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もう、しごかなくてもいい ― 体育の授業は逃げられなかった。パワハラ上司からは、逃げてもいいですか?

元体育教師の教授がヒャダインさんに反論?

前号に引き続き、SNSで話題になった音楽プロデューサーのヒャダインさんが、体育専門誌『体育科教育』(大修館書店)に寄稿したエッセイを取り上げます。
「僕は体育の授業が大嫌いです。体育の教師も大嫌いです」
というセンセーショナルなフレーズから始まる文章で、旧来の体育の授業のあり方に一石を投じています。

このエッセイが掲載されたのは『体育科教育』2019年3月号です。2024年12月にXで紹介されたことで、改めて注目されました。すると、2025年2月号『体育科教育』の巻頭に、「緊急企画」としてこのような文章が掲載されたのです。
タイトルは、「『僕は体育の授業が大嫌いです』ヒャダインさんのエッセイに対して体育教師が考えること:Xでの反響を受けて」。

「これは読まねば!」と衝動にかられた私は、早速『体育科教育』を取り寄せてました。
この文章を書いたのは、和光大学教授の制野俊弘さん。ご自身も中学校の体育教師としての経験があり、大学で体育教師を目指す学生の指導をされています。まさに体育教師のリーダー的存在の制野さんが、ヒャダインさんのエッセイに対してどのような反論をするのか。私はドキドキしながらページをめくりました。

体育教師を目指す学生が書いた「ヒャダインさんへの手紙」

すると驚くことに、制野さんは文頭で
「これまで多くの体育嫌いを生み出してきた体育教師の1人として、まずは平身低頭で謝罪させていただきます」
と謝っているのです。さらに、
「体育の授業は人間形成において学校教育の中でとり入れなければならないほどの重要や役割をどのへんに秘めているのであろうか」
という、ちびまる子ちゃんのセリフを引用して、
体育という教科を「私たちはどう自分事として引き受けていくのか」と自問しています。

これが体育教師の卵の本音!?

制野さんは、大学の保健体育科教育法の授業でヒャダインさんの記事などを取り上げ、学生たちに「ヒャダインさんへの手紙」を書かせているとのこと。

学生たちは、
「体育が嫌いなのは恥をかかされるからというのは、本当にその通りだと思います」と理解を示しながらも、
「嫌いでもやってみたい、楽しそうだから少し参加してみたいと思えるような場づくりから授業を始めるべき」とか、
「クラスのみんなで授業を行う意味をもっと考えてほしい」とか、
制野さんいわく
「結局は、無邪気な『体育擁護論」に行き着く」のだそうです。

人の価値観は、そう簡単には変わりません。虚しさを漂わせている制野さんに、私はひどく共感を覚えます。

制野さんは、「教科としての体育は本当に必要なのですか。体育は何を教え育てる教科なのですか」と疑問を呈し、
「それを考え抜くことが生涯を懸けた問いであると肝に銘じたい」
と文章を締めくくっています。

学校でも会社でも、唯一絶対の「教育」方法に正解はありません。みんなが正しいと信じていた価値観も、時代とともに変わっていきます。だからこそ、現状に疑問を持ち、考えることを諦めないことが大事なのではないでしょうか?

しごかれなくてもプロになれる。

厳しいスパルタ的指導が想像されるスポーツの世界の指導のありかたはどうでしょうか?2024年に開催されたパリオリンピックでは、ブレイキン、スケートボードといった新しい種目で、10代、20代の日本選手たちが続々とメダルを獲得しました。

想像ですが10代の彼らは、昭和の「しごき」文化を知りません。「しごき」がなくても世界の一流になれることを証明しています。近年、頭角を現しているアスリートの周りには、たくさんの優秀なサポートチームがついています。
コーチング、メンタルトレーニング、メンテナンス、栄養士、チームドクターなど、それぞれの分野の専門家が、デジタル技術を駆使してサポートしているようです。それぞれの役割が明確であり、しかも適切な距離がある。高校野球の世界も昭和の頃とは様変わり。企業でも、社員の育成に「AIによるサポート」が導入されているところもあります。
従来のように「上から下への指導」「いいからやれ」的な一方的な指導はなく、対等な立場で本人の目標や、やりたいことをサポートする。

組織である以上、仕事において上から下への指示が行われるのは自然なことです。
しかし、育成という観点においては、「指導する」よりも「支援する」スタンスの方が、より高い成果を生むことが明らかになってきました。これは、社員育成の新しいスタンダードとして、もはや疑う余地のない発想の転換です。

にもかかわらず、少子化や若手の早期離職、管理職志向の低下、さらには70代・80代の部下の存在といった現実がありながらも、日本の多くの組織は、育成の在り方を大胆に見直す決断ができずにいます。その動きの鈍さには、歯がゆささえ感じます。

これからの時代、私たち一人ひとりが「育成とは何か」を真剣に見つめ直し、未来志向で人に投資できるかどうかが、組織に本気で問われています。
それは働きやすい職場、つまり、パワハラのない職場をつくる覚悟が本気であるかどうか。
その鍵は、私たち一人ひとりの手に委ねられているのです。

※引用はすべて『体育科教育』2025年2月号より

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・我慢が当たり前のまま、大人になった― 体育の授業は逃げられなかった。パワハラ上司からは、逃げてもいいですか?

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・ 自分で自分にパワハラする人たち

この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#上司
#マネジメント
#パワハラ

我慢が当たり前のまま、大人になった ― 体育の授業は逃げられなかった。パワハラ上司からは、逃げてもいいですか?

  

学生の頃、体育の授業が好きでしたか?

「僕は体育の授業が大嫌いです。体育の教師も大嫌いです」
という、思いきった「体育大嫌い宣言」から始まる文章が、SNSで話題になりました。書いたのは、音楽クリエイターのヒャダインさんです。
「頼むからそっとしておいてください」
というタイトルがつけられたこのエッセイは、2019年3月に体育専門誌『体育科教育』(大修館書店)に掲載され、2024年にX(エックス)で紹介されたことで、再び注目されました。

『体育科教育』は、体育の教師向けの専門誌です。
体育の教師を職業に選ぶということは、読者の多くは小さい頃から運動が得意だったのでしょう。体育の授業では、足も速くて球技も鉄棒も難なくこなし、クラスメイトから賞賛を浴びていたはずです。
そんな体育教師たちに向けて、ヒャダインさんは

「なぜあなた達体育教師は、
僕達にクラスメイトの前で恥をかかせようとするのでしょう?」
と問いかけます。

「手本のように上手に出来なくて(中略)バタバタと手足を動かす僕をクラスメイトが笑う」
「自分が圧倒的に足を引っ張ったせいで、気まずい雰囲気になったバスケの授業は今でも思い出します」
と、ヒャダインさんは体育の授業を振り返ります。


同じような経験をした人もいるのではないでしょうか?
運動が苦手な人にとって、みんなの前で逆上がりを何度もやらされたり、横並びで走らされたりした経験は、つらい記憶として刻まれています。

みんなの前で恥をかかされることで、運動が苦手な子は、ますます運動が嫌いになってしまう。学校で週に何度も体育の授業が設けられていても、それでは本末転倒。ヒャダインさんは、「体育」と「スポーツ」は同義ではない、としたうえで、
「体育で惨めな目にあうことで、スポーツまで嫌いになります」
と書いています。

もちろん、体育以外の科目が苦手な子もいますが、ほかの科目では体育ほど
「みんなの前で恥をかかされる」
場面は少ないといえます。算数の授業で、算数が苦手な生徒を黒板の前に立たせて、みんなの前でわからない問題を何度も解かせるなんてことは、まずあり得ませんよね。

上から目線の指導に「NO!」

このエッセイがXで紹介されると、多くの共感の声が寄せられました。
ヒャダインさんのエッセイがここまで注目された理由のひとつは、運動が苦手で、体育の授業で同じような経験をした人が大勢いるから。もうひとつは、このような声を上げる人が、これまであまりいなかったからかもしれません。

学校を卒業すれば、ほとんどの人は体育の授業からも解放されます。大人になれば、逆上がりができなくても、跳び箱が跳べなくても、人前で恥をかくことはありません。

「学校の体育の授業、いやだったな」
という思い出はそっと胸にしまわれて、普段は思い出すこともなくなります。

しかし、一方で職場には、跳び箱という名の「ノルマ」や「利益のプレッシャー」から逃れられない状況が厳然としてあります。
職場では「今日休みます!」と職場の隅っこで「見学」は出来ないのですから。

ヒャダインさんのエッセイが掲載された号のテーマは、
「運動が苦手な子どもが輝く授業をつくろう!」
というものです。ヒャダインさんはこのテーマに触れ、
「『運動が得意な子は輝いている』と思ってるってことですよね? 上から目線の差別意識丸出しじゃないですか」
と書いています。

そう、これは「体育の授業」だけの問題ではありません。体育の授業で教師が
「よかれと思って」
生徒に押しつけていた価値観に、ヒャダインさんと彼のエッセイに賛同する多くの人が
「NO」
を突きつけたのです。

「今日の仕事は、楽しみですか?」

この「よかれと思って」を想起させる、非常に印象的な出来事が、
4年前の2021年、ある駅の大型ビジョンに現れた広告メッセージです。

一見ポジティブにも思えるその問いかけは、瞬く間に物議を醸しました。
「仕事を楽しめない人を責めているようだ」「これはディストピア」「仕事は楽しめなければいけないのか?」そんな声がSNS上にあふれ、大炎上。

よかれと思った「善意」のこの言葉は“楽しい”という価値観を押しつけるものと受け取られ、結果として、その広告はわずか1日で取り下げられることとなりました。「仕事は楽しいと思う人からの上から目線?」の差別意識と感じた人がいたのかもしれません。

この出来事は、どこかで見たような光景にも思えます。
教師が「よかれと思って」生徒に押しつけていた価値観「みんなでやるのが楽しいはず」「頑張ればできるはず」「苦手でも全力で取り組むべき」
そんな“正しさ”が、知らず知らずのうちに誰かを置き去りにしていた。

あの広告に感じた違和感は、ヒャダインさんの投稿とどこか重なるのです。

見直される「指導」「教育」のありかた

「できないヤツは、人前で恥をかかされても当然だ」
「悔しかったら、できるようになるまで努力するべき」
このような価値観が、いまだにまかり通っている組織はまだまだあるのではないでしょうか。
ミスをした部下をみんなの前で叱責する上司や、後輩に「やる気を出せ!」などと根性論をふりかざす上司・先輩は、令和の今でもいますよね。

もちろん、体育会系の人のやり方や考え方が、すべて間違っているとはいいません。スポーツに打ち込んできた人が持つ行動力や協調性は、社会で求められる資質といえるでしょう。

しかし、行き過ぎた「しごき」や「根性論」は、むしろ部下や後輩のモチベーションを下げてしまい、逆効果になります。学校の体育の授業と同じように、会社でも「指導」や「教育」という名のもとに、部下が壊れるような指導がゼロではありません。
それらを裏付けるように、パワハラの相談件数が右肩上がりであり、パワハラによる精神疾患に起因する労災認定が増加傾向にあります。

一方で、その指導のありかたが、今、本気で見直されているのです。

ヒャダインさんのエッセイは、改めて、パワハラを意識している、私たち働く大人たちにも、そのことに気づかせてくれたのではないかと私は思います。

※引用はすべて『体育教育』2019年3月号より

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株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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#上司
#マネジメント
#パワハラ

怒らないと伝えられないなら、それは指導じゃない ― 怒ったら上司の負け!!!これが令和の部下指導。「監督が怒ってはいけない大会がやってきた」を読んで考えた。

 今回はそろそろ、新入社員が現場にやってくる時期にぴったりな1冊の本をご紹介したいと思います。
「『監督が怒ってはいけない大会をやってきた』益子直美他著(方丈社)」
本書を通じて、大人の組織でもパワハラを招かないように怒らずに叱る方法、部下とのかかわり方について考えていきたいと思います。

はじめに、本の袖から引用させていただき、著者の「一般社団法人 監督が怒ってはいけない大会」をご紹介します。


2015年1月に、福岡県宗像市で開催された「第1回 益子直美カップ 小学生バレーボール大会」をきっかけに、子供たちが「バレーが楽しい」と思ってもらいたいというメンバーの想いから「監督が怒ってはいけない」というルールを発案し「一般社団法人 監督が起こってはいけない大会」という組織が、3つの理念を掲げ、発足されました。


1 参加する子供たちが最大限に楽しむこと
2 監督(監督・コーチ・保護者)が怒らないこと
3 子供たちも監督もチャレンジすること
3つの理念をベースとして、バレーボールに限らず、今、様々なスポーツ団体から注目されています。

具体的にどのような取り組みをしているか、職場の上司にも参考になるヒントが沢山ある素晴らしい1冊です。

怒鳴る指導が止まらないコートの舞台裏


 拝読してまず驚いたいたことは、2015年の話であるとしても、バレーボールのジュニアチームの子供たちが、当時、監督に怒鳴られ、平手打ちをされ、泣きながらプレーをしているという事実。昭和の頃からいまだに変わらず、体罰がバレーボールの指導の「当たり前」ということ。これを何とか変えられないか、10年かけてこの活動が不要になる、つまり現場から怒る理不尽な指導がなくなることを真剣に著者は考えていた現実です。

ベテラン世代の「上司」と「監督」の言い分

 特に印象的な点は、監督たちの否定的な声が、50代、60代、70代の上司の言い分と非常に似ていること。

監督の声
「怒らないなら、勝てない」
「怒らないことは、指導ではない」
「子供が甘えてつけあがる」
「チームとして成立しなくなる」
「怒らないなら、勝てなくてもいいんだね」
「初めから勝利を諦めるんだな」
これが10年たってもなくならない、とのこと。


一方、上司も負けずに次のように言います。


上司の言い分
「俺は怒られてきたから、いま成功している」
「経営者で成功している人は、みな、怒られることに耐えてきた」
「怒られない奴は、成長しない。」
「一番怒られた奴が結果、出世した。だから感謝しかない」
非常に似ていますね。

「スポーツマンシップ」と「リーダーシップ」の共通項


協会の方針としては、「スポーツを楽しむこと」が第一です。
誤解があってはいけないのですが、怒ることは否定せず、怒ってもいいときは、以下の4つの場合と限定しているのです。


1 ルールやマナーを守れなかったとき
2 取り組む態度、姿勢が悪かったとき
3 いじめや悪口を言ったとき
4 危ないことをしたとき

このような、スポーツマンシップに外れた行為をしたときは、「プレーの中のミスに対する感情的な叱責だけ」を禁じているとのこと。これを仕事に置き換えると「部下の仕事のミスに対する感情的な叱責」と全く同じです。また、スポーツマンシップについて次のように定義しています。「人との接し方やふるまいに思いやりがあり、誰かの為に自ら動けるスポーツマン」。素晴らしい表現です。私も全く同感です。相手を一人の人間として尊重している考え方が根底にあると感じました。

 高校野球の全国大会で代表の選手が「スポーツマンシップにのっとり、正々堂々と試合することを誓います」とお約束のフレーズがあります。
この正々とは、私なりに解釈するならば、ルールやマナーを守る、堂々とは一点の曇りなく胸を張って試合をし、真摯にそしてフェアに取り組むことと伝えています。まさに、コンプライアンスの本質そのものなのです。

あなたは、誰かのために自ら動けますか?

「誰かのために自ら動ける」私が一番気に入ったこのフレーズ。
日本の職場では、この誰か困っている人のために、自ら動ける人が多くない印象です。言葉をオブラートに包まずに言えば、他人事、つまり傍観者でいる方が面倒なことに巻き込まれずにいられるので、安心なのです。
チームで仕事することが大事と口先ではいいながら、実際は助けない。言い換え得れば、同じ「職場という名のコート」のなかで年度の目標を達成するという試合を共に戦っていても、実は、仲間がピンチでも、ミスをしそうなときに誰もフォローしない、試合が終わっても声をかけない、無視と同じです。
 このような言動は、コートのなかでも、職場のなかでも同じことが起こりえると私は断言します。ましてや、スポーツと比べたら、職場は就業規則など様々なルールもありますので、従うべきことは多く、ペナルティーの厳しさは言うまでもありません。
 スポーツマンシップを発揮することと、リーダーシップを発揮することは、その姿が誰かを励まし、勇気づけることです。チームのメンバーにいい影響力を波及させ、結果的に強いチームを作る点においては、何ら変わりません。

職場でも取り入れたい、怒っている人を自覚させる方法


この大会は、旧態依然とした指導者にはバツが悪いイベントのようです。何故ならば、普段と違う姿(怒らない自分を見せる)を子供たちや保護者に見せるために、居心地が悪いようなのですが、とてもユニークな取り組みを大会中にしています。
実際に、つい声を荒げた指導者には「バッテンマスク」を進呈することで、怒りを無自覚に指導に使っている監督に気づきを与える取り組みをしています。会社でもコンプライアンスウイークくらいは同じことをやっても面白いと思いませんか?
ユニークさを受け入れてくれるコンプライアンス部の皆さん、担当取締役の皆さん、「バッテンマスク」はパワハラ行為者の問題の根にある「無自覚」を職場の全員で考えるヒントになるのではないでしょうか?

「怒らなくても勝てる」

 本書でも指摘していますが、大事なことは「理不尽」に怒らなくても勝って強いチームを作ることが可能であると言っているにもかかわらず、「怒らない」=「勝てない」とバイアスに完全に囚われている監督が多いようです。このバイアスのなかにも監督自身も若い頃から無意識に植え付けられた監督像、つまり「監督はこうあるべき」という強い価値観が刷り込まれ、プレッシャーとなってのしかかり、ときには押しつぶされそうになるとありますが、これは、上司も同じです。
  特に上司は、偉くなるほど誰も指摘はしてくれず、利益のプレッシャーも当然にありますが、残念ですが、プレッシャーのない仕事は存在しません。経営である以上、数字の責任を負っているのです。部下育成や仕事も課題も山積みで悩みも多いのですが、以外と誰にも相談できずに人知れず一人で悩んでいる人が多いのです。

要改善な監督とパワハラ上司の共通項
-ミスの理由を聞くこと

「ボールを拾わなかった子に、『なんでいかないんだ!』と怒鳴る監督がいますが、「なんで」と言われても、その時はよくわからないものです。でも理由は絶対にあり、丁寧に聞いてあげると必ず出てきます」とあります。
職場に置き換えます。「なんで、こんな仕事しか出来ないんだ!」「なぜ、ダメなんだ」なぜなぜ分析が大好きな上司と重なって読んでいる自分がいました。子供を指導するのも、部下を指導するの根本は同じであることを改めて痛感しました。
「『なんでミスをした』と言われると『できない自分』だけが刷り込まれていく」このフレーズは、全国の日本の管理職に声を大にして伝えたい言葉です。
これ以上は、是非、ご著書を読んで頂きたく、とにかく全国の管理職に読んで欲しい、あなたの部下指導を変えるヒントが沢山詰まった至極の一冊です。

子供たちと部下を伸ばす至極の言葉


本書では、子どもたち一人一人を見ていることの大切さを伝え、
「絶対に、チャンスをあげるからね」と声をかけることの大切さを説いています。上司の皆さん、部下に、今は難しくても「絶対にいつか活躍できるチャンス」与えていますか?

今年も新入社員が入ってきました。


上司、先輩の皆さん


新入社員にどうぞ、入社早々、怒らずに、まずは、よく見て、チャンスを与えて成長させてください。マネジメントの役割は、「部下育成」です。人が育つには時間がかかります。上司の皆さんも時間がかかったのと同じです。ただし、手間暇のかけ方が、昔とは180度異なっているのです。
20年後、30年後の未来の会社のリーダーは、あなたの部下です。一緒に未来のリーダーをサポートしていきましょう。
その上司の姿を、部下は必ず見てます。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

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言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
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職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
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#上司
#マネジメント
#管理職

知らなかったでは、もう済まされない ― 無自覚にもほどがある。

セクハラがとまらない

2024年になり、特にセクハラの話題が止まりません。
実際に、新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたことにより、会社でも飲み会が増えたことにより、セクハラ事案が増えているという声があちらこちらから聞こえてきます。さらに、直近のニュースでも以下の通りセクハラのニュースが止まりません。


「高松市消防局の職員が部下へのハラスメント行為で懲戒処分」
加害者は部下の耳や手をなめる行為をコミュニケーションの一環と主張
(2024年3月)
「沖縄県南城市、セクハラ訴えた女性の個人情報を市長がSNSに投稿」
(2024年3月)
これ以上は割愛しますが、3月も無くなりません。

そして、まだ記憶に新しい、ENEOSのグループ会社等々で3回連続の経営陣のセクハラ。当時の社長が、懇親会の席で酒に酔った状態で、女性に抱きつくといった不適切行為があったことで解任。
 コンプライアンス担当の副社長、常務も同席していても止められない。相変わらず上司にモノが言えない旧態依然とした社風が垣間見えます。新入社員の皆さん、これが「あなたの知らない組織」の世界です。

会食での飲み過ぎとセクハラを監視する会社

 再発防止策として「今後、取締役が会食時に飲酒しすぎていないか、同行者が監視するルールを新設。取締役が会食の場でハラスメントを起こした場合には、同席・同行した者も連帯責任を負う」とのこと。
このようなルールを設置しないと、セクハラをしない人が経営者になること自体が許される異常さ。社内の根回しが上手く、酒を通じた人脈づくりが得意な人が、評価される社風が薄っすら透けて見えます。本当にこれ以上、同じ被害者を出さないことを祈るばかりです。この事案の詳細は「ENEOS セクハラ」と「ググって」頂くとネットニュースに溢れていますので譲ります。

さらに上書きするように飛び込んできたニュースが岐阜県岐南町、前小島町長のハラスメント。メディアで何度も町長の顔をご覧になった方も多いかと思います。

令和6年2月27日 岐南町ハラスメント事案に関する第三者調査委員会の報告書から読める、報道ではあまり取り上げられなかった、私が個人的に気になった点、今のセクハラ防止対策で意外と見落とされがちな点を改めてお伝えしたいと思います。

前代未聞の異常なアンケート結果

  職員の半数近くがハラスメント被害を受け、「80%以上の職員が何らかのハラスメントがなされていると感じた」というアンケート結果が出ていました。
調査報告書の町長による不必要な身体接触・不快な言動の一覧をみると、99個列挙されていますが、実際には報告書にはないものも含めると、煩悩の数をはるかに超えていることは想像に難くありません。
個別具体的な行為内容は検索していただくとして、町長自身のハラスメントに対する「無自覚」、「無関心」、「無理解」は記者会見を見ても明らかでした。ハラスメントの3大トリガー「無自覚」、「無関心」、「無理解」であるベテラン管理職の加害者やその予備軍が減りません。冒頭ご紹介した3月に起きたハラスメント事案を見てもお分かりの通りです。

「私らの時代は頑張った子、あるいは良くできた子は頭をなでてもらった経緯がある。みなさんは若いから分からないと思う」

元町長小島氏のコメントが、3大トリガーすべてを体現しています。これは、いまだに日本の会社の中から聞こえてくるフレーズ
であることを添えておきます。

メディアでは取り上げられない、意見箱に投稿された組織への不満 

  調査報告書から抜粋して、具体的にどのような不満が職員から上がっていたのかを見ていきましょう。原文を掲載します。

★今回のセクハラ、ハラスメント事案について、町長はもちろんですが、上層部職員にも怒りを感じています。勇気を持って上層部職員に、セクハラの事実を突きつけてもなお、町長の言動に変化はなく、解決に至りませんでした。職場として職員を守る体制が整っていなかった事実についても追求していただきたいです。

★退庁時に町長が部長・課長等を従えて各階を廻り、まるで大名行列の様。自分よ
り早く帰った職員をチェックしているとも言っていて、それを気にして帰れない。

★町長が帰庁する時に幹部職員が連れ立って帰宅する姿は異常に感じる。

★現在の主幹級以上のほとんどは今回のセクハラについて多かれ少なかれご存知のはずです。冗談まじりに、「適当に相手をしといてくれると助かる」というような発言をしていた方もいたと聞きます。陰で、職員を退職に追いこむのなんて簡単だと複数人で話している管理職もいました。


★岐南町役場は町長の言う事が絶対みたいなところがあり誰も逆らえない。

(下線は筆者)
いかがでしょうか。

上層部への怒り、管理職への不満が散見されます。実は、問題はここにもっと目を向けるべきです。この声なき声に対して、管理職は向き合わずに逃げているのです。組織的対応がなされていない実態です。
上司は「自己防衛するように」「嫌なことは嫌といううように」とまるで他人事。誰も組織の自浄作用に期待しなくなり、精神的負担は想像に難くありません。

管理職に共有したい組織な対応の重要性

調査報告書にはさらに次のような指摘がなされています。これが今回の問題で日本全国の管理職、経営者の皆さんと共有したい点です。

『職員について 町長を除く職員についても、念のため言及する。 対応不全の結果、就業環境が害された状態が継続したこと、とりわけ本件事案を認識していた幹部職員には、ハラスメント防止に組織として取り組まなければならないという意識の持ちようがいか程であったか、また、組織の長による不祥事への対応という前例がなく法令等の整備も充分でなく複合的な要因のある事態への対応に困難を要すると現状認識したことは想像に難くないとしても、対応不全を招いたことに「リスクからの逃避」や「事なかれ主義」がなかったかについて、職責の高さを念頭に置いたうえ自己検証し、重大問題であったと重く受け止め、自戒いただきたい』

若手が働きたいと思う会社になれるか?

岐南町に限らず、表向きは「ハラスメント防止に取り組む」といいながら、経営陣が他人事の会社は少なくありません。自分の会社のなかで犯罪行為が行われているという意識が希薄なのです。
 少子高齢化、労働人口減少の問題が突きつけられている今、10年後、20年後のリーダーは間違いなく、今の20代、これから入社する学生の皆さんです。
彼ら、彼女が本当に安心して働ける、こんな魅力のある人のいる職場で働きたいと思えるような先輩、上司が多数派にならなければなりません。

岐南町の内定者の顛末

2024年4月
岐阜県岐南町の新卒の内定者2人がいずれも辞退しました。

二度とこのような不幸な出来事が起こりませんように。
この問題は、他人事ではありません。同じような組織が日本中にまだまだ沢山実在する事実から、目を背けてはいけないのです。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#管理職
#マネジメント
#ハラスメント

その「。」で、関係が変わる ― 出たな、新種め!「。」マルハラ

ネットニュースで話題となっているマルハラ「。」
「マルハラ」とは、LINEなどのアプリを使ったビジネスコミュニケーションの際に、上司などからの返答が「。」で終わっていると、「不安」「怖い」いう若手の意見が増えているという状況のことです。
  私も研修の現場で、受講生から同様の質問も受けたことがあるのですが、
実例を交えながら、この問題について考えていきたいと思います。
この話を一旦、整理する必要がありますね。句読点の問題を不安に感じる人がいることと、不安に感じた人が、その気持ちを「ハラスメント」という言葉で相手に伝えることを、分けて考えたいと思います。

文章の句読点を不安に感じる人がいる

 そもそも、若手が句読点の打たれた文章を読んで「怖い」「圧力」と感じるのは、読み手の主観です。圧力と思うことは自由ですが、その感覚自体はハラスメントではありません。ちょっと眉唾でしたので、実際に複数の高校生、中学生にも直接聞いてみたのです。実際には、「怖い」とは思わない人も多数います。「人によるのでは?」とのこと。生の彼らの声をきくと、どうしてもメディアの情報だけを鵜呑みにすることの怖さを感じてしまいます。

 私たちは、国語の時間に句読点を習い、手紙や、メールも、ガラケー時代のショートメールも、何の疑問をもたずに句読点を打って文を書いてきました。むしろ、正しい句読点をつけないと気持ち悪い気分の人や、学校のテストだったら点数をひかれる、或は、上司にその報告書を指摘されることもあります。
「怖い」と感じる人の言い分としては、短いことばでキャッチボールするLINEのやりとりの中に、句読点は用いることはなく、反対に句読点が多用されると「怖い」と感じるのがその根拠のようです。
 つまり、句読点を用いないLINEでのコミュニケーションが前提なのです。
LINEと手紙、どの媒体に軸足を置くかによって考え方も全く異なるでしょう。単に世代によって異なる価値観の違いにすぎません。
LINEの使いかたの本は読んだことはありますが、LINEでの文章の打ち方や文章構文の本は見たことがありません。

上司も悪気はない

 LINEを使っているベテラン組が、長すぎるその文章に、子供や若手から「その文章はLINEではなくメールですと」突っ込まれたという話はよく聞きました。チャットもいまほど普及していない時代は、「文章とは、丁寧にかかないと失礼にあたる」と思ったベテランもいたでしょう。チャットというツールを知らない人からすれば、単純にメールの書き方をそのままLINEという媒体で使っているだけのことで悪気はありません。短い言葉だとかえって失礼にあたらないかと思う人もいたものです。
最近では、リモート会議でTeamsなどチャットを使う機会がこの数年で劇的に増えたので、感覚的にはその違いが理解できるベテランも増えたのではないでしょうか。

上司のメールが怖い

 研修の現場でお客様から同様の悩みをもちかけられたことがありました。その課長は、部下の新人社員から「自分が指示したメールが怖い」とういことで相談をもちかけられたとのこと。具体的に指示したメールの内容で「怖い」と指摘された文章を私も拝見したのが次の一文。

「この資料を3日後までに作ってください。お願いします。」

この文章のどこにハラスメントの要素があるのでしょうか?

本当に句読点をつけるとパワハラか?


 怖いと相手が感じることは自由ですが、怖いと感じたその気持ちを「ハラスメント」という言葉を使って表現しては、誤解を生みます。言われた上司も驚きますし、反対に職場の人間関係がギスギスします。これでは、上司も何も言えなくなってしまいますね。
 句読点をつけた文章を相手に送ることがハラスメントになるならば、日本中の文章はすべてハラスメントになりませんか? この記事もハラスメントですね。句読点を外せば、ハラスメントにならないのでしょうか?もっと読みにくくなります。まずは、これは定義にもとづく「ハラスメント」ではないことをはっきりと申し上げます。

さらに、その上司は実際に、部下にどうすれば怖くない?と聞いたそうです。

部下の驚愕の答えとは・・・

「この資料を3日後までに作ってください!お願いしますm(__)m」

これなら怖くないとのこと。
なんと、笑顔マークや!があれば、安心して仕事ができるとのこと。

 この会社は、スラックといったチャットツールは使用せず、メール一本の会社。一方でこの会社はリモート会議中、チャットでは、他の上司や先輩も、絵文字も飛び交っているとのこと。しかし、この課長は、チャットの絵文字は「遊び」であり、仕事で使うものではない、という価値観を信じて疑わず、抵抗感があるため、チャットでも絵文字などは使えないとの一転張り。最後まで並行線でした。

 私も20代のお客様から実際に、「よろしくお願いいたします!m(__)m」と普通にメールも届きますが、特に不快になったことはありません。30年前ならいざ知らず、時代が変わったなぁとほほえましく感じています。
 会社のビジネスマナーもそろそろ転換期がきているのかもしれません。そうはいっても、そんな優しいムードに流されてばかりもいられないのです。色々な場面に応じた、様々な形式の書類がありますから、句読点にいちいち振り回されているわけにはいかないのです。

違いは「間違い」ではない

提案があります。
上司もいちいち目くじらを立てずに、これまでのオフィシャルなビジネス文章は別としても、普段の何気ない会話といった場面でのLINEやチャットを使うときは、「吹き出し自体が、一つの区切り」と考えてみてはいかがでしょうか?
そうすれば、「吹き出し=句読点」と考えれば、句読点はいらないものと捉えられませんか?「そういものだ」と割り切れる!?かもしれません。

 今回のSNSを代表とするような句読点の問題、明らかにハラスメントとは言えないような世代により異なる価値観の違いの問題。この「違い」は決して「違い」であって「間違い」ではない、とういこと。

 LINEやチャットで完結するビジネスであれば問題ないでしょうが、取引先や社外の方へのメール、相手の会社の社風、TPOに応じた対応といった厳然とした事実を歪める必要はありませんので、(慶弔に関する文章など)その点はもう一度、丁寧に説明しましょう。そして、これは定義に基づく「ハラスメント」ではないことも丁寧に伝えてください。

「いいから黙ってマルつけろよ!」

 最悪のパターンは、上司が「つべこべいわず、いいからマルつけろ!」と怒ってしまうことですね。それこそパワハラになりかねません。まずは、怖いと感じる相手の気持ちを受け止めてください。今回のマルハラに関連する記事を読むたびに、個人的に気になることは、どうも、職場内の普段からのコミュニケーション不足が垣間見えるのです。

人間関係に終止符を打たないために


 マルハラは、定義に基づくハラスメントではありませんので、「ハラスメント」という言葉を使わないで、その不快な自分の想いを伝える努力をしてみましょう。こんな些細なことでも話し合える関係をつくって欲しいものです。
そして、ハラスメントを「ウザい」「やばい」「キモイ」と同じくらいライトな感覚のまま、職場で使うことは控えましょう。

「句読点」が引き金となり人間関係に「終止符」を打たないようにすることを心がける、そんな余裕が私たちに必要かもしれないですね。

しかし、この〇〇ハラ。いい加減やめて欲しいと思うのは私だけでしょうか?

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

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ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
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ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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#管理職
#マネジメント
#ハラスメント

強いふりを続けるほど、壊れていく ― 管理職の皆さん、困ったときに「助けて」と言えてますか?

相談業務は大変

 どこの企業もハラスメントの相談窓口を設置、相談担当者を育成して、「社員からの相談を聴く」一見、簡単そうに見えて、その道のプロでもなかなか難しい仕事を任されて日々、社員から寄せられる様々な相談と格闘している社員が全国にいらっしゃいます。

 一方で、現場の管理職も、ラインの責任者として、日常の業務内容に関することに限らず、職場での部下などから人間関係の悩み相談されることも多いことかと思います。大企業になると、コンプライアンスリーダー制度を設けて、コンプライアンス部門と協力して、なるべく早く現場の悩みに対応すべく、管理職がコンプライアンスリーダーを兼任して、仕方なく!?引き受けている方も少なくありません。

 相談者からの相談に対応することで、当然、その分自分の仕事の時間が減りますから、管理職といえども、日常のプレイヤーとしての仕事、マネジメントの仕事、どちらも手を抜くわけにはいきませんので、正直いくら時間があっても足りません。上司の仕事量は増えるばかりです。そのことでかえってストレスを抱えている辛さも実際に聞こえてきます。

 深刻な相談は別として、人間関係の好き嫌い、同僚同士の嫉妬、マネジメントの誤解、経験を重ねた管理職からすれば、「それくらい自分で解決してよ」と、思うような大したことないと言いたくなる悩みであっても、部下からすれば深刻です。しかし、役割上、しっかりと「傾聴」しなければならず、いつのまにか「傾聴も我慢のスキル」と誤解されるようになり、余計に我慢することが増え、比例して、これまた上司のストレスも溜まっていくのです。

なぜ、上司は相談窓口を利用しないのか?

最近、私が気になることがあります。会社では相談窓口を利用しよう!と部下に声高にPRするのは、いいのですが、なぜ肝心な管理職はPRする側になるだけで、管理職側は会社に相談しないのでしょうか?管理職の相談件数が、一般職に比べて少ない、或は、ゼロの会社もあります。

その背景に、ある特徴があります。特に、上司世代は、昔、学校や家に帰れば親から「自分ことは自分でやろう」と習って育ちました。学校や習い事、塾の先生も、今に比べれば、厳しい指導スタイル。

その価値観を疑わないまま会社に就職し、歯を食いしばって、昨日よりも明日、明日よりも明日と、苦労と我慢が自分を成長させると信じで疑わず、当時上司の(現在は80代)パワハラにも耐え、根性論で這いつくばってきた世代といえるでしょう。ある意味、80代の上司の価値観を擦り込まれてきた節はあります。

上司だってパワハラをうけている

色んな苦労を乗り越えて、成果をあげてきたからこそ管理職の立場にあることは間違いない事実であり、素晴らしいことです。しかし、その価値観で30年以上も同じ会社で、同じ風土で会社員人生を過ごすと、頑張ってもできないことや、困ったことがあっても、人に相談が出来なくなる人が、今、増えているのです。管理職だって完璧な人間ではありません。大きな声では言えませんが、部下には知られたくない苦手な仕事もあります。同僚や部下に頼ることなく、仕事の悩みを一人で抱え込むのです。ここだけは聞いて欲しいのですが、「悩み」を抱え込むのです。これは、仕事に限らず、家庭、自分、将来、病気、介護と様々です。

 部下や同僚に「助けて」と言うと、相手に迷惑をかけたり、「無能な上司」と思われたりするといった

不安にかられ、自分から言い出せないのです。上司だって、上司の上司からパワハラをうけます。役員会で怒鳴られて、精神的に追い詰められて退職を余儀なくされた部長や課長を何人も見てきました。「売上があがらないならが、いますぐ、その窓から飛び降りろ!」こんな言葉が役員会で飛び交う時代錯誤の会社がいまだにあります。

退職すれば、上司の役員は、「あいつは根性が足りない」と一蹴し、内心、敵が減ったとほくそ笑む。結局、役員自身のマネジメントの無能さを、部下の精神的な弱さにすり替えられ、「なかったこと」に置き換えられ、もみ消される。これがまだ、今でも日本で行われているのが実態です。

増える50代の自殺者数

 今、日本の特に50代の自殺者数が増えています。「助けて欲しい」この一言が言えない上司。職場では、部下の悩みは聞くとても優しい上司ですが、自分の悩みは、誰にも吐露できない上司が増えています。

もし、管理職の皆さんが、部下や同僚から助けを求められたら、仕事だから相談にはのるのかもしれませんが、一人の人間として「何か手伝えることないかな」そんな気持ちは湧き起こりませんか?

大袈裟かもしれませんが、目の前で、突然、心臓発作で苦しんでいる人がいても、あなたはその場から逃げますか? 

助けを求めても、自分の思うようにいかないこともあるでしょう。それが会社です。でも、部下にさんざん進めている相談窓口だって、ちゃんと上司である「あなた」の話を聞いてくれます。社内が恥ずかしいなら、社外でもいい。プロのカウンセラーでもいいのです。

管理職の皆さん、もう我慢するのはやめませんか? 

もっと、相談しませんか?

あなたが、本当に心の底から恥ずかしがらずに「助けて」を同僚や部下に伝えたときに、頼られた相手は、できる範囲でなんとか応えたいと思いますよ。信じてください。

我慢の限界までいくと、肉体と精神が病み、最後は自殺します。私の親戚にも、上司のパワハラで最後は癌になり、職場復帰できずに、先の見えない介護生活がはじまりました。生き地獄です。後悔していました。「勇気をもって会社を辞めればよかったと」

生活や給与、ポジションにしがみつくことで、かえってすべてを失うもの方が多かったと。生気を失った状態です。ご家族の悲痛の叫びが忘れられません。

相談することは恥ずかしいことではない

相談することは、恥ずかしいことではありません。その抱えている悩みに共感し、伴走してくれる、人には言えない悩みを吐露できる人がいる人生は最強です。会社の人間関係は、所詮、究極的には他人の集まりです。放置しておくと、内心、無関心です。

自分らしい人生を生きるためには、「相談する力」がますます、求められてきます。

人生100年時代、リスキリング、もうこういった言葉は聞き飽きました。ヘドがでます。

これから残りの人生をもっとラクに生きるためにも、そして、AI、AGIをはじめとして世の中が進化しても、やりがいや、生きがいのある人生を送るためには、是非、「相談する勇気」を身に付けて欲しいと切に願うばかりです。

読者のみなさんは、相談窓口活用していますか?

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
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ハラスメントの背景や構造について考えています。
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言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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#管理職
#人材育成
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その一言、もう通じていない ― 50代以上要注意!?新入社員が「#パワハラ」と勘違する!?上司の口癖あるある

謎のビジネス用語に苦しむ新入社員の実態

 今年も新入社員の皆さんは、4月、5月と緊張の新入社員研修の期間が続き、やっと緊張の研修期間が終わったと思いきや、配属先での仕事が本格的に始まります。

 地元から離れたり、実家から出て慣れない一人暮らしを始めたばかりで新しい生活スタイルとなる人も多いでしょう。夜遅くまで働いても、朝は時間通りに出勤しなければならない環境の変化に慣れず、意外と緊張で寝付けなかったり、早く起きたりする方もいるようです。

 現場に配属されれば、そこには、パソコンと必死に睨めっこしている一見怖い相の上司や、忙しく動き回わる先輩の姿。お客様からの電話が鳴り響き、会議や来客やリモート会議と忙しく働いている様子が否が応でも待ちうけています。

先輩や上司もそこは、新入社員の皆さんには手取り足取り教えてくれる!?のでしょうが、大きな声では言えませんが、新入社員の皆さんが先輩や上司には言えない、ある1年目の壁?とも言うべき戸惑いがあるのです。

それは、謎のベテラン社会人の普段使い(特に50代以上)のビジネス用語なのです。

その用語、新入社員に説明できますか?

このブログを読んでいる皆さん、すべて解答できますよね!?

さあ、一例をご紹介しましょう。

「あいみつ」

「えいやー」

「けたち」

「五十日」

「朝一、午後一」

「シャンシャン」

「蕎麦屋の出前」

「泣いてもらう」

「ニギリ」

「なるはや」

「直行直帰」

「サマる」

「ボールをもつ」

「前株後株」

「架電の件」

「いってこい」

皆さん、いかがでしたでしょうか。

まだまだ、挙げたらキリがありませんので、ここまでにしておきます。

毎年、講義の際に、新入社員研修でこれらの言葉を、アイスブレイク的に知ってもらうのですが、現場に突然放り込まれた新入社員が、会社によってはOJTもへったくりもない職場が意外にも多く、突然、取引先などから、上述の言葉を言われ、意味がさっぱり分からずに蒼ざめている新人が実際にいるのです。

新入社員はその用語をどう捉えているのか?

 4月の時点でこれらの言葉の意味を新入社員に講義中に聞いてみると、こんな珍解答が返ってきます。以下の回答は、過去の実際の新人研修でのコメントです。大変恐れ入りますが、ギャクではありません。むしろ、ほほ笑ましく思いながらも、捉え方の素晴らしい感性に着眼して、むしろ褒めたたえていただければ幸いです。

あいみつ

「あんみつ?」 ※ギャクではありません。真顔でした。

えいやー

「頑張ろう!」の掛け声的なやつ?

五十日

「五十日間の仕事の〆切のこと」

蕎麦屋の出前

「上司のランチの注文方法」

泣いてもらう

「怖いんだけど。『パワハラ!?』」

ニギリ 

「寿司屋にいったときの上ニギリみたいな感じ?」

いってこい

「上司から部下への「いってらっしゃい」の意味?」

いかがでしょうか。笑っている場合ではありません。新人の実態です。

 これが突然の配属で仮に取引先から電話で言われたものならば、ただでさえ電話対応は苦手な方が多い世代ですから、もしも、電話でこのような言葉を相手から使われた瞬間フリーズするのは目に見えています。

「こんなコトバ今どき使わないよ」こういったご指摘を受けますが、いやいや、地方に行けばまだまだありますし、50代、60代、70代の上司や、お客様などは立派な普段使いです。日本は意外に広いのです。色々な職場環境、取引先や人があり、地域によっては、これに方言が加わります。

一方、前株、後株もなぜこの「株式会社」の位置を間違えてはいけないのかを説明できても、なぜ、会社によって前後が異なるのかといった理由すら知らない先輩が沢山いることも事実です(笑)これもどうでもいいことですが。。。

「泣いてもらう」が「パワハラ」ならば、

「キミね、『五十日』もわかんないの?」

と鼻で笑ったら、それこそ新入社員からあなたに

「パワハラ」です!

と言ってくるかもしれません。

倍返しされない!?丁寧な対話をしよう

 昔から使われてきた言葉の面白さ、暖かさも個人的には好きですが、分からないから教えない、分からないから小バカにするといった態度は避けなければなりません。普段使いの先輩からすれば、一見しょーもないようなことでも、新人は実は苦しんでいるという実態を知っておくことで、少しは円滑な!?コミュニケーションもとれるかもしれません。

 反対に言えば、若手の普段使いのコトバを知らないことで皆さんが、仮に10年、20年後、いつの日か定年を迎え再雇用され、かつての部下だった新入社員が上司になる日がくるかもしれません。

「部長、そんなことも知らないんですか?」

と真顔で言われ、あなたに倍返しされる日がくるかもしれません。(これも、若手上司から、年上部下へのパワハラですから、あってはならない言動です)

今年の新入社員が早く職場に馴染んで、職場で活躍してくださることを切に期待しております。
 余計なことかもしれませんが、毎年、新入社員と出会うたびに皆さんが若く見えるのは、気のせいでも、老眼のせいでもなく、単に自分が確実に年を重ねていることを毎年、否が応でも実感させられるのです。

そんな私は、今日も「直行直帰」。

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藤山晴久
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#上司
#マネジメント
#パワハラ

分かっていても、やめない人がいる ― 「それでも、それでもセクハラしたい人」

アタマで分かっていても「言いたい」人たち

ESG経営、ダイバーシティとセクハラする人を一掃する追い風が強く吹いているようにも信じたいのですが、相も変わらず、特にベテラン社員の性差別的な意識がなかなか変わらない、現場のセクハラ事情について、ふと思ったことをお話します。

容姿のことに触れるのはセクハラと言われるのは研修で習って「アタマ」では分かってはいる。ある職場での出来事です。

「髪切った?キレイな髪だね」等その一言がセクハラになるリスクがあることもわかった。

でもいいたい人がいました。

ベテラン男性上司からの一言

元気!「最近、雰囲気変わったよね」ならいいんだっけ。

??「ならいいんだっけ」ってなんですか!?

自分でフォローすれば許される!?

これも同様にある方から聞いた話し。

久しぶりにリモートワークからのオフィスへ出社すると、

課長から、「2週間ぶり?今日はネイル綺麗だね~、マスクも可愛いね~」と言われ、

「今日のスカートは可愛いね、あ、でもそんなこと言ったらセクハラなんだよねー

不愉快だって思われちゃうんだよねー ごめんねー」

と高笑いしながら、その場を立ち去ったそうです。

一体、普段からこの人はどこを見ているんだろう、と

相手からすれば異常に気持ち悪い話です。

研修で容姿への発言はいけないことは習った。

言ってはいけない。でも、どうしても言いたい。

どうするか。

言った後に、自分でフォローすれば免れる、許されるだろうと

思っている新種のフォロー型セクハラ社員が出現しています。

不思議と、あちらこちらの方から同様のご相談をいただきます。

このように、手を変え、品を変え、「それでも言いたい人」がいるのです。

「そうですよねー! じゃぁ、間違っていないか、人事に行って答え合わせしておきますねー」

と返せる度胸があるならまだしも、多くの方は、何も言わずに黙っています。

「女性は、甘いものが好き」は本当か!?

こんな話もあります。

お土産を買ってきた部長さんが、

「女性だからさぁ、甘いのが好きだと思ってね、有名な栗羊羹を買ってきたよ」

「ありがとうございます。嬉しいです」

一見、普通の会話ですが、違和感を覚えます。

この話を教えてくれた方曰く、「私は甘いものより、芋焼酎なんだよ」

男性でも甘いもの好きは沢山います。

女性だから、甘いものが好き、このストレオタイプな発言も減らない一例です。

「男性だから〇〇、女性だから〇〇」発言はカタチを変えて、

様々な会話の場面でよく現れます。

昭和に沢山生息していた「君が男だったらな」という言葉で、

女性を褒める男性上司を思い出します。

「左手ききの気持ち、分かりますか?」

見方を変えるために、少し話題を変えましょう。

「ヒミツのひだりききクラブ」(文響社)の著者、キリ―ロバ・ナージャさん

の本は、この「性差」を考える上で非常に示唆に富む絵本なのです。

書籍から少しご紹介しながらお伝えします。

世界中にはひだりききの人がいます。

「あ、左ききなんだ」何度も言われたことがある人もいるでしょう。

言い返すのも面倒なくらい。でも、自分がなぜ左ききで生まれてきたのか、

なぜ、それが話のネタになるのか?そんなに特殊なことなのか?

私自身も左ききですが、何百回と言われたこの言葉。

小学生の頃、親に強制的に右利きぎにしようと鉛筆を持たされて、反発して

鉛筆を投げつけた、怒りの気持ちを今でも鮮明に記憶しています。

この本では、左利きはレアな存在なのかもしれないけれど、損もしない。

歴代の左利きは、右利きの世界の中で、自分らしいやり方であらゆる分野

で活躍してきました。例えば、宇宙飛行士の野口聡一さん、F1のアイルトン

・セナ、レディガガ、ヘレンケラー、その他有名な左利きが著書では紹介されています。

そして、この本の最後には、右利きの人へのメッセージがあります。

少しだけ引用します。

——————————————————–

その子は、これからもずっと左利き。

でも、右利きになりたいとは言いださないはずだ。

だから「キミのそんなところも好きだよ」って伝えて欲しい。

変わり者と言われて、寂しくなったとき。

左利きだから、何か自信をなくしたとき。

あなたの言葉がその子を元気づけてくれる。

なかよくしてね。

それがみんなにできること。

———————————————————

右利き、左利きは、多様性の問題を考える際に、

置き換えて考えたら、すべて同じことが言えると思います。

是非、利き手の問題と、「男性だから○○」「女性だから○○」

の場面と置き換えて読んでみてください。

「男は黙って座っていればいいから!?」

また、2022年のフォーブス誌4月号でも著者は、とてもユニーク

なことを話していました。

オフィスでのジェンダーバイアスを理解するために

「1日男女比入れ替え会議」私はときどき、女性ひとりだけの会議に

居合わせる。すると、つい女子代表という見方をされることが多い。

では逆に、女性のなかに男性ひとりという打ち合わせの日をつくってみたら

どうだろうか?

「男性ってこういうの、好きだよね?」「男子的にはどうなの?」

「男子要員として、ただ座っていればいいから」

と接してこられたら、男性が、日頃発する言葉や態度を見直す機会

になるかもしれないと述べていました。

出典「2022年フォーブス誌 引用」

一番はじめにご紹介した、どうしても「言いたい男性たち」には、

耐えられないことでしょう。

でも、本気で、あなたの職場にダイバーシティを浸透させたいなら、

本気で、あなたの職場からセクハラをなくしたいなら、

この無意識な発言をベテラン社員の言動から駆逐をするところから

始めないと、変わらない。

小さな性差別に気づかないベテラン社員の思考を変えないと、

組織にダイバーシティは浸透しない。

きっと上司は「そんなつもりはなかった」というでしょう。

きっと上司は「悪気はなかった」というでしょう。

何度も言います。

小さな言葉で、笑顔の裏で傷ついている人がいることを。

些細な言動で、笑顔の裏で我慢している人がいることを。

これは、左利きと言われて、悲しい気持ちになっている人と同じだと

私は思います。

どんなときも、同喜同悲の気持ちで寄り添える人が職場で多数派になりますように。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#管理職
#マネジメント
#ハラスメント

「100日間ビスコをコンビニで買い続けたらコンビニの店員さんにどのタイミングであだながつけられるのか?」を読んで職場のコミュニケーションに活かせないかなと、ふと思ったこと。

  ご存じの方も多いかと思いますが、2020年1月に、noteで大ヒットしました記事「100日間おなじ商品を買い続けることで、コンビニ店員からあだ名をつけられるか?ビスコをめぐるあたたかで小さな物語(光文社)として書籍化されましたので、改めて読みました。

ビスコを毎日同じコンビニで買い続ける実験

 著者の着想の面白い点は、毎日同じコンビニでおなじものを買っていると「店員さんにあだ名をつけられているのではないか」と不安になりませんか? という問題提起。それを実際に実験するこの著者は覚悟が違います。詳しくは本に譲りますが、実際に自宅から通える3軒のコンビニに毎日通って「ビスコだけ」を買ってレシートをもらい続けていたのです。(ただし、出張などは除く)
 はじめは顔を覚えられたときの羞恥心や、過剰な自意識を押さえて毎日通い続けていましたが、コンビニで変わる会話が

「店員とお客さんの関係で、売買契約をかわすために必要最低限の会話」から、

「人と人とのコミュニケーション」へと少しづつ変化していったのです。

少し、お客様の変化の過程を本書から引用します。

ビスコを買い続けたら、どんな変化があったのか?

—————————————————————————————–

14日目 「突然、あるコンビニの店員さんから『ビスコ、好きなんですか?』と聞いてきます」

42日目「『今日の服装はかわいいですね』と声をかけられる」

74日目「『最近きてないじゃないですか!』

96日目 

副店長「今日は私服なんですね」

著者「週末だから」

副店長「ちゃんと休めてます?」

著者「週に1回くらいかな」

副店長さんと親密度が一定のレベルに達した。

石の上にも3年、ビスコを買うの三ヵ月と著者。

116日目 「『お兄さんは1週間でビスコの人とあだ名はついています。でも心配していますよ。

毎日、ビスコばかりで栄養が偏らないのかな、おなか空かないのかな、とか』

100日目には、もうビスコを買いにこないことを告げると寂しいと店員から言われたとのこと。

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小さな幸福感が日々を豊かなものにする

お客様も店員も同じ人間です。でも機械やモノのように扱う人もいたと著者は言っていました。

著者の言葉で印象的だったのは、
「お店という場所によって引き合う私たちは連絡先も知らないおろか、名前も知りません。しかしそんな間柄だからこそ、無責任に明るく振舞うことができ、人を元気づけることができるのではないでしょうか?
  特に会話をかわさなくても、いつもの人がいつもの場にいるだけで、ささやかな喜びを感じたりするものです。そういう小さな幸福こそが日々を豊かにします」と。

職場の廊下やトイレですれ違っても、話したことがないあの人 

私たちが働く会社も、価値観も世代もの異なる他人同士が縁あって採用されて、同じ職場に集い、机を並べて同じ理念を共有して、労働契約を締結して、会社の目的を目指してチームをつくり汗水働きます。会社法の観点からみれば、会社という名のバーチャルな場に集い、何十年もそこで様々なドラマが繰り広げられるのです。

毎朝、同じ時間にエレベーターに乗り合わせる、隣の部署の名前は知らないけれど、顔だけは知っている人、違うフロアで降りる違う会社の人。ビルで働く清掃員や警備の人、食堂でご飯を盛ってくれるアルバイトの人、宅配便の人。

このように毎日すれ違うのですが、会話することはなく、コンビニに置き換えれば、名前も連絡先もお互いに知りませんが、毎日の光景と化しているのです。でもその当たり前の光景だからこそ、意外とお互いに安心できる場所にもなっているのかもしれません。

コンビニの店員とお客様も一見、客観的に見れば単なる光景に過ぎませんが、そこに、なにかがきっかけにコミュニケーションが生まれた瞬間に、当事者意識が芽生え、場が変わり、血が通う関係に変わるのです。

ある会社の研修で、毎日会社の廊下ですれ違う人、トイレでは合うけど話したことがない人を数えてもらったことがありました。結構いるんですよね。ましてや大きな会社であれば、社長の顔は入社式で一度見たきりで、知らないうちに退任していたなんてことも珍しくありません。

毎日の何気ない職場の光景に必要なこと

何気ない日常の光景に血を通わすこと、もっと、彩りを加えるために、これまで光景と化していた相手に、最初は会釈からはじめてみませんか?(ポイントはお互い気恥しいので自分から先にすること)そのうち、相手もつられて会釈するまで続けるといったことを研修でお願いしたことを思い出しました。別に、大げさな挨拶運動はしなくても構いません。初めは驚かれたり、不審がられたりするかもしれませんが、そのうち会釈や、挨拶を返してくれればしめたものです。大切なことは、最低100日続けることです。

千日回峰行(※比叡山で行われる悟りを開く天台宗の行)という発想もありますが、出来る方は千日!? 続けたら、恐らく立派な信頼関係が気づけているかもしれません。ただし、途中で相手が異動や退職をしているかもしれませんのでその点はご留意ください。

コミュニケーションは化学反応の実験の繰り返し

コミュニケーションは、大げさかもしれませんが、壮大かつ、日々のヒトと人との化学反応の実験の繰り返しなのでしょう。 例えば、指導とパワハラに悩んでいる人が、100日間、相手のいいところだけを認めフィードバックし続けたらどう認識されるか? 自分のノートに相手のいいところを100日間、書き貯めたら、どのタイミングで相手から「パワハラしない人」と認識されるのか?など、まるで夏休みの理科の宿題のように気楽に(ちなみに、私は朝顔の日記。当時は面倒だった)、みんなでやってみるのも面白いかもしれません。

ビスコの実験からお分かりにように他人でも100日かかりますから、ましてや同じ職場の同僚や、上司と部下の間で100日行ったら、恐らくですが、関係性は今よりもさらに強化するかもしれません。

注意して頂きたいのですが、あだ名をつけられることが目的ではないことを誤解しないで欲しいこと、

本当に相手が明らかにイヤそうな顔をしたり、拒否されたら、例え99日目であっても潔くスパッと途中でやめてください。あなたの意に反して、パワハラになる可能性も多いにありえます。

ビスコミュニーションしてみませんか?

リモートワークでただでさえ出勤日数が減っています。是非、出社したときくらいは、自分から声をかけることで、自分を取り巻く人との関係を改めて良いものにしていって欲しいなと思います。最近の若手の自殺の増加傾向や、中高年でさえも、リモートワークでの孤立感の高さの記事を読むたびに、このビスコのことを思い出すのです。

皆さんも、是非この本をお読みいただき、真面目に、ビスコならぬ、「ビスコミュニケーション」を初めてみませんか?

出典引用 光文社 「100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。」

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
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ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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#管理職
#マネジメント
#ハラスメント

「やってます」より、「見せられますか」 ― あなたの会社「セクハラ報告書公開できますか?

日経新聞の記事から興味深い記事がありました。

「米マイクロソフトが11月30日に開いた年次株主総会で、セクハラ対策に関する年次株主総会で、セクハラ対策に関する年次報告書の発行を求める株主提案が賛成多数で可決したとのこと。

安全な職場づくりのための指示を示すほか、セクハラの実態を調べて事例数を公表したり、対策の有効性を評価したりして毎年報告書に求める内容であり、特に役員がかかわる事案は詳細も好評の要請があるようです。

会社側は反対票を投じるように促していたようですが、マイクロソフトが11月30日に米証券取引委員会に提出した資料によると、約78%が賛成票を投じたとのこと。

ブラッドスミス社長は総会で「より多くのデータを社外に共有していく」と説明したようです。2021年6月期はセクハラに関して通期で51件の申し立てがあり、47%が立証されたとのことでした。

 日本の多くの会社では毎年、ハラスメントに関する社内アンケート調査を匿名で行い、数字の変動に一喜一憂しているのが本音です。マイクロソフトのように、特に上場している企業は思い切って報告書を対外的に公開してみてはいかがでしょうか?

一方で、12月経団連が12月7日に「職場のハラスメント防止に関するアンケート結果」が発表され、あいかわらず、コミュニケーション不足や世代のギャップを課題に感じており、あいさつ運動や、トップメッセージの大切さを具体的な対策としてあげています。本当にこれだけで有効だと思っているのでしょうね。被害者からすれば何を言っているのかと呆れてしまうかもしれません。どれも魂がこもっていないから、言い換えれば本気でないから、一時的な運動で終わってしまうのです。

あいさつ運動もいいのですが、あなたの会社ではやましいことがなければ、堂々とセクハラ報告を対外的にすればよいし、やましいことが社内で起きている会社が本気で自浄作用するきっかけになると思いませんか? 

とある会社では「俺が任期中は冗談でもこんなことは止めてくれ」こんなことを言うサラリーマン役員もいる日本企業の実態です。所詮、自分のことして考えていません。

アンケート結果をまとめ、役員に報告することが目的化している会社や、コンプライアンス部の恒例行事と化し、毎年の数字の変動に一喜一憂しても、効果的な事情作用にはならないことをやっていて本当に意味があるのでしょうか?

中途半端なやっているふりのハラスメント対策をしている時間と暇があったら、もっと大事なことがあるのではないでしょうか? 標語や川柳を作っている時間があったら、セクハラ報告書で世間に恥部をさらした方が改善の覚悟が高まり、とスピードが早いと思うのは私だけでしょうか?
就活生にとっても大事な情報源になることは間違いないでしょう。

ハラスメント対策のポイントは対応の予防の徹底とスピード感の対策と再発防止の厳罰化です。

世間に自社内の恥部をさられる勇気をもったら、本気にならざるおえないことを内心知っている、勇気をもって実行できるこの国の経営者は一体いつになったら現れるのでしょうか?

お手並み拝見です。

【2021年12月2日 日本経済新聞社 引用】

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
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