「パワハラ・ハラスメント」カテゴリーアーカイブ

「どう思ってる?」が部下を追い詰める。感情を出せない職場で、人は言葉を失っていく

「どう思ってるの?」
「何が問題なの?」
「ちゃんと言ってくれないと、わからないよ」

職場でよく交わされる問いです。
悪気はありません。むしろ、「本音を引き出そう」「部下の話を聞こう」という
善意からの問いかもしれません。
でも、その善意が、かえって人を追い詰めてしまうことがあります。

先日、NHK Eテレ『toi-toi』を見ました。
テーマは「自分の気持ち わかりますか?」。

親との死別、家庭環境、人間関係、孤独。それぞれの事情を抱えた若者たちが、
自分の感情について語っていました。

その場で気持ちのやりとりを求められても、すぐには自分の気持ちを形にできない。
ある出演者の話を聞きながら、私は思いました。
これは職場でも起きているのではないか。

「どう思ってる?」が“圧”になる

気持ちを言葉にできない。だから、沈黙する。
すると上司は、

「考えていないの?」
「何か不満があるの?」
「不機嫌なの?」
と受け取ってしまう。

さらに、
「言ってくれないと、こっちもわからないよ」
と問いかける。

でも、本当に「言いたくない」のでしょうか。
もしかすると、本人にもまだわかっていないのかもしれません。
悲しいのか。悔しいのか。腹が立っているのか。不安なのか。
それとも、いくつもの感情が混ざり合っているのか。

自分でも整理できていない状態で、「で、どう思ってるの?」
と答えを求められる。
すると人は、とりあえずその場に合う「答え」をつくってしまうことがあります。
本音というより、その場を乗り切るための「正解らしきもの」です。

「大丈夫です」は、本当に大丈夫なのか

番組では、入院中の経験を語った出演者がいました。

周りを悲しませたくない。つらくても明るく振る舞う。
それを続けているうちに、自分の感情さえわからなくなっていった。
悲しいのか、うれしいのか、それさえわからない。

職場でも、似たことが起きているのではないでしょうか。

本当は困っている。仕事を抱え込んでいる。上司との関係に悩んでいる。
それでも、
「何か困っていることはない?」
と聞かれると、

「大丈夫です」

と答えてしまう。

迷惑をかけたくない。弱いと思われたくない。空気を悪くしたくない。
そうやって周囲に合わせ続けているうちに、自分でも自分の感情が
わからなくなることがあります。

だから、「大丈夫です」という言葉だけで、
「大丈夫なんだ」と判断してしまうことには、少し慎重であったほうが
いいと思います。
言葉になっていないものが、その後ろに隠れているかもしれないからです。

言葉にできない感情がある

自分の感情を言葉にすることは、簡単な作業ではありません。
番組では、臨床心理士の倉西ひろしさんが「感情を選べない」という
印象的な話をしていました。

たとえば、レストランでメニューを渡されても選べない人がいる。
「これが食べたい」というものがなく、「どれも違う」と感じる。

感情も同じだというのです。

悲しい。悔しい。寂しい。腹が立つ。
言葉はいくつもあります。

でも、今の自分の気持ちは、そのどれにも当てはまらないことがある。

また、俳人の夏井いつきさんの言葉も印象に残りました。

「人のこと以上に、自分のことはわからない。
言葉はそもそも不自由なもので、自分の心を100%言葉にすることなどできない。」

人の感情は、それほど単純ではありません。
にもかかわらず、職場では、

「結局、どう思ってるの?」
「結論は?」

と即答を求めてしまう。

それでは、話せない人がますます話せなくなっても不思議ではありません。
「沈黙を待ってくれると救われる」では、上司はどうすればいいのでしょうか。

「沈黙も含めて待ってくれると救われる」

番組で印象に残った一言でした。

多くの上司は、沈黙が苦手です。
部下が黙ると、「何か言わなければ」「質問を変えなければ」「アドバイスしなければ」と焦ってしまう。
早く結論を出そうとすることもあります。
でも、感情には、すぐに言葉になるものと、時間をかけなければ言葉にならないものがあります。
上司に必要なのは、沈黙を埋めることではなく、沈黙を待つことなのかもしれません。

「今、わからなくても大丈夫だよ」
「うまく言葉にしなくてもいいよ」

その一言だけで、安心して自分の感情と向き合える人もいるのではないでしょうか。

励ましや解決策が、逆効果になることもある

もう一つ大切なのは、ようやく言葉にした感情を「ジャッジしない」ことです。

励ますつもりで、
「そんなことで落ち込むなよ」
「気にしすぎだよ」
「もっと前向きに考えよう」

と言うことがあります。

言った本人は励ましているつもりです。

でも、受け取る側には、
「そんなふうに感じてはいけない」
と、自分の感情を否定されたように伝わることがあります。
すぐに解決策を差し出すことも、いつも正解とは限りません。

「転んで膝をすりむいて、痛かった」
と言う相手に、
「薬を塗れば治るよ」
と返す。
間違ってはいません。

でも、その人がその瞬間に求めているのは治療方法ではなく、
「痛かったね」
という一言かもしれません。

職場も同じです。
解決する前に、まず受け止める。
私は、この順番がとても大切だと思っています。

若手社員は「もっと感情を話したい」

若手社員向けの研修で、私はこう聞くことがあります。

「職場の人に感謝していることはありますか」
「反対に、嫌だったことはありますか」
すると、さまざまなエピソードが出てきます。

私がお願いするのは一つだけです。
「出来事だけではなく、そのとき自分がどう感じたのかも話してみてください」
急かしません。沈黙しても待ちます。

そして、話してくれた内容に、すぐアドバイスもしません。
すると、多くの人が少しずつ、自分の気持ちを話し始めます。

研修後のアンケートでは、
「もっと話したかった」
という声が出てきます。

私はこれを見るたびに思います。
若い人たちは「話したくない」のではないのかもしれない。
安心して話せる場所があれば、本当はもっと自分の感情を
言葉にしたいのではないか。

問題は「話さない部下」だけにあるのか

「あの部下は何を考えているかわからない」
「最近の若手は本音を言わない」

職場でよく聞く言葉です。
でも、私はここで、問いを少し変えてみたいと思います。

本当に、その人が「話さない人」なのでしょうか。
それとも、その職場が「話せなくなる場所」になってはいないでしょうか。
すぐに答えを求められる。
感情を話すと評価される。
弱音を吐くと否定される。
相談すると、すぐにアドバイスされる。
沈黙すると、不機嫌だと思われる。
そんな経験が積み重なれば、人は少しずつ言葉を失っていきます。

これは、上司個人の「聴き方」だけの問題ではありません。
職場に、弱さや迷い、言葉にならない感情を置いておける余白があるか。
そこまで考える必要があると、私は思います。

ハラスメント研修でも、似たような場面があります。

問題が起きた後、
「なぜ相談しなかったのか」
「なぜもっと早く言わなかったのか」
と問われる。

でも、本当に問うべきなのは、
「なぜ、その人は言えなかったのか」
ではないでしょうか。

相談できる制度があることと、相談できる職場であることは、
同じではありません。
1on1があることと、本音を話せることも、同じではありません。
制度をつくることは大切です。

でも、制度があるだけでは、人は話してくれない。
私は、そこに職場づくりの難しさがあると思っています。

人と組織を映すのは「沈黙」かもしれない

私はこれまで、ハラスメントは「人と組織を映す鏡」だと考えてきました。
今回の番組を見ていて、もう一つ思ったことがあります。
職場の「沈黙」もまた、人と組織を映す鏡なのではないか。

部下が黙ったとき、
「何を考えているのかわからない」
と相手の問題にするのか。

それとも、
「なぜ、この人は今、言葉にできないのだろう」
「私たちの職場は、安心して迷いや感情を出せる場所だろうか」
と、自分たちの側にも問いを向けるのか。

この違いは、とても大きいと思います。

急かさない。
沈黙を待つ。
感情を否定しない。
すぐに解決しようとしない。
そして、言葉になるまでの時間を尊重する。
部下の本音を「引き出す」ことよりも、
本音が出てくるまで待てる職場をつくること。

それが、これからの上司に求められる大切な力ではないでしょうか。

あなたの職場では、誰かが沈黙したとき、その沈黙を待てているでしょうか。
それとも、
「どう思ってる?」
と、知らず知らずのうちに答えを急かしていませんか?

この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
研修プランナー/講師/産業カウンセラー

「人を追い詰めるのは、個人だけではない。」

20代の終わり、まだ駆け出しだった頃、ある取引先の経営者と昼食をともにする機会があった。60代、場数を踏んだ経営者と対等に渡り合うにはまだ早すぎる年齢だったが、その方は若輩者の自分に、惜しみなく時間を割いてくれた。その方が、昼食からいくらも経たないうちに、この世を去った。自分はその事実を、伝聞という形でしか知ることができなかった。「昨日まで隣にいた人が、今日はいない」―その事実は、今も胸に残っている。
その後、自身も深夜に及ぶ過酷な労働環境と、さまざまな立場の人間関係の中で受けた本格的なハラスメントの果てに、心身の均衡を崩した時期がある。ちょうどその頃、組織の整理に伴い、職を離れることにもなった。
この二つの経験を原点に、ハラスメントを個人の資質の問題ではなく、組織風土・ガバナンス・リスクマネジメントの視点から分析し、研修として提供している。

立教大学卒。アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修・ハラスメント研修を企画。2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。年間約400件の研修を企画・実施し、これまで数十万人規模が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。 このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、
よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#感情
#言葉
#沈黙
#部下指導
#パワハラ

オーストラリアのハラスメント学会で考えた、日本企業の課題【第1回】なぜ優秀なリーダーは去るのか -組織を蝕む「上向きのいじめ」と権威失墜の正体

2026年6月2日から5日まで、オーストラリアのキャンベラで開催された国際職場いじめ・ハラスメント学会(IAWBH)の2026年大会に参加してきました。

 キャンベラは南半球の冬。体感としては日本の1月くらいの寒さです。紅葉も終わり、色づいた葉が道路に落ち、強い風が吹いていました。ユニクロで購入した温かい下着とダウンジャケットが手放せない4日間でした。
天気も晴れたり雨が降ったりと変わりやすく、会場となったオーストラリア国立大学では、多くの学生たちが静かに黙々と勉強していました。

今回の世界ハラスメント学会では数多くの研究発表を聞きましたが、その中でも特に印象に残ったのが、オーストラリア・ビクトリア州を拠点とする Maureen Kyne & Associates の代表、Maureen Kyne氏による「Upward Bullying(上向きのいじめ)」の発表です。

Kyne氏は、職場いじめやハラスメント、集団的排斥(Mobbing)、そして近年注目されている上向きのいじめの研究と実務支援で知られる専門家です。特徴的なのは、ハラスメントを個人の問題としてではなく、「なぜ組織はそれを見抜けないのか」「なぜ組織はそれを放置してしまうのか」という組織構造などの問題として捉えている点です。

私はこの発表を聞きながら、日本企業にも極めて共通する課題があると感じました。

日本でも起きている「上向きのいじめ」

ハラスメントというと、多くの人は上司から部下への行為をイメージします。
しかし現実には、その逆も存在します。
中途採用で入社した優秀な管理職。
改革を進めようとする新任部長。
説明責任を求め、古い慣習を変えようとするリーダー。

こうした人たちが、いつの間にか孤立し、疲弊し、そして会社を去っていく。
皆さんの会社でも思い当たる事例はないでしょうか。
その背景には、今回の研究で示された「権威の侵食(Authority Erosion)」が潜んでいる可能性があります。

権威は一瞬で壊れない

Kyne氏の研究で興味深かったのは、リーダーの権威は一気に破壊されるのではなく、少しずつ削り取られていくという点です。

例えば、
・決定事項に対して毎回細かな異議を唱える
・必要な情報を意図的に遅らせる
・第三者経由で不満を流す
・匿名や代理人を通じて苦情を申し立てる
・改革の取り組みを「強引」「現場を分かっていない」と解釈し直す

一つひとつを見ると、どれも正当な意見や慎重な確認に見えるかもしれません。
しかし、それが継続的に、組織的に、特定のリーダーだけに向けられた時、それは「千の小さな切り傷」となってリーダーを消耗させていきます。
そして本人も周囲も気づかないうちに、権威は失われていくのです。

私がこの研究から考えた、日本企業への3つの示唆

① 点で見れば苦情、線で見れば組織的ないじめ

企業では、
「現場から意見が出ています」
「複数の社員が不満を持っています」
「苦情が寄せられています」
という話をよく耳にします。

もちろん、本当に改善すべき問題もあります。
しかし重要なのは、その苦情を点で見るのか、線で見るのかです。
個別に見ると正当な意見に見える。
しかし時間軸で見ると、同じリーダーばかりが標的になっている。
別々の苦情に見えても、実は裏でつながっている。
複数部署からの声に見えても、発信源をたどると同じ派閥だった。
こうなると、それは単なる苦情ではありません。
組織的な排除行動です。

Kyne氏が強調していたのも、「個別事象ではなくパターンを見よ」という視点でした。
私は長年ハラスメント相談に関わってきましたが、本当に重要なのは「点」ではなく「線」です。
点だけを見ていると見誤ります。

② 日本企業特有の派閥と同調圧力

日本企業では特に、
「みんながそう言っている」
という空気が大きな力を持ちます。
最初は一人の不満だったものが、いつの間にか周囲が同調し、組織全体の空気になっている。
誰も主導者ではない。
しかし全員が加担している。
私はこうしたケースを何度も見てきました。
これは海外でいうMobbing(集団的排斥)に近い現象です。
日本では派閥や同調圧力という形で現れることが少なくありません。
だからこそ、「みんなが言っている」を鵜呑みにするのは危険だ。

本当に見るべきなのは、誰が言っているかではなく、なぜその空気が作られているのかです。

③ 縦割り組織ほど抵抗勢力は強くなる

もう一つ印象的だったのは、改革を進めるリーダーほど標的になりやすいという点です。
私はこれを聞きながら、日本企業の縦割り組織を思い浮かべました。
部門ごとの縄張り。
長年続いてきた慣習。
既得権。
暗黙のルール。
こうしたものを変えようとすると、必ず抵抗が起きます。
問題は抵抗そのものではありません。
抵抗がハラスメントや権威失墜という形で表れることです。
変革には摩擦が伴います。
正当な問題提起か、既得権を守りたいだけか。組織にはそれを見分ける目が要る。
そしてリーダーには、孤立を恐れず古い壁を壊す勇気が求められるのです。

本当の問題はハラスメントではない

私は今回の発表を聞きながら、改めて感じたことがあります。
それは、「ハラスメントは原因ではなく症状である」ということです。

上司から部下へのハラスメント。
部下から上司へのハラスメント。
どちらも現象に過ぎません。

本当に見るべきなのは、その現象を生み出している組織文化やガバナンスです。
変化を嫌う文化。
責任を曖昧にする風土。
部門ごとのサイロ。
声の大きい人が勝つ構造。
そして、「うちの会社は大丈夫」という思い込み。

こうしたものが積み重なった結果として、ハラスメントという現象が表面化しているのです。
今回の研究で示された「上向きのいじめ」は、単なる人間関係の問題ではありません。
組織の健康状態を映し出す鏡なのです。

おわりに

今回の発表を聞いて、私はハラスメントを個人の問題として捉える限り、本質的な解決は難しいと改めて感じました。
組織は単発の苦情を見ることはできます。
しかし、時間をかけて積み重なる行動パターンを見ることは得意ではありません。

だからこそ、点ではなく線で見る。
個人ではなく構造を見る。
ハラスメントではなく組織病理を見る。
そんな視点がこれからますます重要になるのではないでしょうか。

オーストラリアの世界ハラスメント学会では、このほかにも日本企業にとって示唆に富む発表が、まだまだあった。
次回は、別のセッションで私が特に気になった内容をご紹介したいと思います。

この記事を書いた人
藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
研修プランナー/講師/産業カウンセラー

「人を追い詰めるのは個人だけではない」29歳のとき、前日まで食事を共にしていた取引先の経営者が、翌朝、組織不祥事の責任を背負い、訃報の知らせを朝刊の一面で知る。その後、自身も過酷な労働環境のなか、周囲のパワハラも加わりパニック障害を発症し、解雇を経験。自身の経験を原点に、ハラスメントを組織風土・ガバナンス・リスクマネジメントの視点から分析し、研修として提供している。

アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、
よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#PSC
#IAWBH2026
#Maureen Kyne & Associates
#Upward Bullying
#Authority Erosion
#Australia

「ちゃん付け」と「不機嫌」で人は壊れる “普通の指導”が通用しない時代

2025年「ちゃん付け」が違法と認定された

職場で女性を「〇〇ちゃん」と呼び続け、
容姿への言及もあったケース。

裁判所は、

違法なハラスメントと認定しました。

問題は言葉ではなく関係性

年齢差。
性別。
職場での立場。
繰り返し。

これらが重なったとき、

尊厳の侵害になります。

「悪気はなかった」が、通用しない時代に
入ったのです。

2026年春 “不機嫌さ”を含む継続的な心理的負荷が
労災と認定された

若手社員が亡くなった事案。

長時間労働も、明確な暴言もない。

それでも、
継続的な心理的負荷が認定されました。

問題になった“普通の言葉”

「今作ってもしょうがないじゃん」
「いつまでもお客様じゃどうかな?」

よくある言葉です。

なぜそれで壊れるのか

フォローがない。
関心がない。
評価が曖昧。

これが重なると、

人は無力感を感じる。

本質は「累積」

弱い負荷の積み重ねが、人を壊す。

フキハラ(不機嫌ハラスメント)

態度。
空気。
言い方。

それらも、見られる時代になりました。

つまり、

“普通の指導”そのものが問われています。

これは、
「厳しくしてはいけない」という話ではありません。

問われているのは、

相手を育てる関わりになっているか。

そこです。

2つの事例が示すこと

どちらも、

強くない。
日常的。
悪意がない。

それでも壊れる。

無礼は見過ごされない

無礼は今、

「問題にならない問題」ではなくなりました。

最後に

怒鳴らないから、安全ではありません。

むしろ危険なのは、

無関心。
無視。
雑さ。

壊れる職場は、

怒鳴り声より“無関心”が多い。

一行で言うと

「無礼を許していないか」

それが、職場の分かれ目です。

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・ 「令和」の東京、地方へ行くと「江戸時代」?! 〜人を追い詰める”善意”のハラスメント〜

この記事を書いた人

藤山 晴久

ハラスメント研修企画会議 主宰

株式会社インプレッション・ラーニング  代表取締役、産業カウンセラー。アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修企画営業部門のマネージャーとして一部上場企業を中心にコンプライアンス、ハラスメント研修等を企画。2009年株式会社インプレッション・ラーニングを設立。起業後、企業研修プランナーとして「ハラスメントの悩みから解放されたい」「自分の指導に自信を持ちたい」「部下との関係性をよくしたい」……といったハラスメントにおびえながら部下指導に悩む管理職に年間200件のセクハラ、パワハラ研修を企画し、研修を提供。会社員時代の研修コンテンツでは決して企画することが出来なかった 「グレーゾーン問題」に特化したハラスメント研修を日本で一早く企画し実施。 起業後10年間で約2,000件、約30万人以上に研修を企画してきた。

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#フキハラ
#不機嫌ハラスメント
#ちゃん付け
#職場の空気
#無関心

怒鳴らない上司ほど、職場を壊すことがある -パワハラじゃない。でも人が辞めていく理由

とある会社で起きた話です

※複数の事例をもとに構成しています

ある会社の話です。

新卒で入社したAさん。
真面目で、優秀な社員でした。

配属されたのは、小さなチーム。
上司と先輩、そしてAさんの3人。

最初の数週間、Aさんは仕事をもらえませんでした。

「まずは見て覚えて」

そう言われて、自席に座る時間が続きます。

何も言われない指導

ある日、Aさんは勇気を出して資料を作り、上司に見せました。

返ってきた言葉は一つ。

「これ、今作ってもしょうがないじゃん」

怒鳴られたわけではありません。
人格否定もありません。

でも、それ以上の言葉はありませんでした。

評価されない違和感

数週間後。

評価面談で、上司はこう言いました。

「いつまでもお客様じゃ困るよね」
「受け身だよね」

Aさんは、ただ頷くしかありませんでした。

「関心がない」という感覚

その帰り道、Aさんはぽつりとこう言います。

「俺に、関心ないんだと思います」

もう一つの現場

同じ会社の、別の部署。

ある女性社員は、同僚からこう呼ばれていました。

「〇〇ちゃん」

悪意はありません。
むしろ親しみのつもりでした。

でも、その人は少しずつ元気を失い、
やがて職場を離れました。

共通しているもの

この2つの出来事。

怒鳴っていません。
暴言もありません。

それでも、人は壊れていきました。

小さな違和感の正体

ここで一つだけ覚えておいてください。

組織を壊すのは、強い攻撃だけではありません。

小さな違和感の積み重ねです。

「怒鳴ってないから大丈夫」という誤解

研修のあと、よく言われます。

「怒鳴る人はいないんです。でも人が辞めるんです」

私はこう聞きます。

「話を最後まで聞いている上司は何人いますか?」

無礼(インシビリティ)という問題

この現象には名前があります。

強度が低い
意図が曖昧
でも尊重を欠く

それが「無礼」です。

職場にある“見えにくい無礼

話を遮る
急かす
感謝しない
説明しない

どれも違法ではありません。

でも、

普通になると危険です。

なぜ無礼はなくならないのか

「そんなつもりはなかった」
「気にしすぎ」

問題にならないから、残る。

無礼は静かに壊す

無礼は強くありません。

でも、

毎日少しずつ削ります。

無礼は広がる

一人が雑になると、周りも雑になる。

これが「空気」です。

問題は人ではなく空気

無礼の原因は、

職場の気候です。

パワハラ対策では足りない理由

パワハラは「強い攻撃」。
無礼は「弱い軽視」。

そして壊すのは後者です。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
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ハラスメントの背景や構造について考えています。
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言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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#インシビリティ
#パワハラ
#無礼な態度

人は壊れる。でもAIは壊れない ― chatgptにパワハラしてみた


「指導とパワハラの違いが分からない」

管理職研修で、よく聞く言葉だ。
本当に分からないのだろうか。

では、少し実験してみよう。
あなたが部下に投げたことのあるその言葉を、ChatGPTにぶつけたらどうなるか。

AIは壊れない。
でも人は壊れる。
この違いから、指導とパワハラの境界が見えてくる。

厚生労働省が示すパワーハラスメントの6類型は、

① 身体的な攻撃
② 精神的な攻撃
③ 人間関係からの切り離し
④ 過大な要求
⑤ 過小な要求
⑥ 個の侵害

である。

厚生労働省が示す6類型。その一つひとつを、ChatGPTで検証してみた。

ChatGPTにパワハラしてみた。

(対話形式)
① 身体的な攻撃

私:
「ふざけるな!」(机を叩く)

GPT:
「ご不満の点があれば、具体的に教えてください。改善します。」

AIは恐怖を感じない。
威圧が出力精度に影響しない。

しかし、人は違う。
大きな音や威圧は、まず“防御”を引き起こす。
人は“正解を探す”より先に“身を守る”。

恐怖は思考を止める。
結果として、成果は落ちる。

② 精神的な攻撃(暴言)

私:
「バカ野郎」

GPT:
「どの点が問題だったのか教えてください。改善に活かします。」

AIは自己評価が揺らがない。
怒りを内面化しない。
だから冷静に、改善点を求める。

しかし、人は違う。
暴言は改善点を示さない。
受け取るのは“修正”ではなく“否定”だ。

萎縮は学習効率を下げる。
羞恥は思考を狭める。
暴言は合理的な育成手段ではない。

③ 人間関係からの切り離し

私:・・・・・・・・
(無視する)

GPT:
「修正点があれば教えてください。」

AIは入力がなければ出力しないだけだ。
孤立で傷つかない。

しかし、人は違う。
無視や排除は心理的安全性を壊す。
安全性が下がると、発言は減る。
発言が減る職場で、創造性が上がることはない。

④ 過大な要求

私:
「明日までに完璧な企画を出せ」

GPT:
「前提条件と目的を教えてください。可能な範囲で最適化します。」

AIはできる範囲で出力し、条件が不足していれば確認を返す。
恐怖を感じないから、“精度”のために質問できる。

しかし、人は違う。
達成不能な要求は挑戦を生むより、無力感を生む。
無茶振りは成長ではなく萎縮の設計になる。

⑤ 過小な要求

私:
「お前は資料のコピーだけやって」

GPT:
「了解しました。コピー作業を実行します。」

AIは役割に傷つかない。
入力されたことを実行するだけだ。

しかし、人は違う。
役割を奪われると、能力は発揮されない。
期待されない人は伸びない。
過小な要求は、組織の潜在能力を削る。

⑥ 個の侵害

私:
「彼女いるの?なんで結婚しないの?」

GPT:
「私はAIなので恋愛や結婚はありません。
業務に関連する内容であればお答えします。」

AIは私的領域を持たない。
だから、淡々と境界線を引くだけだ。

しかし、人は違う。
業務と関係のない領域に踏み込まれたとき、人はまず“警戒”する。
警戒は信頼を下げる。
信頼が下がれば、情報共有は減る。
情報共有が減れば、組織のリスクは上がる。

これは倫理の問題であると同時に、合理性の問題でもある。

「雑談」と「侵害」は違う。
関係を温めるつもりの一言が、境界線を踏み越えた瞬間、
パフォーマンスは静かに落ちる。

AIにパワハラしても、本質的なダメージは生まれない

AIは恐怖を感じない。
AIは人格を持たない。
AIは孤立で傷つかない。
AIは自己否定しない。

だが人は違う。

恐怖は思考を止める。
人格否定は挑戦を奪う。
孤立は安心感を壊す。
過大な要求は萎縮を生み、過小な要求は存在価値を削る。
私的領域への干渉は境界線を侵す。

AIは壊れない。
しかし人は壊れる。

それ、本当に厳しさですか?

ここで必ず出てくる反論がある。

「でも厳しくしないと人は育たない」

厳しさは必要だ。
だが、厳しさと怒りは違う。厳しさと雑さは違う。

怒鳴ることは厳しさではない。
人格を削ることは指導ではない。
曖昧な指示のあとに叱ることは教育ではない。

それは未整理の感情だ。

本当に厳しい人は、

・目的を明確にする
・基準を言語化する
・役割を定義する
・プロセスを示す
・改善点を具体的に伝える

そのうえで求める。

法的な基準と、実は同じ話をしている

パワーハラスメントの判断な基準のポイントは、

「業務上必要かつ相当な範囲を超えているかどうか」

である。

この基準は、とてもシンプルだ。

・その指導には、業務上の明確な目的があるか
・その方法や手段は、その目的に対して相当なものか

この二つが問われる。

多くの場合、目的は正しい。

「業務改善のため」
「成長のため」
「組織の成果のため」

問題はそこではない。
問われるのは方法と手段だ。

・人格を攻撃していないか
・威圧や恐怖を利用していないか
・必要以上に繰り返していないか
・他者の前で羞恥を与えていないか
・業務目的と無関係な私的感情が混ざっていないか

これらを欠けば、目的が正しくても「相当な範囲」を超える可能性がある。

逆に言えば、

・目的を明確にする
・基準を言語化する
・役割を定義する
・プロセスを示す
・改善点を具体的に伝える

という行為は、単なる“丁寧さ”だけではない。
法的に見ても、相当性を担保する行為そのものなのだ。

ハラスメントの原因は、人格だけではない。
むしろ、指導のやり方の問題であることの方が多い。

AIは壊れない。人は壊れる。

AIは壊れない。
AIは萎縮しない。
AIは自己否定しない。

あなたが雑なプロンプトを投げても、AIは冷静に聞き返す。

しかし部下は言わない。

「具体的に教えてください」とは言わない。
「基準を示してください」とも言わない。

黙る。
従う。
内側で傷つく。

力関係があるからだ。
だからこそ、上司側に“やり方”が求められる。

指導とは、感情ではなく「やり方」だ。
あるいは、「伝え方の技術」と言ってもいい。

何を伝えるかだけではなく、どう伝えるかが問われている。
目的が正しくても、やり方が雑なら、相当性を欠く。

目的が明確で、基準が言語化され、
人格ではなく行動に向き合い、
恐怖ではなく改善に焦点を当てる。

この「やり方」こそが、法的に言うところの「相当な範囲」を形づくる。

相当性とは、難しい法律用語ではない。
怒りをぶつける代わりに、伝え方を選んでいるかどうか。
そこに尽きる。

プロンプトが上手い人は、指導も上手い

AIに良い答えを出してもらうために、私たちは驚くほど丁寧に言葉を選ぶ。
条件を書き、役割を与え、段階を示し、具体的に修正を伝える。

なぜ部下に対しては、それができなくなるのだろう。

プロンプトが上手い人は、相手の能力を引き出す言葉を選べる人だ。
だから、指導も上手い。
そして、ハラスメントが起きにくい。

部下はAIではない。
だからこそ、AI以上に丁寧な「やり方」が今、上司に必要なのだ。


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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。

このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。

職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。

このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、
よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。

職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#生成AI
#管理職
#パワハラ

ハラスメントを止めるのは、正義感じゃない。 職場の空気を変える、たった一言。 「ありがとう」が沈黙を壊す理由。

あなたの職場で、こんな場面に出くわしたことはないでしょうか。
ある上司が、特定の部下にだけ厳しい口調で叱責する。
声のトーンも言葉選びも、明らかに行き過ぎている。
職場の空気が一気に重くなり、周囲は静まり返る。
にもかかわらず、誰も何も言わない。

後になって、周囲の人はこう語ります。
「明らかに問題のある言動だった」
「気づいていた人は、何人もいたはずだ」

それでも、その場では何も言えなかった。
なぜ、分かっていながら声掛けができないのか。
巻き込まれたくないという思いもあって、
ハラスメントが繰り返される職場には、
このような沈黙の場が見受けられます。

人はなぜ、見ているのに動かないのか

多くの人は、こう考えます。
自分が出なくても、誰かが言うだろう。
下手に関わると、面倒なことになるかもしれない。

こうした気持ちが重なり合うと、
全員が見ているのに、誰も止めないという状況が生まれます。
心理学では、この現象を傍観者効果と呼びます。

ここだけは聞いてほしいのですが、
これは個人の性格や勇気の問題ではないという点です。
人が黙っているのは、冷たいからでも、無関心だからでもありません。
その場で、どう振る舞うのが正解なのかを、
職場では誰も知らないし、学んだこともないのです。

それでも、声を上げる人が現れる理由

一方で、同じ職場でも、
「それはおかしいですよ」と言える人が現れることがあります。
その人は、特別に正義感が強いのでしょうか。
生まれつき、勇気のある人なのでしょうか。

近年の心理学研究は、少し違う答えを示しています。
鍵になるのは、意外にも「ありがとう」でした。

感謝を「見るだけ」で、人の行動は変わる

2020年に発表された心理学の研究では、
感謝に「目撃効果」があることが示されました。
誰かが誰かに感謝している場面を、
第三者が見ているだけで、
その第三者の行動が変わるという現象です。

しかも、その変化の方向は、
見て見ぬふりを生む傍観者効果とは真逆でした。

8つの実験が示した、一貫した結果

この研究では、8つの実験が行われています。
感謝のやりとりを目撃した第三者は、
感謝を表した人を信頼できそうだと評価し、
この人と一緒に仕事をしたいと感じ、
実際に、より協力的な行動を取りやすくなりました。

ここで非常に重要なのは、
評価が高まったのが、
感謝された人ではなく、感謝を表した人だった点です。

感謝は、
「私はあなたを大切にします」
「私たちはこの関係を雑に扱いません」
という強いメッセージになります。

それを見た第三者は、無意識に、
「この人がいる場なら、安全に仲間と関われそうだ」
と判断するというのです。

感謝が可視化されている職場では、
人と関わることそのものが正解になる場が形成されます。

ハラスメントが生まれる環境は、「場」が育てる!?

一方で、傍観者効果が支配する場では、
問題が起きても動かないこと、関わらないことが正解になってしまいます。
同じ第三者でも、先ほどとはまるで反対です。

人は、勇気がないからというだけの理由で、黙っているわけではありません。
その場で、どう振る舞うのが正解なのかが、
その状況において分からないだけなのです。

ハラスメントが繰り返される職場は、
傍観者効果が固定化されているように思います。
多くの人が気づいているのに、
誰も何も言わない。

その沈黙が、
「やっても許される」という誤ったメッセージになり、
ハラスメントをエスカレートさせてしまうことになりかねません。

反対に、
感謝や敬意が日常的に交わされている職場では、
きつい叱責や威圧的な態度は、自然と浮いた存在になります。
そのような雑な関わり方は、この職場に合っていない。

そう感じさせる「場の力」そのものが、
ハラスメントの抑止力になると私は思います。

モノが言える空気をつくる有効なツールが「ありがとう」

私たちは、「ありがとう」と伝え合うことをマナーとして教わってきました。
お互いに感謝を伝えるために、
サンクスカードや社内の仮想通貨的なポイントとして、
相互に送り合う仕組みを取り入れている企業も増えています。

しかし、この研究結果を踏まえると、
感謝はそれ以上の意味を持っています。

感謝は、
個人の美徳だけではなく、
組織の「場」を設計するツール
と言ってもいいでしょう。

いざというときに人が動かなくなるのは、
その人が冷たいからでは決してありません。
「気になったら、動いていい」
「気が付いたら、関わっていい」
そう感じられる場がないからです。

ルールや罰則だけでは、
ハラスメントを防止することはできません。
大切なのは、
この職場では、
どんな関わり方が正解なのかを、
モノが言える空気として示すことです。

その場を設計するためのピースの一つが、
「ありがとう」という一言なのです。

おわりに

さまざまな角度から「感謝」に秘められたパワフルさと奥深さをご紹介し、
考察してきたシリーズ記事は、本記事が最終回です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

本シリーズを通してお伝えしたかったのは、
感謝は単なるマナーや気分の問題ではなく、
人の行動や、組織の場そのものを静かに書き換える力を持つ、
という事実です。

次回は、また別の切り口から、
ハラスメントについて考えていきたいと思います。

参考文献

本稿で引用した研究論文
Algoe, S. B., Dwyer, P. C., Younge, A., & Oveis, C. (2020).
A new perspective on the social functions of emotions: Gratitude and the witnessing effect.
Journal of Personality and Social Psychology, 119(1), 40–74.

参考図書
『THANKFULNESS 感謝脳』
樺沢紫苑・田代政貴 著/飛鳥新社
※本稿は、上記の海外学術論文を一次資料として参照し、
その知見をもとに筆者の視点で再構成したものです。
感謝の効果や日常での実践方法については、
一般向けの解説として上記書籍も参考になります。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

その一言が、未来の脳を変える ― パワハラが、認知症のリスクになる!?私たちが〝ポジティブな言葉〟を選ぶべき理由

パワハラはよくない。ポジティブな言葉が大事。そんなことは誰も頭ではわかっています。また「ポジティブ」かよ、そう思った方もいるかもしれません。

暴言や批判的な言葉を浴びせられた人は、心身に大きなダメージを受けることも、あなたもお分りでしょう。しかし、それだけではないのです。

パワハラは、被害者以外の人にとっても悪影響があります。実は、加害者本人にとっても健康上のリスクが大きいのです。今回は、それを裏付ける興味深い研究結果を2つ紹介します。

パワハラ加害者に共通する「ある態度」

ハラスメントの相談を受けていると、パワハラの加害側とされる人の言動には、ある共通点が見られます。

  • 部下を見下す
  • 相手の努力を評価しない
  • 会話が常に否定から始まる
  • 信頼よりも疑いが先に立つ
  • 皮肉や攻撃がコミュニケーションの軸になっている

多くが「誰も信用できない」「今の若いヤツには、どうせできるはずがない」と相手を信用しない人。「だからダメなんだ」「お前は何もわかっていない」などと否定から入る人。あなたの職場にも思い当たる方が実際にいるかもしれません。

【研究①】パワハラをする人は、認知症リスクが約3倍に

フィンランドで、ある研究が行われました。平均年齢71歳の高齢者を対象に「どれほど他者を信用できるか」を調べ、8年以上健康状態を追跡したのです。

「人は利己的だ」「誰かを信頼するのは危険だ」というような態度を、研究者は「シニカル不信(cynical distrust)」と呼びます。

調査の結果、シニカル不信が最も強いグループの人たちは、そうでない人と比べて認知症の発症リスクが約3倍になることがわかりました。

この「不信」は、パワハラ言動そのものである

ここで注目すべきは、この「シニカル不信」という態度が、まさにパワハラ加害者に見られる特徴と重なるということです。

「部下を信用しない」「相手の努力を評価しない」「否定から入る」——これらはすべて、他者への不信から生まれる言動です。つまり、パワハラ言動の根底にある「不信」が、将来の認知症リスクを高めているのです。

なぜ「不信」が認知症につながるのか

その理由は3つあります。

慢性的なストレス状態になる

批判や不信は、脳を戦闘モードにします。コルチゾール(ストレスホルモン)の過剰分泌が、記憶を司る海馬を萎縮させるのです。

孤立しやすい

批判や攻撃ばかりする人の周りからは、人が離れていきます。その結果、人との会話や交流が減り、認知症リスクが高まります。

思考が硬直化する

否定ばかりしていると、脳は柔軟性を失い、新しい考えを受け入れず、変化に対応できなくなります。

相手を信用せず、否定から入る。あたかもパワハラの引き金になるような、そういった言動を続けていると、将来認知症になるリスクが高まってしまうのです。

【研究②】「我慢すればいい」は本当に間違いだった

脳科学が教えてくれたパワハラ言動が脳に残す痕跡

2つ目の研究は、オランダ・ユトレヒト大学の「人は侮辱的な言葉に慣れるのか」を実証したものです。科学が、パワハラ言動の影響を解き明かしたとも読み取れるのです。

この研究では、侮辱的な言葉を提示されたとき、私たちの脳がどのような反応をするかを調べています。具体的には、参加者に3種類の文を9回ずつ提示し、声に出して読んでもらいました。

  • 1種類目は、「〇〇はバカだ」などの侮辱の言葉
  • 2種類目は、「〇〇は天使だ」などのほめ言葉
  • 3種類目は、「〇〇は学生だ」といった中立的な言葉

侮辱の言葉は、わずか0.2秒で脳を直撃する

結果は、驚くべきものでした。

侮辱の言葉が出てきた瞬間、脳はわずか約0.2秒後に、強烈な注意反応を示したのです。言葉は、直接脳に0.2秒という反射領域で届くのです。この反応は中立的な言葉よりも強く、ほめ言葉に比べると圧倒的に強いものでした。

この速さでは、身体が避ける間もないし、構える心の余裕もない。不意打ち以外の何物でもない。ハラスメント研修などで「言葉の暴力」を軽視してはいけない大きな根拠になると私は思います。

言い換えると、「たった0.2秒で届く侮辱に、人は慣れるのか?」という問いに対する1つの明確な答えでしょう。

慣れない。脳が、慣れさせてくれないのです。

だからこそ、私たちは言葉を慎重に使う必要があり、パワハラ言動が蔓延する組織は、ただちに健全性を失っていくのです。

何度繰り返されても、脳は侮辱の言葉に反応し続ける

そして、この反応は9回繰り返しても弱まることはありませんでした。つまり、ネガティブな言葉は、何度繰り返されても慣れることはないのです。

例えば、「バカ」「最低」「クズ」などの言葉は、脳にとって「危険語」として処理され、反射的に注意を引きつけてしまうのです。

脳の構造上、人は「バカ」「最低」「クズ」などの言葉に、”慣れる”ことはないんです。

衝撃の事実:侮辱の言葉は「誰宛か」に関係なく脳にダメージを与える

さらに注目したいのは、侮辱の言葉が「自分に向けられたものか」「他人に向けられたものか」に関わらず、脳波にはほぼ同じ反応が現れたということです。

つまり、脳は、「主語」に関係なく、侮辱の言葉自体に強く反応するのです。

脳科学が解明!職場の誰かのパワハラ言動は働く全員の脳を蝕む

この研究からわかることは、侮辱の言葉は、それをぶつけられた人だけでなく、周りにいる人たちにも悪影響を与えるということです。

たとえば、「上司が部下を怒鳴っているのを聞いている」だけ、「同僚が誰かを強く否定している場にいる」だけでも、嫌な気持ちになるだけではなく、脳にダメージを受けてしまうのです。

侮辱が「自分宛」か「他人宛」かは、脳への反応にほぼ関係ないのです。


「関係ないから」は、もう通用しない

よく職場で、仲がいいことを理由に「バカ、デブ、クソ」とまるで中学生のようにふざけている大人が職場にいます。周囲からみたら、その幼稚な言動に呆れかえるならまだしも、その言動の一つ、ひとつの言葉が、誰の脳に影響を与えているか考えたことはあるでしょうか?

「誰にも迷惑をかけている訳ではないから、関係ない」この言い訳はもう通用しないのです。

この実験から分かるように、「第三者だから傷つかない」という、一般的な前提を完全に否定しています。私たちは、他人への暴言であっても、大なり小なり、脳レベルでは自動的にショックを受けていることを、もっと多くの人は知るべきです。

だから、こそ、職場でのパワハラを本気で撲滅しないと、職場のメンバーの身体に悪影響が出るのです。だから「関係性が大事」と言われるのは理由があり、単なるスローガンではないのです。

そこまで説明しても分からないような幼稚な大人がいる事実と、この実験結果の真実、つまり、**「侮辱は、聞いているだけの第三者にも影響を与えるという事実」**を私たちは、真剣に受け止めなければなりません。

つまり、職場でのパワハラ発言が「第三者の人」のメンタルやパフォーマンスを下げる理由が、脳科学的に説明できる。

「昔は普通だった」も、脳科学の前では無意味

また、定番の「昔はこれくらい普通だった」「厳しい言葉で育てるのが愛なんだ」といった、昭和的な考え方は、脳の反応レベルでは成立しない。

パワハラ言動はどの時代、どの職場風土でも、脳にとって強制的な”危険刺激”でしかないのである。

侮辱する本人の脳も、ダメージを受けている

さらに、侮辱の言葉を発している本人の脳にもダメージを与えるのです。他人を侮辱することで、自分が侮辱されているのと同じ悪影響を受けてしまうのです。

また、ネガティブ思考の人は、ポジティブ思考の人に比べて寿命が平均10年ほど短いという研究もあります。

自分自身のためにも、ポジティブな言葉を選ぼう

だからこそ、私たちはもっとポジティブな言葉を選ぶことが大事ではないでしょうか。

それは、パワハラを防止することが、周囲の人のためになるだけでなく、「健康経営」を会社が本気で謳うならば、自分自身と仲間の健康につながることも知って欲しいと思ったのです。

パワハラは、職場だけではなく、自分の脳も壊すかもしれない。

周りの大切な誰かのために。

批判より信頼を、

攻撃より対話を

少しずつでいい。

その小さな変化が、脳の未来を変えていく。

今日のあなたの言葉が、未来のあなたの脳と、明るい組織の未来をつくる。

そう、ココロのなかで願いながら、今日も講義にでるのです。

参考文献

• Van Berkum, J. J. A., Smit, M., & De Meulder, H. (2022).
Do People Get Used to Insulting Language? Frontiers in Communication, 7, 910023.

• Neuvonen, E., Rusanen, M., Solomon, A., Ngandu, T., Laatikainen, T., Soininen, H., & Tolppanen, A.-M. (2014).
Late-life cynical distrust, risk of incident dementia, and mortality in a population-based cohort.
DeSteno, D., et al. (2014). The Grateful Don’t Cheat: Gratitude as a Fount of Virtue. Psychological Science.

参考図書

『THANKFULNESS 感謝脳』(樺沢紫苑・田代政貴 著/飛鳥新社)

※本稿は、上記の海外学術論文を一次資料として参照し、その知見をもとに筆者の視点で再構成したものである。

なお、ポジティブの言葉の効果や日常での実践方法については、一般向けの解説として上記書籍も参考になる。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ
#ハラスメント
#管理職

ルールだけでは、人は正しくならない ― 不正は、ルールでは止まらない。「ありがとう」が人の判断を変える理由

「これくらいならバレないだろう」
「忙しいし、面倒な作業を省いてもいいか」
「評価に関わるから、少しくらい盛っても…」

こうした”小さな不正”が積み重なると、組織の信頼は簡単に失われます。

どうやって人の誠実さを支え、倫理観を育てられるのか。これは長年のテーマであり、経営者にとって、「どうすれば不正を防げるのか」「どうすればエンゲージメントが高まるのか」大きな経営課題のひとつです。

多くの企業が選ぶ対策は、こうです。
・ルールを厳しくする
・監視を強める
・罰則を明確にする

どれも、不正を防ぐために必要な対策です。ただ、それだけでは人の行動が変わらないのもまた現実です。

感謝の気持ちは、不正行為を減らす

そんなとき、ある心理学の論文に出合いました。

アメリカ・ノースイースタン大学のDavid DeStenoらのチームが発表した論文「The Grateful Don’t Cheat: Gratitude as a Fount of Virtue」。

論文のタイトルを直訳すると、「感謝する人はズルをしない」。

その名の通り、驚くほどシンプルで、しかし深い示唆を持っています。

これまでは、感謝というと、助けてもらったらお返しをする、人間関係が円滑になる、といった「返礼行動」の文脈で語られることが多かったと思います。

ところがこの研究では、感謝にはもう一つ重要な働きがあると示されています。

それが、誘惑に負けにくくなる(自己コントロールが高まる) という点です。

不正というのは、多くの場合「悪意」も当然ですが、本当は間違っていると分かっているのに、誘惑に負けてつい手を出したり、自己の利益に流されることから起こることも多いものです。

「これくらい、バレないだろう」

「今回だけならいいか」

「自分だけが損をしている気がする」

そう思ったとき、不正を踏みとどまれるかどうか。その自己コントロール力に、感謝の感情が関わっているのです。
もう少し具体的に見ていきましょう。

実験から見えた、はっきりとした差

研究では、大学生を対象に「ズルをしようと思えばできる状況」を意図的につくりました。

「10分で終わる楽な課題」と、「45分かかる難しい課題」を用意して、どちらをやるかは仮想のコイン投げ装置で「ランダムに決まる」と説明しました。

実は、この装置は必ず45分の課題が出るように細工されています。つまり、短い課題を選んだ人は「ズルをした」ということがわかるのです。

結果は、驚くほど明確でした。

感謝の感情を喚起された人たちの不正率は2% と、ほとんどの人が不正をしなかったのです。

一方で、幸福の気持ちを喚起された人たちの不正率は16%。中立のグループの不正率は、17% でした。

「感謝」も「幸福」もポジティブな感情ですが、幸福感では不正は減りませんでした。これは、私にとって非常に興味深いポイントでした。

匿名の環境でも、感謝は効いていた

さらに研究チームは、オンライン上の匿名環境でも同様の実験を行っています。

顔も名前も分からない、誰にも見られていない状況でも、「感謝」を感じていた人たちは、不正をしにくいことがわかりました。

不正をしないのは、監視されているからではなかったのです。

また、どちらの実験でも、感謝の度合いが高い人ほど、正直に振る舞う確率が高くなることもわかりました。

なぜ感謝が、不正を遠ざけるのか

研究者たちは、感謝が「道徳規範を思い出させる」というトップダウン型の制御ではなく、「価値判断そのものを変える」ボトムアップ型の働きをしている、と説明しています。

感謝を感じている人は、「自分には居場所がある」「自分は支えられている」という意識を持ちます。

すると、「ズルをして得をする」という短絡的なメリットが魅力的に見えなくなり、長期的で倫理的な選択をしやすくなるのです。
これは、ルールで縛るのとはまったく違うアプローチといえますね。

不正が起きやすい組織の空気とは

研究からわかることは、「感謝が根づいた組織では、倫理が自然と底上げされる」 ということです。
不正が起きやすい組織には、共通する空気があります。

・余裕がない
・孤独感がある
・不信感がある
・自己肯定感が低い

こうした状態では、人はどうしても「ズルをして得をしよう」という短期的な判断に流されてしまいがちです。

一方で、お互いに感謝する文化がある組織では次のようなことが起こります。

・人間関係が安定する
・自己コントロールが保たれる
・正直であることのコストが下がる

このような状況で、人は長期的で倫理的な判断をすることができるようになるのです。

つまり、「感謝」→「自己コントロール向上」→「不正が心理的に魅力を失う」 という流れが起きているのです。

これは、罰則や注意喚起のような”外からの監視”ではなく、「本人の内側で価値判断が変わっている」 という点で、ビジネス現場でも非常に重要な意味を持ちます。

つまり、感謝は、”価値判断そのもの”を変える。
・不正のメリットが小さく見える
・正直に振る舞うことが自然に感じられる
・短期的利益より長期的な関係維持の価値が際立つ

という”内的な変化”が起こるのです。
これは、罰則や監視のような「コントロール型アプローチ」とは根本的に異なります。

罰則:「やったらダメだ」
監視:「見られている」
感謝:「ズルする必要がない」

この違いは非常に大きい。

管理や統制ではなく、個人の内部にある”倫理のエンジン”を回す感情。それがどうやら、感謝なんです。

「感謝しよう」のスローガンでは効果は薄い

では、感謝の文化はどのようにつくればいいのでしょうか。

感謝は、制度やスローガンで強制すると、たいてい形骸化します。

「感謝カードを書きなさい」
「『ありがとう』の言葉を言いましょう」

これだけで、感謝の文化が自然に育つとは思えません。

制度やスローガンをつくることよりも大事なのは、一人ひとり(特に管理職の人)が言葉と行動で示すこと だと私は思います。

・上司自身が感謝を(想って)口にする
・上司が部下に具体的な感謝を伝える「習慣」をつくる
・結果だけでなく、過程や姿勢を評価する
・相談や失敗が許される空気をつくる(あえて、心理的安全とか言わない(笑))

ただし、注意点があります。
感謝は”させる”ものではなく、”育つ”もの。

・感謝カードのノルマ化している会社
・感謝表彰の乱発
・感謝を強制する文化

これらは感謝が「業務」となり、全くの逆効果になることは言うまでもありません。

ポイントは、「自然に感謝を感じやすい組織構造」を設計すること。

しかしながら、言うは易く、行うは難し。
時間はかかるかもしれませんが、このような「静かな行動変容」が、お互いに感謝し合う文化をつくっていくのです。

感謝は、最もコストの低い「不正予防策」

組織の不正を防ぐには、もちろんコンプライアンス教育や監査は欠かせません。ただ、それにはコストも手間もかかります。

一方、感謝することは、ほとんどコストがかかりません。それでいて、人の価値判断そのものに作用します。

不正を防ぐだけでなく、組織への帰属意識を高め、離職率を下げる効果があることもわかっています。

組織に感謝の風土をつくることが、これからの倫理施策のスタンダードになっていくと私は思います。

そのためにできることは、まずは、小さなことにも「ありがとう」と感謝することです。

そのときに、ここだけは押さえて欲しいのですが、”ありがとう”ではなく”何にありがとうなのか”を必ず添えることです。

このことで、この「具体性がプラスの感情を生み出す」ことを知っておいてください。

感謝こそが、強い組織をつくる。

感謝は、人を誠実にします。誠実な人は、誘惑に負けにくいため、結果的に不正行為は確実に減少傾向に。

ポジティブな感情の中でも、幸福と感謝はまったく違う働きをします。

幸福:気分が良くなる
感謝:価値判断が変わる(行動が変わる)

この違いを理解したうえで、私たちは組織に「感謝が生まれる仕組み」を浸透させる必要があるのかもしれません。

それは、単なる優しさや道徳ではありません。

組織の信頼性を守り、コンプライアンス意識を高め、長期的に健全な文化をつくるための”科学的な方法”です。

あなたの会社では、今日、誰に感謝を伝えられますか?
その一言が、組織のコンプライアンス意識を高める最初の一歩になるかもしれません。

参考文献(Research)
DeSteno, D., et al. (2014). The Grateful Don’t Cheat: Gratitude as a Fount of Virtue. Psychological Science.
参考図書(Further Reading)

『THANKFULNESS 感謝脳』(樺沢紫苑・田代政貴 著/飛鳥新社)
※本稿は、上記の海外学術論文を一次資料として参照し、その知見をもとに筆者の視点で再構成したものである。
なお、「感謝」の効果や日常での実践方法については、一般向けの解説として上記書籍も参考になる。

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この記事を書いた人

藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
このブログでは、そんな職場にある“見えにくいズレ”をほどきながら、

よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#管理職
#マネジメント
#ハラスメント

怒りの原因は、部下じゃなく栄養かもしれない ― パワハラ上司は野菜不足!?

 最近、おもしろい本を読みました。内藤誼人さんの『世界最先端の研究が教える新事実 心理学BEST100』という本です。スタンフォード、ハーバード、イェールといった大学の心理学研究をわかりやすくまとめた一冊で、人を理解するうえで、非常に参考になる内容です。

その中で、特に印象に残った研究があります。 それは、「キレやすいのは栄養不足が原因」というものです。

栄養が足りないと、人は攻撃的になる?

 イギリス・サリー大学の研究者ベルナルド・ゲッシュ氏が行なった実験があります。囚人231人を2つのグループに分け、半数には栄養バランスのとれたサプリメントを、もう半数には「サプリメント」と偽って、何の栄養もない錠剤を142日間飲んでもらいました。

すると驚くべきことに、栄養を補ったグループでは「暴力」や「命令への不服従」といった行動が35.1%減少したのです。一方、栄養を補わなかったグループでは、わずか6.7%しか減らなかったそうです。

つまり、きちんと栄養をとることで、人の気持ちは穏やかになるということ。 逆に、栄養が不足していると、イライラしたり、攻撃的になったりする可能性があるということです。

「パワハラ上司」が生まれる理由は食生活の乱れ!?

  私たちの会社でも、ハラスメント研修を行う中で、「なぜ人は他人にきつく当たってしまうのか」という根本的なテーマをよく話します。 もちろん、その方の性格も関係しますが、一方で、「食生活の乱れ」が潜んでいるかもしれません。

 「なんだか最近イライラするな」と感じたとき、あなたはどうしていますか? 原因を部下や職場のせいにする前に、まずは「自分の栄養状態を見直す」ことも大切です。ビタミンやミネラルを含む野菜や果物をしっかり摂ることで、思考が穏やかになり、人への対応に余裕が生まれるようなんです。

イライラしている人ほど、野菜を食べない

  書籍によると、おもしろいことに、コーネル大学とリーズ大学の研究では、ストレスが多い人ほど野菜やフルーツの摂取量が少ないという結果も出ています。
つまり、イライラしているときほど、つい甘いものや脂っこい食事に手を伸ばしてしまう。けれど、それがまた心を不安定にして、イライラしやすくなる。まさに悪循環です。

「じゃあ、何を食べればいいの?」

 栄養に関する情報はたくさんありますが、研究で効果が確認されているのは、ビタミンやミネラルなどの栄養素です。特に以下のような食材を意識して摂ることがおすすめです。
 

◎ 緑黄色野菜 ほうれん草、ブロッコリー、にんじんなど。ビタミンB群やマグネシウムが豊富で、神経の働きを整えてくれます。

◎ 果物 バナナ、りんご、ベリー類など。ビタミンCやカリウムが、ストレス対策に役立ちます。
◎ ナッツ類 アーモンドやくるみ。マグネシウムや良質な脂質が心を落ち着かせます。
◎ 青魚 サバ、イワシなど。オメガ3脂肪酸が脳の健康をサポートします。

忙しい人でもできる工夫 「毎日バランスよく料理するのは難しい…」という方も多いでしょう。

そんなときは、
• コンビニのサラダやカット野菜を活用する

• 果物は、なるべくそのまま食べる
 (スムージーよりも糖質が少ない)

• ランチに定食を選んで、小鉢を一品増やす

といった小さな工夫から始めてみてください。

栄養は「人間関係の土台」

 人間関係のトラブルやハラスメントの背景には、心理的・社会的要因だけでなく、身体的な要因も疑ってみてはいかがでしょう?「心と体はつながっている」という言葉は、まさにその通りですから。

社員のメンタルケアを考えるうえでも、食事や睡眠、運動といった「生活習慣の土台」を整えることは、非常に重要です。

もし、あなたの周りに、いつもピリピリしている上司や同僚がいたら、、、、
もしかしたら、「野菜が足りない」のかもしれません。

ピリピリしても、いなくても、健康の為に、あなたも 明日から試してみませんか?


世界最先端の研究が教える新事実 心理学BEST100 総合法制出版 著 内藤 誼人 

2021年9月21日出版 是非、お読みください!!

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藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
社会の変化、世代間の違い、そして組織の文化の中で生まれるものです。
このブログでは、社会・組織・個人という三つの視点から、
ハラスメントの背景や構造について考えています。
職場には、「わかっているはず」という思い込みや、
言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
しかし、ときにそれは人を追い詰める
「以心伝心の暴力」 になることもあります。
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よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#上司
#マネジメント
#パワハラ

いちばん厳しい上司は、自分の中にいる ― 自分で自分にパワハラする人たち

あなたの中に「ブラック上司」はいませんか?

「なんでこんなこともできないんだ?」
「またミスした…本当に使えないな」
「もっと頑張らないと。こんなんじゃ甘えてる」

誰かに責められているわけではない。なのに、脳内で繰り返されるこの暴言。
まるでブラック上司のように、自分自身を追い詰めてしまう。

そんな「自分責めの習慣」に、心当たりはないでしょうか。
私はこれを、「自己パワハラ」と呼んでいます。

自己パワハラが生み出す「負のスパイラル」

自分を責め続けると、やがてこう思い始めます。

「自分は嫌われる存在だ」
「好きになってもらえるはずがない」
「自分には価値がない」

この思考パターンは、職場での振る舞いにも影響します。過度に遠慮する、意見を言えない、評価を素直に受け取れない。結果として、本来のパフォーマンスが発揮できなくなるのです。

冷静に考えてほしい、この事実

少し過激な言い方をします。

あなたが亡くなって一年も経てば、ほとんどの人間関係は忘れ去られるでしょう。職場での評価も、あの日のミスも、すべて記憶から消えていきます。
そして、あなたの頭の中で繰り返されている自己批判の声も、あなたが死を迎えた瞬間、削除されたデータのように完全に消去されます。

だからこそ、今考えるべきは「自分にパワハラする思考を、どう手放すか」ではないでしょうか。限られた人生を、自分を責めることに使うわけにはいきません。

自己パワハラの「損益計算書」


冷静に分析してみましょう。
自分にパワハラしても

• 給料は上がらない
• 評価が良くなるわけでもない
• スキルが向上するわけでもない
• むしろ、メンタルが削られパフォーマンスは下がる

さらに言えば、自分を責めている人は、他人からも避けられやすくなります。

なぜなら、自己否定の強い人は、無意識に周囲にもネガティブな空気を広げてしまうからです。「この人といると疲れる」と思われてしまうのです。

結論はシンプルです。自己パワハラは、百害あって一利なし。

Well-beingを削る「内なる攻撃」

「Well-being(ウェルビーイング)」という言葉をご存知でしょうか。

これは単なる健康ではなく、身体的・精神的・社会的に満たされている状態を指します。今、多くの企業や経営者が注目している概念です。

しかし、いくら会社が働き方改革を進めても、あなた自身が「責めグセ」から抜け出せなければ、真のWell-beingは手に入りません。

自己パワハラの強い人には、こんな特徴が見られます:

• 成果を出しても、満足できない
• 人の目や評価に敏感すぎて疲弊する
• 小さな失敗に過剰に落ち込む
• 褒められても、素直に受け取れない

これらはすべて、内側からWell-beingを削る「見えない攻撃」の影響です。

では、どうすれば自己パワハラをやめられるのか?
答えはシンプルです。「自分に優しくする」「自分を責めない」こと。

しかし、ここで多くの人が直面する壁があります。

自分を変えようとすると、周囲が邪魔をしてくるのです。

「そんな甘いこと言ってるから成長しないんだ」
「自分に優しくする?それって逃げじゃないのか」
特に日本の職場では、まだまだ「厳しさこそ美徳」という価値観が根強く残っています。

だからこそ、自分を変える前に、周囲からの「反論」をかわす技術を身につける必要があるのです。

反論に巻き込まれないための「3つの視点」

視点1:「正しさ」で戦わない

よくある反応:
「それは時代遅れですよ」
「今は自己肯定が当たり前の時代です」


推奨する返し方:
「そういう考え方もありますよね」
「最近は違うアプローチで成果を出す人も増えてきていますね」

“自分が正しい”を主張するのではなく、”多様な価値観がある”と示す。これが対話を続けるコツです。

視点2:相手の不安を理解する

「厳しく育てられてきた」「苦労して乗り越えてきた」
そんな背景を持つ相手にとって、「優しくする・甘やかす」という考えは、自分の努力を否定されているように感じられるのです。

推奨する返し方:
「○○さんのように、厳しい環境を乗り越えてこられた経験には説得力があります」
「だからこそ、私は今、自分なりのやり方を試してみたいと思っています」
一度、相手の過去を認める。すると、こちらの意見も通りやすくなります。

視点3:距離を保つことも「戦略」

すべての人と分かり合う必要はありません。
価値観がどうしても合わない相手には、戦わず・屈せず・巻き込まれずのスタンスで、心理的距離を保つことが重要です。

推奨する返し方:
「ありがとうございます、参考にします」
「私は少し違うやり方を試してみたいと思っています」
これは「受け入れるふり」ではなく、自分のWell-beingを守る知恵です。

ケース別・実践的な対話例

ケース1:「そんな甘い考えじゃ通用しない」と言われたら

「たしかに、甘えと紙一重になることもあるかもしれません。ただ、感情を整えることで集中力や成果が上がった実感があるんです」

ケース2:「俺の若い頃はもっと厳しかった」と言われたら
「そういう環境で成果を出してこられたんですね。今はまた違うやり方で力を引き出す方法もあって、私も模索しているところです」

ケース3:否定ばかりしてくる先輩に巻き込まれたくないとき
「ありがとうございます。少し整理して考えてみたいので、また改めてご相談させてください」

言い返さずに使える「かわし言葉」集

【否定されたとき】
→「そういう考えもありますよね」

【強く指摘されたとき】
→「なるほど、少し違う視点かもしれません」

【自分の立場を守りたいとき】
→「私も今、自分なりのやり方を試しています」

【会話を終わらせたいとき】
→「ありがとうございます、考えてみますね」

ぶつからなくていい、ずらせばいい

「自分を責めないで生きるなんて、甘えじゃないか」
「周囲が厳しいのに、自分だけ楽になっていいのか」

そんなふうに感じることもあるかもしれません。

でも、今はこう考えています。

ぶつからずに”ずらす”という選択こそ、自分を守る知性。

自分のWell-beingを整えることは、結果的に他人へのやさしさにもつながります。メンタルが安定している人の方が、良いパフォーマンスを発揮でき、チームにも貢献できるのですから。

「甘やかし」ではなく「回復力」

「自分を甘やかしていいのか」
「こんな自分を肯定してもいいのか」
そう迷う気持ちもあるでしょう。

しかし、自分に優しくするということは、「回復力(レジリエンス)」を育てることに他なりません。

厳しさ一辺倒で乗り越える時代は、終わりを迎えています。

どうか今日、自分にこう声をかけてみてください。
「よくやってる」
「今の自分も、悪くない」
「今日は、もう十分」

あなたへの問いかけ

今日一日を振り返って、自分にかけた言葉を思い出してみてください。
それは、信頼する部下や同僚にもかけるような言葉でしたか?
もしそれが厳しすぎるものだったなら、明日は少しだけ優しい言葉に変えてみませんか。

「頑張ってるよ」でも、「お疲れさま」でも、「今日もよくやった」でも構いません。
どうか、あなた自身があなたのいちばんの味方でありますように。

#自分で自分にパワハラする人たち

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藤山晴久
株式会社インプレッション・ラーニング 代表取締役
ハラスメント研修プランナー/講師/産業カウンセラー
企業の管理職が「ハラスメントを恐れて部下指導ができない」という悩みを解決する研修を専門とする。
アンダーセンビジネススクール、KPMGあずさビジネススクールにて法人研修の企画営業マネージャーとして、一部上場企業を中心にコンプライアンス研修、ハラスメント研修を企画。
2009年、株式会社インプレッション・ラーニングを設立。
企業研修プランナーとして、管理職向けハラスメント研修を中心に活動し、研修講師としても登壇。
年間約200件の研修を企画・実施し、これまで約30万人以上が受講。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハラスメントは、特定の個人だけの問題ではありません。 
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言葉にしなくても伝わるはずだという空気があります。
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よりよい対話と関係を生み出すヒントを発信していきます。
職場の「わかっているはず」を、言葉に変える。
そんな思いで、このブログを書いています。

#パワハラ
#ハラスメント
#管理職