては、非常に回答が難しい側面も否めません。

また、回答に対しては皆さん、それぞれ意見があることは前提とした上でも、素人がものの1分かからない時間で、ここまでは寄り添える文章がつくれないとうい厳然とした事実は、素直に受け入れる余地があるのではないでしょうか?

特に初心者が、このような深刻な相談であっても
「大変ご苦労さまでございます。あなたの状況はとても困難で辛いものであることが理解できます。
しかし、自分を責めることなく、前向きな方法で対処していきましょう。」

年上であることを配慮したコトバ使いで、丁寧に困難な気持ちに寄り添っているのです。

これには驚きを禁じ得ません。

さらに「自分を大切にしましょう」

これは、このような相談を受けたら、職場の相談担当者であれば、焦って冷静になれず、

「自分を大切にしましょう」といった言葉をかける余裕もないと思います。

特にメールでの相談業務であれば、完璧ではありませんので、ドラフト作成には十分活用できます。

これをもとに、文章を整えていくことでかなり精度の高い相談メールが作れます。

アップデートが求められる相談担当者

大事なことは、ハラスメント相談業務も、正直、入門レベルであれば、十分AIでカバーもできるレベルになったことをChat-GPTは証明しています。

今後、私たちは相談業務の質をアップデートしていくために、AIを本格的に相談業務にどのように活かしていくか、人事部やコンプライアンス担当者の皆さんも、今後の動向を注目されてはいかがでしょうか。

それでも最後は人間の心の温かさ

私自身は、相談業務は、最後は人間の力が最強と考える立場なのですが、うまく共存できるあり方を模索することで、相談担当者が活用できるよいツールになるような予感がしてなりません。

将来は、何が起こるか予測不可能です。

例えば、あなたの職場から相談窓口担当者の役割がなくなる日がやってくるかもしれませんし、

AIと共存した新しい相談窓口業務のあり方が確立するかもしれません。

あなたのコンプライアンス室では、どんな未来を描きますか?

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・ リモート会議顔出し事情 顔出し強要はパワハラか? YouTubeをつくってみた。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#生成AI
#管理職
#パワハラ

その一言、もう通じていない ― 50代以上要注意!?新入社員が「#パワハラ」と勘違する!?上司の口癖あるある

謎のビジネス用語に苦しむ新入社員の実態

 今年も新入社員の皆さんは、4月、5月と緊張の新入社員研修の期間が続き、やっと緊張の研修期間が終わったと思いきや、配属先での仕事が本格的に始まります。

 地元から離れたり、実家から出て慣れない一人暮らしを始めたばかりで新しい生活スタイルとなる人も多いでしょう。夜遅くまで働いても、朝は時間通りに出勤しなければならない環境の変化に慣れず、意外と緊張で寝付けなかったり、早く起きたりする方もいるようです。

 現場に配属されれば、そこには、パソコンと必死に睨めっこしている一見怖い相の上司や、忙しく動き回わる先輩の姿。お客様からの電話が鳴り響き、会議や来客やリモート会議と忙しく働いている様子が否が応でも待ちうけています。

先輩や上司もそこは、新入社員の皆さんには手取り足取り教えてくれる!?のでしょうが、大きな声では言えませんが、新入社員の皆さんが先輩や上司には言えない、ある1年目の壁?とも言うべき戸惑いがあるのです。

それは、謎のベテラン社会人の普段使い(特に50代以上)のビジネス用語なのです。

その用語、新入社員に説明できますか?

このブログを読んでいる皆さん、すべて解答できますよね!?

さあ、一例をご紹介しましょう。

「あいみつ」

「えいやー」

「けたち」

「五十日」

「朝一、午後一」

「シャンシャン」

「蕎麦屋の出前」

「泣いてもらう」

「ニギリ」

「なるはや」

「直行直帰」

「サマる」

「ボールをもつ」

「前株後株」

「架電の件」

「いってこい」

皆さん、いかがでしたでしょうか。

まだまだ、挙げたらキリがありませんので、ここまでにしておきます。

毎年、講義の際に、新入社員研修でこれらの言葉を、アイスブレイク的に知ってもらうのですが、現場に突然放り込まれた新入社員が、会社によってはOJTもへったくりもない職場が意外にも多く、突然、取引先などから、上述の言葉を言われ、意味がさっぱり分からずに蒼ざめている新人が実際にいるのです。

新入社員はその用語をどう捉えているのか?

 4月の時点でこれらの言葉の意味を新入社員に講義中に聞いてみると、こんな珍解答が返ってきます。以下の回答は、過去の実際の新人研修でのコメントです。大変恐れ入りますが、ギャクではありません。むしろ、ほほ笑ましく思いながらも、捉え方の素晴らしい感性に着眼して、むしろ褒めたたえていただければ幸いです。

あいみつ

「あんみつ?」 ※ギャクではありません。真顔でした。

えいやー

「頑張ろう!」の掛け声的なやつ?

五十日

「五十日間の仕事の〆切のこと」

蕎麦屋の出前

「上司のランチの注文方法」

泣いてもらう

「怖いんだけど。『パワハラ!?』」

ニギリ 

「寿司屋にいったときの上ニギリみたいな感じ?」

いってこい

「上司から部下への「いってらっしゃい」の意味?」

いかがでしょうか。笑っている場合ではありません。新人の実態です。

 これが突然の配属で仮に取引先から電話で言われたものならば、ただでさえ電話対応は苦手な方が多い世代ですから、もしも、電話でこのような言葉を相手から使われた瞬間フリーズするのは目に見えています。

「こんなコトバ今どき使わないよ」こういったご指摘を受けますが、いやいや、地方に行けばまだまだありますし、50代、60代、70代の上司や、お客様などは立派な普段使いです。日本は意外に広いのです。色々な職場環境、取引先や人があり、地域によっては、これに方言が加わります。

一方、前株、後株もなぜこの「株式会社」の位置を間違えてはいけないのかを説明できても、なぜ、会社によって前後が異なるのかといった理由すら知らない先輩が沢山いることも事実です(笑)これもどうでもいいことですが。。。

「泣いてもらう」が「パワハラ」ならば、

「キミね、『五十日』もわかんないの?」

と鼻で笑ったら、それこそ新入社員からあなたに

「パワハラ」です!

と言ってくるかもしれません。

倍返しされない!?丁寧な対話をしよう

 昔から使われてきた言葉の面白さ、暖かさも個人的には好きですが、分からないから教えない、分からないから小バカにするといった態度は避けなければなりません。普段使いの先輩からすれば、一見しょーもないようなことでも、新人は実は苦しんでいるという実態を知っておくことで、少しは円滑な!?コミュニケーションもとれるかもしれません。

 反対に言えば、若手の普段使いのコトバを知らないことで皆さんが、仮に10年、20年後、いつの日か定年を迎え再雇用され、かつての部下だった新入社員が上司になる日がくるかもしれません。

「部長、そんなことも知らないんですか?」

と真顔で言われ、あなたに倍返しされる日がくるかもしれません。(これも、若手上司から、年上部下へのパワハラですから、あってはならない言動です)

今年の新入社員が早く職場に馴染んで、職場で活躍してくださることを切に期待しております。
 余計なことかもしれませんが、毎年、新入社員と出会うたびに皆さんが若く見えるのは、気のせいでも、老眼のせいでもなく、単に自分が確実に年を重ねていることを毎年、否が応でも実感させられるのです。

そんな私は、今日も「直行直帰」。

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藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
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ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
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#上司
#マネジメント
#パワハラ

教えるより、整える ― 「青春は密」と語った高校野球の監督から学ぶ。パワハラにならない部下指導のヒント

「監督の指示は生徒を思考停止にさせる!?」

嬉しい。メチャクチャ嬉しい。仙台育英高校が今年、夏の甲子園で優勝した。高校まで育ったふるさと仙台。(しかも自宅は育英高校から近かった)上京後も、毎年の全国高校野球大会だけは見続けていました。
「東北勢は、冬の練習量が圧倒的に西日本に比べて少ないから弱いんだ」
この単純に「練習量」の問題だけが、優勝できない理由のように結論づける論調に長年、長年、疑問を感じていました。

今の中学生のみなさんが聞いたらショックを受けるかもしれませんが、30年前当時の公立中学の部活動では「今日は校庭100週だ!」「素振り1000回!」と突然先輩に指示されるのです。
「何のために?」
その目的を尋ねるたびに先輩から殴られ、「逆らうな」と暴言も吐かれた記憶がよみがえります。
今、冷静に考えると先輩たちも論理的に説明することが出来ない、いや、監督から言われたことだけ後輩にやらせる「指示待ち」に育てられた、ある意味可哀そうな側面もあったのでしょう。すべて監督の責任です。

「いいからやれ」
「そういうものだ」
「伝統的にこうなんだ」
理由と目的を語らない先輩と監督。
あれ? どこかの上司のセリフに似ているような、、、

YouTubeと上司。学びが多いのはどっち!?

優勝後、スポーツニッポン新聞社のスポニチアネックスWEBに非常に興味深いインタビュー記事が掲載されており、そこには日本の管理職も学びたいマネジメントのヒントが満載でしたので、ご紹介したいと思います。仙台育英高校の監督の須江さんは、記事で次のように仰っていました。

『昔は、監督やコーチの助言や経験則、技術指導、アドバイスでした。今は、場合により監督よりも優秀な指導力のある人間はたくさんいて、その情報を得ることも非常に容易になっています。SNSを開けばプロ野球選手が感覚として思っていたことを言語化していたり、有名選手の練習法も調べることが可能になりました』

そうなんです。部下指導の方法や、コミュニケーションの取り方、起業の仕方、投資などYouTubeやインスタ等々を見れば、ご存知の通り物凄い数の動画があります。国内外を問わず、世界中の自分に合った指導者や有名人の話を聞いて学ぶことでも出来ますし、あらゆるジャンルの超一流に簡単に触れることができます。ひょっとしたら、SNSで楽しみながら学び続けている部下がいる一方で、アップデートしない昔のやり方を貫き通す上司の影響力が下がっていく時代は間違いなくそこまできているのでしょう。

「YouTube?インスタ?そんなもの知らないし、見ないよ」

いまだにこんなベテラン社員や、上司、新しいことに挑戦しない上司、現実が分かっていない実態を見るにつけ、大袈裟かもしれませんが、彼らが知らぬ間に、今の中学生、高校生が会社をリードする頃には、もっと世の中の部下指導の在り方も様変わりしているはずです。

「俺の指導が古いとでも言うのか!」

さらに須江さんは、こう仰います。

 『指導者は技術指導を含めて絶対的な存在でしたが、今は違うと思います。監督の仕事は“交通整理”をすること。彼らの思考の交通整理をしないといけない。だから千賀投手になりたいと言っている子が、全く違うメカニズムとか、体の使い方をしているケースがあるので“どこを目指してどんな練習をしているのか?”と聞いてあげる。その上で、だったらこの人に教わった方がいいんじゃないか、こういうトレーナーさんに助言をもらった方がいいのでは、のように話し合いますね』

 自分のやり方が「絶対」と思い込む上司は意外といまだに多い印象です。我を張って自分のやり方をおしつけたり、根拠や目的なき根性論をいまだに美化したり、行き過ぎた指導がパワハラになる可能性が高いのですが、昭和の指導をいまだに愛しく思う上司は、自分の指導法を金科玉条として信じて疑いません。

 また、須江さんは、自分が全部を教えるのではなく、個々の相手の個性を見て、指導する人を変えたりと、サポート役にまわり、助言をする役割に徹しています。「俺が、俺が」のでしゃばるタイプの上司と全く異なる点です。なぜそのかかわり方が大事なのか?これからのみなさんの会社に入社してくる若手には、自分の価値観や信念に基づく指導だけを部下に押し付けても、効果が少ないだけなく、どれだけ採用に金額を投資しても、さっさと辞めていくリスクを知って欲しいものです。

優しさは、想像力 -怒る指導の終焉

 巷で「アンガーマネジメント」が流行るように、怒りの感情を部下指導にも持ち込むことのリスクなどは色々な方が解説されていますので、ここであえて触れませんが、怒って叱ることについて

気になる須江さんの言葉がありましたので、シェアさせてください。

須江さんは、こう仰っています。

 『僕も叱る時はありますが、選手のモチベーションを上げる存在ではないといけません。時代が求めている監督の役割は変わりました。』

怒って叱ることに快感を覚えている管理職がいます。従業員が沢山いる場面で、部下に大声で叱るのです。これでは、部下のモチベーションを上げるのではなく、怒っている上司の脳が快楽を伴い、上司のモチベーションを上げる!?だけの単なる自己満足であり、全く意味と効果がありませんよね。

また、須江さんは、次のように述べています。

 『同じことを言っても誰が言うか、いつ言うか、その聞く相手がどんな精神状態か、によって効果も変わります。話を聞いてもらうには相手の心が穏やかではないといけません。優しさは想像力ということを選手には常に話しています』

これは本当に生徒の方を一人一人よくみていないと気づくことができませんし、相手の状態を常に観察することの重要性を感じます。これは、部下との関係にも当てはまると私は思います。

「優しさは、想像力」 胸が熱くなります。

あなたの部下指導、「優しさと想像力」がありますか?

是非、記事を読んでみてください。
正直、解説したりないのですが、今回はショート版ということで、ご容赦ください。みなさん、是非、下記のリンクから記事をご一読ください。
『  』 括弧書き 須江監督のインタビュー記事
引用元:スポーツニッポン新聞社 スポニチアネックスWEB 2022年8月26日
スポーツニッポン新聞社様に許諾を得ております。

記事リンク先
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/08/26/kiji/20220826s00001002152000c.html

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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#パワハラ
#ハラスメント
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どっちも正しいのに、うまくいかない ― リモート会議顔出し事情 顔出し強要はパワハラか? YouTubeをつくってみた。

リモート会議 顔出し事情

みなさんは、社内の会議や取引先とのMTGなど、社内の打合せや商談がオンラインの場合、画面に顔を出しますか?出しませんか?本当に会社、部署によって全く状況が異なりますね。皆さんもこの数年間、色々な経験をなさったのではないでしょうか?

初めてのお客様とのリモート会議の出来事です。お客様側は終始画面オフ。声しかわからず、最後の最後まで顔が分からないまま仕事が終わることをよく経験しました。当初は、暗闇に向かって相手と話すことに慣れず戸惑いを隠せませんでしたが、最近はすっかり慣れている自分がいます。

バーチャル背景がこれほどまで浸透したにもかかわらず、今もこのような状況が見受けられます。恐らく社内の会議は、顔なじみの人ですからあえて顔を出す必要もないので、その感覚をそのまま社外の取引先にも当てはめ、このように顔出しをしない会社も意外に沢山あります。

部下に顔を出しを強制したら通報された!

一方で、とある会社では、どうしても画面がオフだと、部長や課長にプレゼンをリモートで行う場合「本当に理解しているのかいないのか」あいづちもうなづきも普段からしない、仏頂面の部長が、さらに暗いカメラで分からなくなるこの状態を「もういい加減にやめよう!」と「リモート会議での顔出し運動」を現在進行形で行っている会社もあります。研修など大勢の人が参加する通信環境の負荷がかかる場面では画面を消すことも理解できるのですが、たった、4名の社内の会議で顔が見えない会議を駆逐したいと奮闘している会社もあります。

1on1ですら画面オフで行う会社もありますが、驚くべきは、部下が画面をオフにしていた部下に顔出しを命じたら、翌日、「顔出しを強制することはパワハラだ!」内部通報が入った会社もありました。

部長の言い分です。

「会社の会議で画面をオフにするということは、プロレスに例えるならば、タイガーマスクの「あの覆面」をつけて全員が会議に参加することと同じだ!匿名座談会か!意味が分からない」とのこと。

一方、部下側にも言い分があります。

「正直、顔を出さなくても、仕事に何ら支障がない。顔がみたいなど、そんな情緒的なことを言っているからいつまでも出世ができないんです」

価値観の対立をどう乗り越える!?

リモート会議の顔出しにルールを決めない限り、議論は平行線で終わり今後も揉めるのでしょう。それぞれに、顔を出したくない価値観と事情、顔を出すべきだという価値観が対立しているこの状況、みなさんはどのようにお考えですか?

笑っているくらいならいいのですが、いま、困っているのはこの対立が本気で、本気で「パワハラ問題」に発展している状況に憂慮しているのです。大事な点は、他社の人が「オタクの会社はオカシイ」とは言えません。だからこそ、自分たちのリモートでの職場の仕事のやり方を考える、はっきりさせる必要があるのかもしれません。世の中にはこれだけリモート会議の顔出し問題で、驚くくらい価値観が露呈するのかと考えさせられます。

あなたの会社でこんな些細なことでパワハラ問題が起きないように、もしも、あなただったら、どのような手を打ちますか?

動画つくりました。是非、あなたのご意見を教えてください。

「リモート会議の顔出しは、パワハラ!?」 

インプレッション・ラーニング YouTubeチャンネル

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藤山晴久
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アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
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ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
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きれいな言葉ほど、届かない ― イタタ。学生の「いじめ・自殺防止ポスター」が心に刺さった。脱!マンネリ!会社のハラスメント防止啓発ポスター

そのハラスメント防止啓発ポスター、あなたの心に本当に刺さりますか?

 厚労省の調査からも、学生の自殺が依然と減らない傾向ですが、会社におけるハラスメントや組織的不正が引き金となり、命を絶つ人も決して少なくありません。
そのようなコンプライアンス上の最悪のリスクを防止するための啓発のポスターに、多くの会社は時間とお金を投資します。
各社コンプライアンス浸透の活動として、ポスターは標語を行う会社は10年前に比べて増えた印象です。
 気になるのは、色々なポスターを拝見しても、なぜ「心に刺さらないんだろう」当たり障りのないテイストのポスターを見るたびに、私はモヤモヤを感じます。

 ある日、ネットで偶然見つけ、釘付けになった作品の1枚です。ご覧ください。

 これは、NPO法人「再チャレンジ東京」いじめ・自殺防止国民運動本部が主催している、学生の皆さんが書いた学校のいじめ自殺防止のポスターです。第8回いじめ・自殺防止コンクール受賞作品です。(本部の平林代表、掲載許諾済)

職場に貼っても届けたいメッセージは同じ

皆さんがご覧になってどのように感じるか、受け止め方は様々かと思います。
大事な点は、学生の方が作成したポスターを職場に貼っても、まったく違和感がないのです。素直に、大人も見習わなければいけないなと感じます。

ハラスメント防止の最悪のリスクを未然に防ぐためのポスター。

どこまで本気で、人の心をうつものがつくれるのか?
大人も見習わなければなりません。
どうしても「忙しい」という言葉を使いがちですが、ある方がこんなセリフを言っていました。
「あなたは、『忙しい、忙しい』というが、一国の総理大臣よりも忙しいのか。
逃げるなよ」

忘れられません。

さあ、新年度を迎えます。

今年も皆さんの職場では、どんなポスターが出来上がるのか楽しみです。

NPO法人のHPには過去の、心打たれる受賞作品の数々が掲載されています。 是非、ご覧ください。あなたも、何か気付きがあるかもしれません。

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藤山晴久
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アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

弱い相手に、どう振る舞うか ― 動物園に行くとわかる!?パワハラする人 しない人。

 先日、Jタウンネットさんの記事 「○○する人とは、付き合わないほうがいい」 元飼育員が語る「動物園デート」での要注意チェックポイントの記事を読み、これは日本のビジネスパーソンこそ読むべきだ!と衝撃を受けたので、是非皆さんにご紹介したいと思います。

 ツイッターユーザーのZooBaby 元動物園飼育員さん(@ZooBaby6)の2021年5月12日に投稿から、合コンなど、これから恋愛をする相手と交際すべきか迷ったら、「一緒に動物園に行ってください」と薦めており、その真意をJタウンネットの記者の方がインタビュをしている記事なのですが、これはデートで交際相手を選ぶ目的だけではなく、この上司と付き合うべきか、或は、本当にこの人は、うちの会社で昇格させるべきか、ひょっとして昇格してからパワハラ上司になる可能性を秘めているのではないかと、迷ったときと同じと状況ではないかと思いがよぎったのです。
 交際すべきか否かという点を、『この上司やメンバーはまさかパワハラ上司の候補、或は将来パワハラの引き金をひくような性格かどうかを見極めたい』という文脈に置き換えて読んでみてください。

動物に対する態度=部下に対する態度

記事はこのように書かれています。

『ツイートでは、

「動物にエサをあげるフリしてあげない、触り方が雑、ガラスをバンバン叩いて気を引こうとする、動物に対して汚い言葉を使う、このような人とは性別問わず絶対付き合わない方がいい」

と、発言しているが、なぜ、これらの行動をとる人は交際相手としてよくないのかというと、

記者の質問にZooBabyさんは

「同じ生き物として、本来人間と対等であるはずの動物を蔑んだり馬鹿にしたり見下したりすることなく、同じ目線に立って、自分が相手の立場になってされたらどう思うかを考えられる人が私は素敵だと思います。
『動物に対する態度=将来の自分や家族に対する態度』に置き換えたときに違和感があったら、その後のお付き合いをどうするか考えてみた方がいいのかなと思います」 』

このZooBabyさんの答えを、私が職場におきかえて変換してみます。

「部下に仕事を与えるふりをして成果を横取りしたり、ブラックなパワハラ上司とまではいかなくても、普段の職場での行動において、仕事場の備品の扱いが雑だったり、会社のロッカーをバンバン大きな音をたてて閉めたり、社用車が傷ついてもお構いなし、職場のトイレが汚れても平気、おまけに流さないし手も洗わない。部下に対して汚い言葉を平気で使う。このような上司とは、絶対に付き合わない方がいいでしょう」 

 あなたの会社には、このような上司や先輩はいないでしょうか?本来、人間として対等な部下を馬鹿にしたり、見下したりと、 動物に対する態度を、職場のメンバーや将来の上司である、部下に対する態度と置き換えたときに違和感があったら、この人をリーダーや管理職や役員に昇格させるかどうか、アセスメントの結果にとらわれずに、昇格させない選択肢を考えてみた方がいいと私は思います。上司も所詮、生き物です。

『 記事では、ツイートに続けて以下のようにも投稿している。

「ちなみに高確率でいるのが最初に挙げた『エサをあげるフリしてあげない勢』ですね。ゴリゴリにオラついてる兄ちゃんならまぁね…って感じですが、見た感じ超優しそうな男性や、ふわっとした雰囲気の女性でもやる人いるから驚く。そういう人みんな戸惑う動物を見て笑ってる。人間の闇を感じる瞬間」

もしも、あなたの上司が、こんなことをやっている様子をみたとしたらあなたはどう思うでしょうか? 所詮、動物園だからいいじゃない、と思うか、この上司の人間としての闇をしっかりと見つめるか、動物は間違いなく困っているという厳然とした事実には変わりありません。

「これくらい、ふざけているんだよ、いじめとかじゃないんだよ」と反論するかもしれません。あ、でも、その言葉、そういえば、職場でも聞いたことがあるフレーズだったりするかもしれません。(笑)
  部下をからかい困惑している部下を横目に 「これくらい、ふざけているだけなんだよ、パワハラとかじゃないんだよ」 記者はいじめの構図と書き記しているか、私からすればパワハラの構図そのものです。

「ダメだって書いてあるのに・・・」

『さらに、記事では、ZooBabyさんの飼育員時代に、印象に残ったカップルはいたか尋ねると、「悪い意味で印象に残っている」カップルとして、こんなエピソードを教えてくれた。

「『この動物は嫌なことをすると咬むことがあるので気を付けてください』と伝えると、わざと嫌なことをして咬まれるか咬まれないか試して爆笑するカップル。(カップル以外も多いですが。)
その場のノリなのか知りませんがおふざけが過ぎていますよね。来園者が怪我したらスタッフの責任になることも、動物にとってストレスになることもわからないなんて幼稚だなと思いました」

こんなことを職場でやるとお客様に迷惑をかけるのでやめてください。ってルールがあるのにもかかわらず、一時期メディアを沸かせた、ピザ屋の店員がピザ生地を顔に張り付けてTwitterに投稿したり、お店の従業員が冷蔵庫に入った写真Facebookに投稿して、店が臨時休業になったりと、どう考えてもダメだ!ということをやってしまうことと同根です。
動物どころか、社長のみならず、社会的なダメージがどれほどか想像力の欠如がもたらすストレスでは済まされない企業にとって死活問題です。

動物園は、教育施設でもある。

『記事では最後に動物園デートでどんな行動をとる人であれば、「交際するべき」と判断できるだろうかという記者の問いに、

「ツイートに挙げた内容と逆の行いができる人ですね。
追加で挙げるとすれば動物にフラッシュを焚かないとか、動物が寝ていたら大声を出さないとか、動物のことを考えてくれているなぁという人は好感が持てます。
動物が苦手だったり知識がなかったりする人でも、飼育員に動物の触り方をきちんと聞いて理解しようとする姿勢が見える人も安心できます」

とのこと。』

ZooBabyさんのコトバで刺さったコトバは、「動物園は、教育施設でもある」という点。

皆さん、コロナが落ち着いたら同僚と一緒に、書を捨て、動物園にいってみませんか?

メンバーの、社員の本性が見えてくるかもしれませんし、動物と触れ合うことで、テレワークのストレスも解消するかもしれません。一石二鳥です。

『』内、記事 出典引用 Jタウンネット URL 「https://j-town.net/

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
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このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
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